9 |
倒木 |
倒木 |
倒木の上はせまい |
9 |
倒木 |
倒木 |
えぞ松の倒木更新 |
9 |
自然林 |
自然林 |
北海道の自然林では |
9 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松は倒木のうえに育つ |
9 |
倒木 |
倒木 |
えぞ松は倒木のうえに育つ |
9 |
林 |
林 |
むろん林のなかのえぞ松が |
9 |
エゾマツ |
えぞ松 |
むろん林のなかのえぞ松が |
9 |
倒木 |
倒木 |
倒木のうえに着床発芽したものは |
9 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松の倒木更新 |
10 |
大樹 |
大樹 |
北海道産の大樹の見本である |
10 |
ナナカマド |
ななかまど |
植えられたななかまどは |
10 |
紅葉 |
紅葉 |
染めはじめたばかりの紅葉なので |
10 |
モミジ |
もみじ |
もみじしはじめていた |
10 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松に逢えると |
10 |
倒木 |
倒木 |
ああこれが倒木更新だ |
10 |
林 |
林 |
東大演習林見学の便宜を |
11 |
針葉樹 |
針葉樹 |
極わめつきをもつ針葉樹 |
11 |
精英樹 |
精英樹 |
それから精英樹 |
11 |
精英樹 |
精英樹 |
精英樹をきめるには |
11 |
柱 |
柱 |
巨大な柱の群像だけである |
11 |
樹海 |
樹海 |
二日目は”樹海”の碑のある |
11 |
広葉樹 |
広葉樹 |
広葉樹を見る |
12 |
枝 |
枝 |
見上げる梢は枝を |
12 |
マツ |
松 |
えぞという大きな地名を冠にかち得ているこの松は |
12 |
倒木 |
倒木 |
倒木更新とはどんなうっかり者にも |
12 |
梢 |
梢 |
見上げる梢は枝を |
12 |
木 |
木 |
木はどれも肌をぬらしており |
12 |
木 |
木の脚 |
木の脚ばかりなのだ |
12 |
倒木 |
倒木 |
えぞ松の倒木更新である |
12 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松の倒木更新である |
12 |
森林 |
森林 |
森林の静寂に従って |
12 |
木 |
木の脚 |
木の脚ばかりを見る始末になる |
13 |
木 |
木の幹 |
もと倒れた木の幹の |
13 |
木 |
木 |
この木、何年くらいしてるんでしょう |
13 |
マツ |
松 |
松の挨拶だったろうか |
13 |
倒木 |
倒木 |
まごうかたなき倒木だった |
14 |
木 |
木 |
木のからだにふれたのではない |
14 |
樹皮 |
樹皮 |
これが元の樹皮だ |
14 |
木 |
木の肌 |
木の肌の上は |
14 |
細根 |
細根 |
細根は倒木の亡骸の内側へ入って |
14 |
木 |
木 |
かつての木の姿である |
14 |
倒木 |
倒木 |
そっと倒木の上の |
14 |
倒木 |
倒木 |
細根は倒木の亡骸の内側へ入って |
15 |
木片 |
木片 |
木片とはいえぬ |
15 |
木 |
木 |
木は横には裂けにくいという |
15 |
倒木 |
倒木 |
倒木上の生存競争に落伍して |
15 |
木 |
木 |
木の障りになるものは |
16 |
樹 |
樹 |
現在の樹は |
16 |
古株 |
古株 |
古株は残っていた |
16 |
木 |
木 |
この木ある故に |
16 |
古株 |
古株 |
この古株を大切にし |
16 |
古木 |
古木 |
腐朽古木の姿が残っていた |
16 |
太根 |
太根 |
太根を何本も地におろして |
16 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞは育っています |
16 |
根株 |
根株 |
根株のうえにも |
16 |
倒木 |
倒木 |
倒木と同じ理屈で |
16 |
倒木 |
倒木 |
倒木更新とわかる一列が |
16 |
若木 |
若木 |
若木も五十年やそこらでは |
16 |
木 |
木 |
たぶん風倒の木の株だろうという |
16 |
古株 |
古株 |
容赦もなく古株をさいなんで |
17 |
林 |
林 |
林じゅうがぬれているのに |
17 |
木 |
木 |
この新しい木、これもただ生きているんじゃないんだ |
17 |
木 |
木 |
この古い木、これはただ死んじゃいないんだ |
17 |
シンジュ |
新樹 |
新樹が寒気をさえぎるのか |
17 |
古木 |
古木 |
古木が温度をもつのか |
17 |
古木 |
古木 |
古木の芯とおぼしい部分は |
17 |
太根 |
太根 |
太根の間に赤褐色の色が |
17 |
木 |
木 |
この木をみて |
17 |
古木 |
古木 |
古木の乾きをとらえたものだったろうか |
18 |
林 |
林 |
富良野の林中には |
18 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松は一列一直線一文字に |
18 |
マツ |
