樹木解説 |
「三栗の」は、一つのいがの中に実が三個入っているものの中央の意から、「なか」にかかる枕詞にされる。
ブナ科。日本各地のブナ、ミズナラ、カエデ等と混じって山地に分布する。
縄文時代の昔から、 トチの実、クルミ等と共に大切な食糧である。梅雨の頃(6~7月)、独特の甘い 香りを放ちながら花がさき、新しい枝に雄花と雌花が一緒につく。
黄色味がかった白色の雄花は、軸にたくさんついて、10~15㎝くらいの長さの モールのようなものがフサフサと上向きにつく。その軸の基部の方に小さな雌花 が2~3ヶつく。クリは、虫媒花で雄花から雌花へは虫等が媒体になる。
花が終る頃、雄花はバラバラと落ちてしまい、雌花は実を熟す準備に入る。
果実は、9~10月に成熟。ご存じの様に鋭い針で覆われたイガ(殻斗)の中に 1~3ヶのクリの実がある。始め緑色だったイガは徐々に茶色に変色し、熟すと イガが割れてクリの実が出る。 |