汽車の中 |
8
| デッキ |
デッキ |
デッキの上だけでも二十人は乗っている。 |
汽車の中 |
9
| デッキ |
デッキ |
そいつがデッキの中へ横なぐりに入りこんできて、 |
汽車の中 |
9
| デッキ |
デッキ |
かれは片脚でデッキのいちばん端に、 |
汽車の中 |
20
| 棒 |
棒 |
佐野のからだが緊張しすぎて棒のようになっていたせいか、 |
汽車の中 |
37
| 洗濯板 |
洗濯板 |
佐野先生のやせた洗濯板の上半身は折れるように、 |
汽車の中 |
39
| 立木 |
立木 |
座席の間に立木のようにつったった脚がずり動いたてめに、 |
燕京大学部隊 |
75
| 木蔭 |
木蔭 |
庭の奥まった木蔭でうたたねに入ろうとしていると |
燕京大学部隊 |
76
| 並木道 |
並木道 |
万寿山へ通じるたそがれの並木道をそぞろ歩きする、 |
燕京大学部隊 |
79
| 大木 |
うどの大木 |
うどの大木と云う言葉は当たっているなあと感心するのだ。 |
燕京大学部隊 |
83
| 林 |
林 |
トマトの林が茂り、 |
燕京大学部隊 |
83
| 羽目板 |
羽目板 |
力に任せてあちこち羽目板をはがしてきて立札をこしらえた。 |
燕京大学部隊 |
83
| 立札 |
立札 |
力に任せてあちこち羽目板をはがしてきて立札をこしらえた。 |
燕京大学部隊 |
88
| 枡 |
枡 |
どこからともなく板をはがしてきて、枡のついた台を作り、 |
燕京大学部隊 |
88
| 板 |
板 |
どこからともなく板をはがしてきて、枡のついた台を作り、 |
燕京大学部隊 |
89
| 箸 |
箸 |
箸箱から箸を出しながら、 |
燕京大学部隊 |
89
| 箸箱 |
箸箱 |
箸箱から箸を出しながら、 |
燕京大学部隊 |
94
| 木立 |
木立 |
自分一人大きな木立の下へ走り込み、 |
燕京大学部隊 |
94
| 温室 |
温室 |
塙農園の温室の花を |
燕京大学部隊 |
95
| 実 |
松の実 |
松の実かて充分と栄養になるんやぜ |
燕京大学部隊 |
95
| 松笠 |
松笠の実 |
構内の松の木からもぎとった松笠の実をご馳走してくれた。 |
燕京大学部隊 |
95
| 林 |
林 |
冬になった幸福すぎる林の中を、 |
燕京大学部隊 |
95
| マツ |
松の実 |
松の実かて充分と栄養になるんやぜ |
燕京大学部隊 |
95
| 皮 |
皮 |
こつんこつんと肉の厚い実を叩いては皮をはがし賞美することを伝授してくれた。 |
燕京大学部隊 |
95
| 実 |
実 |
こつんこつんと肉の厚い実を叩いては皮をはがし賞美することを伝授してくれた。 |
燕京大学部隊 |
95
| カヤ |
榧の実 |
なるほど松の実は、榧の実のように、 |
燕京大学部隊 |
95
| 実 |
松の実は |
なるほど松の実は、榧の実のように、 |
燕京大学部隊 |
95
| マツ |
松の木 |
構内の松の木からもぎとった松笠の実をご馳走してくれた。 |
燕京大学部隊 |
95
| 実 |
松笠の実 |
構内の松の木からもぎとった松笠の実をご馳走してくれた。 |
燕京大学部隊 |
95
| マツ |
松の実は |
なるほど松の実は、榧の実のように、 |
燕京大学部隊 |
95
| 実 |
榧の実 |
なるほど松の実は、榧の実のように、 |
燕京大学部隊 |
97
| 林 |
林 |
ほんとうはこの林の中で阿比川はあちらの方も |
燕京大学部隊 |
98
| 実 |
松の実 |
いつか松の実を叩いたような真鍮の把手や帽子かけが |
燕京大学部隊 |
98
| マツ |
松の実 |
いつか松の実を叩いたような真鍮の把手や帽子かけが |
小銃 |
107
| 林 |
林 |
軍靴(ぐんか)の土煙をすかしてうつる小銃の影の林の中で、 |