松 |
その松たちは真一文字に |
18 |
倒木 |
倒木 |
えぞ松の倒木更新があって |
18 |
木 |
木 |
木というものは |
18 |
広葉樹 |
広葉樹 |
広葉樹の黄色い |
18 |
木 |
木 |
木の秘めた感情は |
18 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松の倒木更新があって |
19 |
ザクロ |
遠柘榴 |
みごとな柘榴の花に逢ったとか |
19 |
イチョウ |
公孫樹 |
公孫樹がきれいに染まらないとか |
20 |
実 |
実 |
花の木実の木と |
20 |
枯葉 |
枯れ葉 |
枯れ葉になって |
20 |
木 |
木の葉 |
木の葉のあてっこをさせた |
20 |
花 |
花 |
花の木実の木と |
20 |
ツバキ |
椿 |
桜も椿も三本ずつあって |
20 |
サクラ |
桜 |
桜も椿も三本ずつあって |
20 |
カキ |
柿 |
柿も三本 |
20 |
花 |
花 |
木の姿花の姿が目にしみたといえる |
20 |
木 |
木 |
めいめいに木が与えられていた |
20 |
木 |
木 |
木や草に親しんでいた |
20 |
植溜 |
植溜 |
植木屋の植溜もいくつかあったし |
20 |
木 |
木 |
木の姿花の姿が目にしみたといえる |
20 |
植木屋 |
植木屋 |
植木屋の植溜もいくつかあったし |
20 |
木 |
木の葉 |
木の葉をとってきて |
20 |
ミカン |
蜜柑 |
だから蜜柑も三本 |
21 |
羽状複葉 |
羽状複葉 |
羽状複葉の一枚を |
21 |
芽 |
芽 |
かがまった芽でさえ |
21 |
葉 |
葉 |
まだ葉にひらいていない |
22 |
アンズ |
あんず |
あんずの花と桃の花はどこがちがうか |
22 |
ネコヤナギ |
ねこやなぎ |
いぬえんじゅ、猫やなぎ、ねずみもち |
22 |
ネズミモチ |
ねずみもち |
いぬえんじゅ、猫やなぎ、ねずみもち |
22 |
イヌエンジュ |
いぬえんじゅ |
いぬえんじゅ、猫やなぎ、ねずみもち |
22 |
モモ |
桃の花 |
あんずの花と桃の花はどこがちがうか |
22 |
花底 |
花底 |
花底をなめてみれば、どんなにかぐわしい蜜を貯えていることか |
22 |
花 |
花 |
花を裂いて |
22 |
ミカン |
みかんの花 |
みかんの花は匂いがいいばかりではない |
22 |
花 |
花 |
花の話木の話をしてくれた |
22 |
木 |
木 |
花の話木の話をしてくれた |
23 |
フジ |
藤 |
藤を藤をと私がせがむので |
23 |
フジ |
ふじの花 |
ふじの花も印象ふかかった |
23 |
ミカン |
蜜柑の花 |
虻のむらがる蜜柑の花には |
23 |
フジ |
藤 |
藤を藤をと私がせがむので |
24 |
フジ |
藤の花 |
ただ藤の花を見ていただけなのに |
24 |
フジ |
藤 |
父の藤を書いた随筆をみて |
25 |
フジ |
藤 |
藤というものがそのような |
26 |
花 |
花 |
一重の花の椿が一本 |
26 |
レンギョウ |
れんぎょう |
ばさけた連翹がひと株 |
26 |
シイ |
椎 |
隅に椎が一本 |
26 |
ツバキ |
椿 |
一重の花の椿が一本 |
26 |
アオキ |
青木 |
青木といった類が |
26 |
ヤツデ |
やつで |
八ツ手だとか |
26 |
草木 |
草木 |
草木のある土地にいたのだが |
26 |
カナメモチ |
かなめもち |
かなめもちが一本 |
27 |
サカキ |
さかき |
榊をくれたり |
27 |
植木屋 |
植木屋 |
植木屋さんとはなしをした |
27 |
葉 |
葉 |
水を打たれた枝や葉は |
27 |
枝 |
枝 |
水を打たれた枝や葉は |
27 |
草木 |
草木 |
草木へ関心をもたせる |
27 |
植木 |
植木 |
縁日の植木をみせておくのも |
27 |
芭蕉 |
芭蕉 |
芭蕉をもってきたり |
27 |
木 |
木 |
枯れていく木を |
27 |
木 |
木屑 |
表土の植に木屑や石くれが |
27 |
木 |
木 |
木を買って植えようとは思わない |
27 |
ドウダンツツジ |
どうだん |
どうだんがきたり |
27 |
植木 |
植木 |
人々は植木や鉢ものを |
28 |
フジ |
藤 |
藤の鉢植えだった |
28 |
フジ |
藤 |
藤でなくても |
28 |
サンショ |
さんしょ |
さんしょの葉としらすぼしを |
28 |
サンショ |
山椒 |
大下落の山椒だった |
28 |
木 |
老木 |
老木で、あすあさってには咲こうという |
28 |
木 |
木 |
娘の好む木でも |
28 |
植木市 |
植木市 |
春、植木市がたつ |
28 |
サンショ |
山椒 |
山椒でも子供は無邪気に喜んでいた |
28 |
サンショ |
山椒 |
小さい山椒の木を取った |
29 |
モミジ |
もみじ |
蔦からもみじへ |
29 |
スギ |
杉 |
松へ杉へと関心の芽を |
29 |
マツ |
松 |
松へ杉へと関心の芽を |
29 |
蔦 |
蔦 |
藤から蔦へ |
29 |
フジ |
藤 |
藤から蔦へ |
