読み | 万葉よみ:榎(え) 現代よみ:榎(えのき) |
ふりがな |
わが門の 榎(え)の実もり喫(は)む 百千鳥 千鳥は 来れど 君そ来まさぬ 読人しらず |
意味 | わが家の門口にある榎の実を、ついばんでいるたくさんの千鳥。千鳥は来るけれど、あの人はおいでにならない |
万葉集には**首の歌が詠まれている | |
樹木解説 |
人里に近いところに多くみられる。卵形の葉は、三本の葉脈が目立ち、 左右が不対称なのが特徴。10月ごろ、径7㎜の赤い小さな実をつける。 甘味があり食用にもされるが、もっぱら小鳥たちが好んでついばむ。 江戸幕府の二代目将軍の徳川秀忠は、参勤交代制度の確立のために、 諸国に街道の整備を命じたが、その際、街道両側にエノキを一里ごとに 植えさせたという。これが一里塚であり、今でも旧街道筋には「二本榎」など の地名が残っている。エノキが選ばれたのは、将軍が「よい木を植えよ」と 言ったのを、家臣が「エノキを植えよ」と聞きまちがえたという説があるが 定かではない。現存する一里塚には、エノキばかりでなく、ケヤキや ムクノキといった樹種が一里塚に適していたのであろう。 |
関連 |
世界の木材 0003.エノキ 木偏百樹 12.えのき |
出展 | 巻16-3872 |