燕京大学部隊 |
107
| マツ |
松の実 |
チシャのような高級品やら松の実やらのおかげで |
燕京大学部隊 |
107
| 実 |
松の実 |
チシャのような高級品やら松の実やらのおかげで |
小銃 |
124
| 林 |
林 |
その林はひびきと共に動いて行く・ |
小銃 |
124
| 床尾板 |
床尾板 |
銃把(じゅうは)をにぎりしめ、床尾板(しょうびはん)の魚の目-- |
小銃 |
125
| アンズ |
あんず |
あんずの飴のようなものでもくっついていて、 |
小銃 |
125
| 木肌 |
木肌 |
木肌の一部になったのかも知れない。 |
小銃 |
126
| 指物師 |
指物師 |
指物師の家に生まれ子供のあそびに物尺(ものさし)をもった私の眼は |
小銃 |
128
| 棒 |
棒 |
そのうち二人は棒をかついている。 |
小銃 |
131
| 棒杭 |
棒杭 |
棒杭にしばりつけられた女であることを |
小銃 |
133
| 床尾板 |
床尾板 |
わざと床尾板をさびつかせて見たり、 |
小銃 |
133
| 床 |
床 |
アンベラの床の上に放りだすのであった。 |
小銃 |
133
| 木製の |
木製の |
あんなにまで私が愛した木製の部分を、 |
小銃 |
139
| 林 |
林 |
この無言の林のなかにいると、 |
小銃 |
139
| 林 |
林 |
大矢の声が銃の林の中からふいときこえた。 |
小銃 |
139
| 棒杭 |
棒杭 |
あおざめた女が棒杭をしょってこちらに嘆願している姿を見たからである。 |
小銃 |
141
| 林 |
林 |
たちまち小銃の林はたおれると弾丸をのみ下し |
小銃 |
141
| 樹 |
樹 |
夕闇がせまってきて樹のない岩山に夕やけが気味のわるいように |
小銃 |
142
| 床尾板 |
床尾板 |
眺めてみると床尾板はもとより銃身からユウテイまで、 |
小銃 |
142
| 床尾板 |
床尾板 |
床尾板の金具がガタガタに浮いている。 |
星 |
147
| 梯子 |
梯子 |
天国にのぼる梯子を仰ぎ見るのにも似た目まいをおぼえるのです。 |
星 |
155
| 木樵 |
木樵 |
木樵や炭焼き人夫の多いこの部隊の者と競うのが、 |
星 |
187
| 木 |
木 |
木の間もれに彼の白金色の星にキラリキラリと漂うのです。 |
星 |
187
| クリスマス・ツリー |
クリスマス・ツリー |
長い間わすれていたクリスマス・ツリーにかかった星やベルを思い出しました。 |
微笑 |
200
| 箸 |
箸 |
息子はそのうち右手で箸をにぎらなくなった。 |
微笑 |
201
| カキ |
柿の木 |
父は裏の柿の木へ腰紐をもって歩いていった。 |
微笑 |
203
| 遊動円木 |
遊動円木 |
僕は遊動円木にのせに連れて行った。 |
微笑 |
203
| 円木 |
円木 |
後ろにそらせて円木に近づくのをじっと見ているのだ。 |
微笑 |
204
| 木ぎれ |
木ぎれ |
僕はそれから硬直した木ぎれのような身体を、 |
微笑 |
214
| 松葉杖 |
松葉杖 |
そういう子の中には松葉杖をついて歩かねばならぬ子も見うけられた。 |
微笑 |
217
| 箸 |
箸 |
「右手はどうした。箸を持て」 |
微笑 |
217
| 箸 |
箸 |
箸を持つというささいなことのために、 |
アメリカン・スクール |
232
| 雑木林 |
雑木林 |
とびおりて山道に沿った雑木林の中にかくれた。 |
アメリカン・スクール |
233
| 林 |
林 |
彼は林の中で待っていて、 |
アメリカン・スクール |
256
| 柵 |
柵 |
ジープが去ると仮は運動場の柵の方へハダシのまま駈けて生き、 |
アメリカン・スクール |
256