29 |
木 |
木 |
好む草なり木なりを買ってやれ |
29 |
蔦 |
蔦 |
蔦からもみじへ |
30 |
棘 |
棘(とげ) |
棘は容赦なく刺した |
30 |
草木 |
草木 |
草木をいとおしまぬ女が |
30 |
木 |
木 |
誰のためにあがなった木だろうと |
30 |
葉 |
葉 |
鮮緑の葉は揉めば |
30 |
木 |
木 |
貧弱な木だが |
30 |
サンショ |
山椒 |
買い与えた山椒が |
30 |
枯枝 |
枯れ枝 |
庭木の枯れ枝を一本切るにさえ |
31 |
フジ |
藤 |
あの藤のときの侘び心でもあり |
31 |
フジ |
ふじ |
自然のままにある富士でなく |
31 |
花 |
花 |
一枝についている花でも |
31 |
枝 |
一枝 |
一枝についている花でも |
31 |
花 |
花 |
美事な花をつけていた |
31 |
フジ |
藤 |
かばわれている藤である |
31 |
フジ |
藤 |
古藤といわれる花を見て歩いた |
31 |
フジ |
藤の花 |
藤の花をたずねたい |
31 |
芽 |
芽 |
芽をいとおしむ気をもったことだった |
31 |
木 |
木 |
木を育てようとする人だった |
31 |
花 |
花 |
娘の夫は花を好み |
31 |
花 |
花 |
古藤といわれる花を見て歩いた |
32 |
根 |
根 |
根まわり何十尺と数える太さもさることながら、その形状のおどろおどろしいのには、目が圧迫された |
32 |
フジ |
藤 |
園の藤、棚の藤というと |
32 |
フジ |
藤 |
園の藤、棚の藤というと |
32 |
フジ |
藤 |
藤波というが、風がわたればまさに波とみえる |
32 |
植木市 |
植木市 |
植木市のなかで |
32 |
花 |
花 |
花が藤だったからのせいもあろうか |
32 |
フジ |
藤 |
花が藤だったからのせいもあろうか |
32 |
フジ |
藤 |
千年の古藤というからには |
33 |
フジ |
藤 |
藤の強さにしばられたのだろうか |
33 |
フジ |
藤 |
古い藤、若い藤の |
33 |
フジ |
藤 |
古い藤、若い藤の |
34 |
ヒノキ |
檜 |
八月の檜は |
34 |
ヒノキ |
檜 |
どの檜もどの檜もが |
34 |
ヒノキ |
檜 |
どの檜もどの檜もが |
34 |
ヒノキ |
檜 |
その場の檜は |
34 |
木 |
木 |
木がこんなふうに気を吐くものとは |
34 |
木 |
木 |
木の持ついのちの勢いというか |
34 |
木 |
木 |
いつも見る木とは |
35 |
ヒノキ |
檜 |
檜のような |
35 |
ヒノキ |
檜 |
秋と夏では、檜の様子は |
35 |
ヒノキ |
檜 |
檜を見にきているのだが |
35 |
木 |
木立 |
私たちは木立のちょっと途切れた |
35 |
樹木 |
樹木 |
これは樹木になんの関心ももたない |
35 |
山森 |
山森 |
山森をよく知る人に |
35 |
木 |
木 |
木の一面にはじめて出会した |
36 |
ケブリ |
けぶり |
けぶりにも持ってはいなかった |
36 |
ヒノキ |
檜 |
秋の檜の尋常さは |
36 |
ヒノキ |
檜 |
夏の檜は、とにかく静かになどしてはいない。音をたてて生きている、といった姿だ |
36 |
大樹 |
大樹 |
大樹は大きく丈高くて |
36 |
ヒノキ |
檜 |
檜は尋常であった |
36 |
ヒノキ |
檜 |
秋の檜からは |
36 |
ヒノキ |
檜 |
夏の檜は見るからに |
36 |
木 |
木 |
この意欲的な木を見て |
37 |
マツ |
松 |
松とはいわない |
37 |
マツ |
松 |
首つり松などと呼ばれる |
37 |
マツ |
ヒネコビまつ |
たとえばヒョロ松ヒネコビ松であっても |
37 |
ヒョロマツ |
ヒョロまつ |
たとえばヒョロ松ヒネコビ松であっても |
37 |
マツ |
松 |
日本の国は松の国とならい |
37 |
松竹梅 |
松竹梅 |
松竹梅を教えられ |
37 |
マツ |
松 |
はじめに松というのが多いようである |
37 |
ヒノキ |
檜 |
杉、檜、桜で、順序はまちまちである |
37 |
スギ |
杉 |
杉、檜、桜で、順序はまちまちである |
37 |
ヒノキ |
檜 |
掟が檜で効いたには意外だった |
37 |
木 |
木 |
木がだますのではないが |
37 |
針葉樹 |
針葉樹 |
針葉樹にも四季があることは |
37 |
枝 |
枝 |
広葉樹は裸の枝に青く芽吹き |
37 |
広葉樹 |
広葉樹 |
広葉樹は裸の枝に青く芽吹き |
37 |
マツ |
松 |
子供の好奇心をよせる松もあった |
37 |
サクラ |
桜 |
杉、檜、桜で、順序はまちまちである |
38 |
マツ |
松 |
松と数えないのも |
38 |
枝葉 |
枝葉 |
枝葉をもっている檜 |
38 |
ヒノキ |
檜 |
立っている檜 |
38 |
ヒノキ |
檜 |
生きている檜 |
38 |
ヒノキ |
檜 |
檜が優良材だということは |
38 |
ヒノキ |
檜 |
檜など夢のまた夢なのだから |
38 |
ヒノキ |
檜 |
若い人は檜という |
38 |
ヒノキ |
檜 |
枝葉をもっている檜 |
38 |
マツ |
松 |
松など太刀打できずに |
38 |
枝 |
枝 |
枝を選ぶような |
38 |
マツ |
松 |
栄養出張の松など惜しむ心はないし |
38 |
マツ |
松 |
松はなじみだった |
38 |
材 |
材 |
材、という点で知っているのは |
39 |
ヒノキ |
檜 |
檜の木肌は白くて艶がある |
39 |
カンナ屑 |
かんな屑 |
檜はかんな屑さえ |
39 |
ヒノキ |
檜 |
檜はかんな屑さえ |
39 |
大工 |
大工 |
ある大工さんが |
39 |
木 |
木 |
いい性格をもって生まれている木なのだった |
39 |
木肌 |
木肌 |
檜の木肌は白くて艶がある |
39 |
通直 |
通直 |
通直である |
39 |
ヒノキ |
檜 |
良質の檜はどこの国へ出しても |
39 |
木材業 |
木材業 |
木材業の人にきくと |
39 |
良材 |
良材 |
ながく良材ばかりを手がけ |
39 |
木材 |
木材 |
各国の木材をも扱っている |
39 |
木目 |
木目 |
木目が美しい |
40 |
ヒノキ |
檜 |
檜のあまりに揃った |
40 |
ヒノキ |
檜 |
檜には欠点一つないんでしょうか |
40 |
ヒノキ |
檜 |
檜とはそれほどまでに良い木なんですか |
40 |
良木 |
良木 |
こんな良木があることは |
40 |
木 |
木 |
檜とはそれほどまでに良い木なんですか |
41 |
ヒノキ |
檜 |
檜特有の樹皮は谷のしめりを吸って |
41 |
樹勢 |
樹勢 |
樹齢といい、樹勢といい |
41 |
木 |
木 |
太さをもった木が |
41 |
樹齢 |
樹齢 |
樹齢といい、樹勢といい |
41 |
木 |
木 |
この木が指し示されたのか |
41 |
樹皮 |
樹皮 |
檜特有の樹皮は谷のしめりを吸って |
41 |
樹 |
老樹 |
二本立の老樹をさした |
41 |
木 |
木 |
よくない木も多いものですよ |
41 |
木 |
木 |
優秀な木は少なくて |
41 |
ヒノキ |
檜 |
檜にさからってみたくなるのも |
41 |
ヒノキ |
檜 |
檜にもピンからキリまで |
41 |
枝 |
下枝 |
下枝はなく |
42 |
木 |
木 |
この木は材にしても |
42 |
太根 |
太根 |
その木の太根であった |
42 |
木 |
木 |
その木の太根であった |
42 |
ヒノキ |
檜 |
檜にもピンもキリもあるんです |
42 |
材 |
材 |
この木は材にしても |
42 |
樹皮 |
樹皮 |
木の樹皮には |
42 |
木 |
木 |
木の樹皮には |
42 |
木 |
木 |
木の性質を |
42 |
上材 |
上材 |
上材はとれません |
43 |
木 |
木 |
木自身のからだに書かれているし |
43 |
ヒノキ |
檜 |
その檜は、生涯の傾斜を背負って |
43 |
森林 |
森林 |
同行の森林の人は教えてくれた |
43 |
木 |
木 |
並びたつ二本の木の、一方はまっすぐに立ち、一方はかしいでいるのを |
43 |
木 |
木 |
その木の周辺の事物が裏書きをしている |
43 |
木 |
木 |
木はめいめい |
43 |
木 |
木 |
履歴書があるように、木にもそれがある |
43 |
木 |
木 |
木はものをいわずに生きている |
43 |
梢 |
梢 |
梢に頂いた細葉の黒い繁みを |
43 |
細葉 |
細葉 |
梢に頂いた細葉の黒い繁みを |
44 |
木 |
木 |
木のからだに書いてある履歴書から |
44 |
木 |
木 |
まだこの木が子供で弱々しかった頃 |
44 |
木々 |
木々 |
もっと大きい木々が |
44 |
木 |
木 |
頭を塞がれたこの木も |
45 |
木 |
木 |
木の履歴書のそうした読み方をきくと |
45 |
木 |
木 |
日照を阻害されている木が |
45 |
木 |
木 |
変形の個所をもつ木は珍しくない |
45 |
木 |
木 |
苦患の記録をつけた木は沢山あるのだった |
45 |
木 |
老木 |
すぐそばにあった老木が |
45 |
木 |
木 |
木の履歴書と周囲の情況を |
45 |
木 |
木 |
この木のところだけ |
45 |
木 |
木 |
木の生きていく苦しみと |
46 |
木 |
木 |
木が立木ではなくなって |
46 |
アテ |
アテ |
アテを劣等といって |
46 |
製材業 |
製材業 |
製材業が多くて |
46 |
林業 |
林業 |
この土地は林業 |
46 |
木 |
木 |
木の身になってごらんなさい |
46 |
立木 |
立木 |
木が立木ではなくなって |
46 |
立木 |
立木 |
木が立木で生きていた時はね |
46 |
木 |
木 |
木が立木で生きていた時はね |
46 |
木 |
木 |
木は折れも倒れもせずに |
46 |
アテ |
アテ |
それをアテと呼んで |
46 |
木 |
木 |
内側も木の組織がムラになって |
46 |
材 |
材 |
材とするとき |
47 |
木 |
木 |
アテの木ばかりが |
47 |
大樹 |
大樹 |