| 雑木林 |
雑木林 |
山の中の雑木林とは勝手がちがつていた。 |
アメリカン・スクール |
257
| 林 |
林 |
ちょっとあの林の中の復讐をしてやろうと思った。 |
アメリカン・スクール |
260
| 柵 |
柵 |
伊佐のいるところとは離れた柵にもたれて、 |
アメリカン・スクール |
260
| 柵 |
柵 |
美しい婦人が小走りに柵の方へ近づいてくるのを見て、 |
アメリカン・スクール |
260
| 木立 |
木立 |
少しずつ動いて木立の蔭に身をかくした。 |
馬 |
286
| 建築者 |
建築者 |
建築者はこの近所に住んでいるのか、 |
馬 |
286
| 材木 |
材木 |
それにしても材木は家を建てるべき材料だから、 |
馬 |
286
| 材木 |
材木 |
手ざわりによるともうその材木には切り込みさえしてある。 |
馬 |
286
| 材木 |
材木 |
材木がうず高くつんであるのだ。 |
馬 |
292
| 材木 |
材木 |
この材木みんな風呂の薪にしてもいいのよ。 |
馬 |
292
| 材木 |
材木 |
思い切りよく材木を薪にすることもあり得ないことではないし、 |
馬 |
292
| 薪 |
薪 |
思い切りよく材木を薪にすることもあり得ないことではないし、 |
馬 |
292
| 薪割り |
薪割り |
その薪割りの仕事は僕がやらせられるのではたまつたものではない。 |
馬 |
292
| 鉛筆 |
鉛筆 |
時々子細らしく鉛筆をにぎっている背中を見かけたものだが、 |
馬 |
292
| 薪 |
薪 |
この材木みんな風呂の薪にしてもいいのよ。 |
馬 |
293
| 建築費 |
建築費 |
思い余ってトキ子に建築費の伺いを立てると、 |
馬 |
294
| 建築 |
建築 |
トキ子が建築の運びに至らせたのだが、 |
馬 |
297
| 土台 |
土台 |
今日は土台工事が終わり、そのうちに建前が行われ、 |
馬 |
297
| 建前 |
建前 |
今日は土台工事が終わり、そのうちに建前が行われ、 |
馬 |
298
| 建前 |
建前 |
建前の日、その日も僕は |
馬 |
299
| 骨組 |
骨組 |
つつましやかにその骨組をさらしている筈だったのだ。 |
馬 |
299
| 大工 |
大工 |
大工がまちがえてトキ子がそれを知らぬ顔で |
馬 |
301
| 大工 |
大工 |
たしかに大工が高い所で仕事をはじめたのにちがいない。 |
馬 |
301
| 金槌 |
金槌 |
頭の上で金槌をふりまわされては |
馬 |
302
| 棟梁 |
棟梁 |
トコ子が僕を棟梁に紹介してしまつた。 |
馬 |
302
| 棟梁 |
棟梁 |
大工の棟梁にしょうかいされるとは、 |
馬 |
302
| 棟梁 |
棟梁 |
キッと棟梁の顔を眺めると、 |
馬 |
303
| 板 |
板 |
板をけずっている半人前職人が片目をつぶって |
馬 |
303
| 実 |
実 |
焼けあとからいつのまにか生えてきた一本だけある実のならぬ柿の木のかげにかくれて、 |
馬 |
303
| カキ |
柿の木 |
焼けあとからいつのまにか生えてきた一本だけある実のならぬ柿の木のかげにかくれて、 |
馬 |
303
| 板 |
板 |
僕は一枚の板にも、一本の釘にも、 |
馬 |
304
| 棟梁 |
棟梁 |
棟梁はそれっきりトキ子の方はふりむきもせず、 |
馬 |
304
| カンナけずり |
カンナけずり |
柿の木をはなれて近よった十五、六のカンナけずりの青年は、 |
馬 |
304
| カキ |
柿の木 |
柿の木をはなれて近よった十五、六のカンナけずりの青年は、 |
馬 |
304
| 棟梁 |
棟梁 |
トキ子がとつぜん棟梁に向かって、 |
馬 |
309
| 棟梁 |
棟梁 |