大樹ときわめつきのある良い木があります |
47 |
木 |
木 |
大樹、というのとエリートの木というのと |
47 |
大樹 |
大樹 |
大樹、というのとエリートの木というのと |
47 |
木 |
木 |
大樹ときわめつきのある良い木があります |
47 |
アテ |
アテ |
気楽にのんびりして見えるアテは |
47 |
アテ |
アテ |
アテがどんなふうに |
47 |
アテ |
アテ |
アテの木ばかりが |
47 |
林 |
林 |
林の道を進んだ |
47 |
アテ |
アテ |
アテはどれも醜さをさらしたまま |
48 |
林 |
林 |
向う側の林だった |
48 |
大樹 |
大樹 |
今見てきた大樹の残像があって |
48 |
林 |
林 |
もっといい気分の林もあります |
48 |
木 |
木 |
粒をそろえていい木が囲っていた |
48 |
大樹 |
大樹 |
その大樹はきわめつけだけあって |
48 |
木 |
木 |
いわばお供の木というのが |
48 |
木 |
木 |
斜に傾いだ木がない |
48 |
林 |
林 |
その林がそれほどいいというのがわからず |
49 |
細丸太 |
細丸太 |
皮つきのままの細丸太を |
49 |
アテ |
アテ |
エリートにもアテにもない |
49 |
ヒノキ |
檜 |
ごみのように見える檜の子は |
49 |
実生 |
実生 |
檜の実生が、センチにもならぬ |
49 |
ヒノキ |
檜 |
檜の実生が、センチにもならぬ |
49 |
丸太 |
丸太 |
並べた丸太と丸太の窪みに |
49 |
丸太 |
丸太 |
並べた丸太と丸太の窪みに |
49 |
林 |
林 |
こういう林が私たちには一番 |
49 |
林 |
林 |
すべての階層がこの林では揃って |
49 |
木 |
木 |
そして幼い木と |
49 |
木 |
木 |
青年少年の木と |
49 |
木 |
木 |
老樹と、中年壮年の木と |
49 |
樹 |
老樹 |
老樹と、中年壮年の木と |
49 |
林 |
林 |
この林は元気です |
49 |
林 |
林 |
いい気持に眺められる林なんです |
50 |
アテ |
アテ |
二度とアテがどう悪い木なのか |
50 |
アテ |
アテ |
私がアテをかわいそうがる故に |
50 |
アテ |
アテ |
アテの背負わされた業を |
50 |
木 |
木 |
二度とアテがどう悪い木なのか |
50 |
アテ |
アテ |
アテの葉をつきとめようとしているのだ |
50 |
アテ |
アテ |
アテの背負わされた業を |
51 |
サクラ |
桜 |
桜もみじが散りかかり |
51 |
林 |
林 |
針葉樹の暗い林が |
51 |
製材 |
製材 |
製材の音響と |
51 |
針葉樹 |
針葉樹 |
針葉樹の暗い林が |
51 |
製材 |
製材 |
製材特有のキーンという |
51 |
製材所 |
製材所 |
製材所では作業場の |
51 |
アテ |
アテ |
アテを哀れといわれれば |
51 |
材木 |
材木 |
材木だとしか思わないから |
51 |
アテ |
アテ |
アテなんて |
52 |
アテ |
アテ |
アテであるしるしである |
52 |
木 |
木 |
木は一度傷をうけると |
52 |
木 |
木 |
木は中心から肥え育つものでなく |
52 |
木 |
木 |
木というものが |
52 |
アテ |
アテ |
アテの木というものが |
52 |
樹芯 |
樹芯 |
樹芯が、思いのほかの |
52 |
製材 |
製材 |
製材デッキに乗せるばかりに |
52 |
材 |
材 |
材はすでに樹皮を去り |
52 |
樹皮 |
樹皮 |
材はすでに樹皮を去り |
52 |
年輪 |
年輪 |
新しく年輪をふやすことによって育つ |
52 |
片寄 |
片寄 |
片寄ったところにあるのを見た |
53 |
アテ |
アテ材 |
アテ材が素人目には |
53 |
良材 |
良材 |
良材とさして目立つ |
53 |
木 |
木 |
無傷の木と同じく |
53 |
木 |
木 |
木も当然そうする |
53 |
製材 |
製材 |
簡単にいえば製材は |
54 |
アテ |
アテ |
それにアテは、裂けることもあるし |
54 |
アテ |
アテ |
アテは猛々しいのかと |
54 |
アテ |
アテ |
アテのあばれはなかった |
55 |
材 |
材 |
材はもうだいぶ切りとったから |
55 |
材 |
材 |
材は勝手に後退は |
57 |
スギ |
杉 |
この杉に逢いたくて |
57 |
木 |
木 |
木に逢いに行くのなど |
57 |
スギ |
縄紋杉 |
縄紋杉に逢うことができて |
57 |
木 |
木 |
なるほど木は |
59 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉がいかなるものかということも |
59 |
営林署 |
営林署 |
営林署の人にごちゃごちゃと |
59 |
木 |
木 |
二千三千年の木があるというからには |
59 |
スギ |
小杉 |
小杉という柄ではない |
59 |
スギ |
小杉 |
小杉といって私が思うものは |
59 |
木 |
大木 |
これは大木というのが常識だろうに |
59 |
スギ |
小杉 |
同時に小杉の小の字には |
59 |
スギ |
小杉 |
屋久杉と小杉をわけるとは |
59 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉と小杉をわけるとは |
59 |
スギ |
小杉 |
千年以下は小杉という |
59 |
樹齢 |
樹齢 |
樹齢千年以上のものにしかいわない |
59 |
スギ |
杉 |
屋久杉は、屋久島に生息する杉のどれをさす呼名ではない |
59 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉は、屋久島に生息する杉のどれをさす呼名ではない |
59 |
木 |
木 |
二百三百年の木は |
60 |
林 |
林 |
杉ばかりの林だと思うが |
60 |
混交林 |
混交林 |
混交林はうつくしかったし |
60 |
スギ |
杉 |
杉ばかりの林だと思うが |
60 |
林 |
林 |
自然休養林だった |
60 |
スギ |
ヤクスギ |
ヤクスギランドと名付けられた |
60 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉を鑑賞できるようにと |
61 |
営林署 |
営林署 |
熊本営林局の方が案じて |
61 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉を近々と見た |
62 |
木 |
木 |
立上がったところからが木になる |
62 |
木 |
老木 |
老木をみるたびに |
62 |
木 |
木 |
若い木は土をはなれた部分からが木だ、 |
62 |
木 |
若い木 |
若い木は土をはなれた部分からが木だ、 |
62 |
根 |
根 |
正しくは木と根の境は |
62 |
木 |
木 |
正しくは木と根の境は |
62 |
根 |
根 |
根と木はもともと一つに |
62 |
木 |
木 |
根と木との際をきめるのは |
62 |
根 |
根 |
根と木との際をきめるのは |
62 |
木 |
木 |
木は一生、住居をかえない |
62 |
木 |
木 |
細根は木という仕組みの |
62 |
細根 |
細根 |
細根は木という仕組みの |
62 |
根 |
根 |
根の先先は |
62 |
木 |
木 |
根と木はもともと一つに |
63 |
木 |
木 |
木か根か |
63 |
木 |
木 |
ひっくるみが木なのか |
63 |
スギ |
杉 |
杉を通りぬけていく |
63 |
スギ |
杉 |
杉へ雨を置いていくのか |
63 |
スギ |
杉 |
いまの杉の全姿が |
63 |
若木 |
若木 |
若木は土際から |
63 |
木 |
木 |
木または幹なのか |
63 |
根 |
根 |
すると根である |
63 |
根 |
根 |
根張りという言葉もきこえていたが |
63 |
根 |
根 |
木か根か |
63 |
幹 |
幹 |
幹というには少し違うようだ |
63 |
根 |
根 |
木または幹なのか |
64 |
森林 |
森林 |
森林トロに乗りついで |
64 |
木々 |
木々 |
木々と突抜いて立つ |
64 |
スギ |
杉 |
雨は杉へのお届けものなのだ |
64 |
巨木 |
巨木 |
屋久の巨木がみえる |
65 |
木 |
大木 |
円い幹をもつ大木である |
65 |
木々 |
木々 |
ここの木々の現在は |
65 |
木々 |
木々 |
木々もまた人なれがしているとわかる |
65 |
高木 |
高木 |
高木のてっぺんに |
65 |
ウィルソン株 |
ウィルソン株 |
ウィルソン株へついた |
65 |
木 |
木 |
こういう木は見ているうちに |
65 |
切株 |
切株 |
切株は無事で残っている |
65 |
ウィルソン株 |
ウィルソン株 |
ウィルソン株はウィルソンが |
65 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉は油の多いせいで腐りにくいから |
65 |
樹木 |
樹木 |
樹木もなにも見ず |
65 |
スギ |
小杉 |
みごとな小杉が何本も並んでいる |
66 |
スギ |
縄紋杉 |
縄紋杉は、正直にいうと |
66 |
スギ |
杉 |
これが杉かと疑うような |
67 |
スギ |
杉 |
杉は丈高くまっすぐで |
68 |
スギ |
杉 |
この杉は、なにか我々のいまだ知らぬものに |
69 |
スギ |
杉皮 |
杉皮はやや不規則な |
69 |
スギ |
杉 |
屋久杉の杉だった |
69 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉の杉だった |
69 |
スギ |
杉 |
この老巨杉は、姿は武骨なのに |
69 |
スギ |
大王杉 |
大王杉と呼ばれるものに譲る |
70 |
スギ |
巨杉 |
あの巨杉をどう考えたらいいか |
70 |
銘木店 |
銘木店 |
東京の銘木店が |
70 |
屋久 |
屋久 |
屋久の材だが |
70 |
材 |
材 |
屋久の材だが |
71 |
スギ |
杉 |
諸処方々の杉も見たことがないのである |
71 |
スギ |