棟梁ににじりよって僕の心が重くなるような |
馬 |
309
| スギ |
杉の木立 |
病院の貧弱な杉の木立をすかして、たしか僕の家の庭で |
馬 |
309
| 棟梁 |
棟梁 |
添うどころか棟梁たちのそばにつき添って楽しげであるのは |
馬 |
309
| 骨組 |
骨組 |
骨組の聳え立った二階屋のてっべんに何のマジナイか紙切れが |
馬 |
309
| 木立 |
杉の木立 |
病院の貧弱な杉の木立をすかして、たしか僕の家の庭で |
馬 |
318
| スギ |
杉 |
杉の木を伝っておりられたりしては危ないのですがね、 |
馬 |
318
| 木 |
杉の木 |
杉の木を伝っておりられたりしては危ないのですがね、 |
アメリカン・スクール |
318
| 蕾 |
蕾 |
花の蕾のような感触で、 |
馬 |
318
| スギ |
杉の木 |
杉の木を伝っておりられたりしては危ないのですがね、 |
馬 |
319
| 建築 |
建築 |
いくら僕の好まざる建築とは云いながら、 |
馬 |
319
| 棟梁 |
棟梁 |
今日は棟梁もなかなかあらわれず、大工たちもノロノロと仕事ぶりも緩慢で、 |
馬 |
319
| 大工 |
大工 |
今日は棟梁もなかなかあらわれず、大工たちもノロノロと仕事ぶりも緩慢で、 |
馬 |
320
| 棟梁 |
棟梁 |
棟梁を叩きのめさねば気がすすまぬ。 |
馬 |
320
| 棟梁 |
棟梁 |
やがて棟梁は姿をあらわしたが、 |
馬 |
320
| 棟梁 |
棟梁 |
昨夜の人影は棟梁ではないかと思った、 |
馬 |
321
| 木 |
杉の木 |
僕の杉の木からおりるのを持っていたにちがいない。 |
馬 |
321
| スギ |
杉の木 |
僕の杉の木からおりるのを持っていたにちがいない。 |
馬 |
321
| 木 |
杉の木 |
二階の窓から杉の木にとびつき地上に辿りつくと |
馬 |
321
| スギ |
杉の木 |
二階の窓から杉の木にとびつき地上に辿りつくと |
馬 |
322
| 棟梁 |
棟梁 |
「棟梁の知人が死んだので振舞酒をのんできたのよ」 |
馬 |
330
| 羽目板 |
羽目板 |
羽目板を叩くのなら分かるがドアをえらんで叩くとは |
馬 |
334
| 喬木 |
喬木 |
雑木の喬木(きょうぼく)のあいだを走り、 |
馬 |
334
| 雑木 |
雑木 |
雑木の喬木(きょうぼく)のあいだを走り、 |
馬 |
340
| 木立 |
杉木立 |
サッと杉木立をなびかせて |
馬 |
340
| スギ |
杉木立 |
サッと杉木立をなびかせて |
馬 |
342
| 棟梁 |
棟梁 |
もう棟梁の姿は闇の中にかくれてしまったが、 |
馬 |
342
| 棟梁 |
棟梁 |
五郎が棟梁に向かって走るのなら、棟梁にたいする行為か悪意の |
馬 |
342
| 棟梁 |
棟梁 |
五郎は棟梁のあとを追っかけて行くことは |
馬 |
342
| 建築 |
建築 |
そうして新しい建築が終わるまで |
馬 |
342
| 建築 |
建築 |
かけ離れた建築を彼女は試みる。 |
馬 |
342
| 棟梁 |
棟梁 |
たしかに棟梁の後姿だ。 |
馬 |
342
| 棟梁 |
棟梁 |
五郎が棟梁に向かって走るのなら、棟梁にたいする行為か悪意の |
鬼 |
354
| 薪 |
薪 |
薪などをつんだ小さな舟は利根川を横断して |
鬼 |
359
| 林 |
林 |
林の中の径もあるし、肥溜も私を待ちうけている。 |
鬼 |
359
| 板 |
板 |
堰門(せきもん)の背中の幅二尺ばかりの板をわたり、 |
鬼 |
363
| 森 |
森 |
堤防の上を走り森のかげにかくれてしまった。 |
鬼 |
364
| 船大工 |
船大工 |
それを船大工と、モーター屋にやって、 |