縄紋杉 |
縄紋杉は目からも心からも |
71 |
スギ |
巨杉 |
純粋にこの巨杉をたぐいなきもの |
71 |
材 |
材 |
材としても充分に |
72 |
スギ |
杉 |
長命の大きな杉が |
72 |
木 |
木 |
それらの木は邪魔になるから |
72 |
スギ |
屋久杉 |
屋久杉と呼ばれるまでの |
72 |
スギ |
杉 |
いったい杉にとっての |
72 |
巨木 |
巨木 |
これでよく巨木に育ち |
72 |
スギ |
屋久杉 |
総じて屋久杉と呼ばれる |
73 |
苗圃 |
苗圃 |
営林署の苗圃をみせてもらった |
73 |
山林 |
山林 |
今度は山林に移し植えるが |
73 |
営林署 |
営林署 |
営林署の苗圃をみせてもらった |
73 |
スギ |
屋久杉 |
ともあれ屋久杉は |
73 |
植林 |
植林 |
署員で植林を担当した人が |
74 |
スギ |
杉 |
つまり杉なのである |
74 |
森林 |
森林 |
森林の人たちはちがう |
74 |
本葉 |
本葉 |
本葉になったばかりの苗が |
74 |
苗 |
苗 |
本葉になったばかりの苗が |
74 |
針葉樹 |
針葉樹 |
どれも針葉三本を |
75 |
木 |
木 |
木は着物をきている |
75 |
エゾマツ |
えぞ松 |
どれがえぞ松だか |
75 |
針葉樹林 |
針葉樹林 |
針葉樹林を走りのぼる |
75 |
エゾマツ |
えぞ松 |
北海道へえぞ松を見に行ったとき |
75 |
マツ |
松 |
松は亀甲くずし |
75 |
スギ |
杉 |
杉はたて縞をきている |
75 |
スギ |
縄紋杉 |
縄紋杉もたて縞だった |
75 |
スギ |
杉 |
杉はたて縞のきものを着ている |
75 |
ヒメシャラ |
ひめしゃら |
ひめしゃらは無地のきものと思う |
76 |
樹皮 |
樹皮 |
樹皮をきものとして見た立てれば |
76 |
マツ |
まつ王 |
松王梅王桜丸の、松王の |
76 |
樹皮 |
樹皮 |
樹皮の色を肌をと |
76 |
梢 |
梢 |
梢ばかりをと |
76 |
木綿 |
木綿 |
木綿一つにもいろいろあるのと同様 |
76 |
木 |
木 |
木の装いであり |
76 |
花 |
花 |
高いところにある葉や花にだけ |
76 |
葉 |
葉 |
高いところにある葉や花にだけ |
76 |
葉 |
葉っぱ |
あなたは梢の葉っぱばかり見るから |
76 |
梢 |
梢 |
あなたは梢の葉っぱばかり見るから |
76 |
スギ |
若杉 |
若杉に出逢って |
77 |
マツ |
松 |
松は厚い着物なのである |
77 |
マツ |
松 |
自然の松にもしばしば |
77 |
スギ |
杉 |
杉や松のような裂け目 |
77 |
マツ |
松 |
杉や松のような裂け目 |
77 |
木 |
木 |
大きな木ほど、しぼが高いようだ |
77 |
イチョウ |
イチョウ |
いちょうの着物は |
77 |
マツ |
まつ王 |
ついでながら松王の髪は |
77 |
マツ |
松 |
松の着衣はよごれ色であり |
77 |
マツ |
松の枝 |
黒地に雪持の松の枝で |
77 |
樹皮 |
樹皮 |
樹皮はいわゆる松皮で |
77 |
マツ |
まつ王 |
松王の衣装は |
78 |
ツバキ |
椿 |
ばくちのき、かごのき、すずかけのき、ひめしゃら、夏つばきなど剥げる肌をもっている |
78 |
葉 |
葉 |
黄いろい葉がくっきりと |
78 |
スギ |
杉 |
杉の縞も、松の模様も |
78 |
マツ |
松 |
杉の縞も、松の模様も |
78 |
スズカケ |
すずかけ |
すずかけのきなど、美しいと思う |
78 |
根 |
根 |
それでも木の根もとを見ると |
78 |
木 |
木 |
それでも木の根もとを見ると |
78 |
スズカケ |
すずかけ |
ばくちのき、かごのき、すずかけのき、ひめしゃら、夏つばきなど剥げる肌をもっている |
78 |
カゴノキ |
かごのき |
ばくちのき、かごのき、すずかけのき、ひめしゃら、夏つばきなど剥げる肌をもっている |
78 |
バクチノキ |
ばくちのき |
ばくちのき、かごのき、すずかけのき、ひめしゃら、夏つばきなど剥げる肌をもっている |
78 |
幹 |
幹 |
幹のしぼが黒く引きしまって |
78 |
ヒメシャラ |
ひめしゃら |
ばくちのき、かごのき、すずかけのき、ひめしゃら、夏つばきなど剥げる肌をもっている |
78 |
木々 |
木々 |
ぶちぶちの衣装をきている木々がある |
79 |
スズカケ |
すずかけ |
すずかけは織りの深味がない代り |
79 |
サルスベリ |
縞さるすべり |
縞さるすべりなどは |
79 |
葉 |
葉 |
幼い時は丸い葉が |
79 |
ヒメシャラ |
ひめしゃら |
ひめしゃらも剥げる木だが |
79 |
木 |
木 |
ひめしゃらも剥げる木だが |
79 |
若木 |
若木 |
若木のうちは |
80 |
木 |
大木 |
大木になるとやはりぽかっとした |
80 |
木 |
木の幹 |
木の幹を雨水が |
80 |
幹 |
幹 |
素肌のような幹を |
80 |
樹木園 |
樹木園 |
箱根の樹木園には |
80 |
若木 |
若木 |
とにかく若木はぶちぶちではない |
80 |
幹 |
幹 |
赤い幹が太さをみせて |
81 |
木 |
木 |
この木にはじめて逢ったのは |
81 |
木 |
木 |
木は季節を誤りなく知っているから |
81 |
木 |
木 |
いま伐られる木の、このいとなみ |
82 |
ヒメシャラ |
ひめしゃら |
ひめしゃらという木は |
82 |
木 |
木 |
ひめしゃらという木は |
82 |
木 |
木 |
水と緑のある木といえる |
83 |
純林 |
純林 |
そこは純林の、一斉の芽吹きになる |
83 |
カエデ |
楓 |
楓の芽吹きを見たく思った |
83 |
芽吹キ |
芽吹き |
楓の芽吹きを見たく思った |
83 |
新緑 |
新緑 |
静岡へ走る車窓の新緑新緑は |
83 |
芽吹キ |
芽吹き |
そこは純林の、一斉の芽吹きになる |
83 |
カエデ |
楓 |
楓の類の芽吹きは |
83 |
木 |
木 |
新緑はどの木もきれいだが |
83 |
純林 |
純林 |
楓の純林があるということを |
83 |
カエデ |
楓 |
楓の純林があるということを |
83 |
新緑 |
新緑 |
静岡へ走る車窓の新緑新緑は |
83 |
芽吹キ |
芽吹き |
楓の類の芽吹きは |
84 |
花 |
花 |
花の、葉の、いのちのはじまりには |
84 |
新緑 |
新緑 |
車窓の新緑は |
84 |
新緑 |
新緑 |
新緑では見やる目になって |
84 |
新緑 |
新緑 |
だから新緑になってしまうと |
84 |
葉 |
葉 |
葉の、はじまりというか |
84 |
カキ |
柿 |
柿は柿の緑を伸ばして |
84 |
カキ |
柿 |
柿は柿の緑を伸ばして |
84 |
葉 |
葉 |
花の、葉の、いのちのはじまりには |
84 |
ケシ |
けし |
けしの花が冠りものを脱ぐ |
84 |
葉 |
葉 |
葉はたゆいたいながら |
84 |
葉 |
葉 |
蕾が花に、芽が葉になろうとする時 |
84 |
芽 |
芽 |
蕾が花に、芽が葉になろうとする時 |
84 |
花 |
花 |
蕾が花に、芽が葉になろうとする時 |
84 |
蕾 |
蕾 |
蕾が花に、芽が葉になろうとする時 |
84 |
葉 |
葉 |
ひろがろうとする葉に一番心を |
84 |
新緑 |
新緑 |
花よりも新緑が好きだという |
84 |
花 |
花 |
花よりも新緑が好きだという |
84 |
カキ |
柿 |
柿の葉はうつむきの姿勢で |
84 |
ケシ |
けし |
けしの赤を開き |
85 |
カエデ |
楓 |
楓の芽吹きこそ |
85 |
若葉 |
若葉 |
みんな若葉を着た山である |
85 |
芽吹キ |
芽吹き |
楓の芽吹きこそ |
86 |
ツガ |
ツガ |
ツガ等にまじって |
86 |
アカヤシオ |
アカヤシオ |
アカヤシオの花がいまちょうど |
86 |
葉 |
葉 |
葉だけの時季 |
86 |
葉 |
落葉 |
落葉して枝だけの時季に |
86 |
枝 |
枝 |
落葉して枝だけの時季に |
86 |
フジ |
藤 |
すこし藤色がかった濃いピンク |
86 |
葉 |
葉 |
葉はあとから出る |
86 |
針葉樹 |
針葉樹 |
針葉樹の重くるしい青のあいだに |
86 |
アカヤシオ |
アカヤシオ |
アカヤシオというが |
87 |
木 |
木 |
木ぶり、木の配りにもあろうし |
87 |
実 |
実 |
葉をもち、花に実になり |
87 |
花 |
花 |
葉をもち、花に実になり |
87 |
葉 |
葉 |
葉をもち、花に実になり |
87 |
裸木 |
裸木 |
裸木を眺める次第になったが |
87 |
林 |
林 |
人の気持を平安にする林だと思った |
87 |
木 |
木 |
楓という木のもつ性質かもしれない |
87 |
木 |
木 |
木ぶり、木の配りにもあろうし |
87 |
林 |
林 |
林へ入るといつのまにか |
87 |
林 |
林 |
林はすくなくも |
87 |
カエデ |
楓 |
林の楓はオオイタヤメイゲツで |
87 |
カエデ |
楓 |
楓はまだすっかり裸の姿で立っていた |
87 |
カエデ |
楓 |
楓という木のもつ性質かもしれない |
87 |
林 |
林 |
林の楓はオオイタヤメイゲツで |
87 |
樹齢 |
樹齢 |
大樹の樹齢から推して |
87 |
オオイタヤメイゲツ |
オオイタヤメイゲツ |
林の楓はオオイタヤメイゲツで |
87 |
大樹 |
大樹 |
大樹、中樹をまぜて |
87 |
中樹 |
中樹 |
大樹、中樹をまぜて |
87 |
純林 |
純林 |
純林のせいか |
87 |
大樹 |
大樹 |
大樹の樹齢から推して |
87 |
幼葉 |
幼葉 |
幼葉も掌をのばしており |
88 |
林 |
林 |
林を出抜けると |
88 |
大樹 |
大樹 |
大樹中樹で成り立っていて |
88 |
中樹 |
中樹 |
大樹中樹で成り立っていて |
88 |
芽 |
芽 |
新しい芽は育たないとのことだった |
88 |
実 |
実 |
実をふり播いても |
88 |
カエデ |
楓 |
楓はどれほどたくさん |
88 |
林 |
林 |
林の下にクマ笹が茂っていたこと |
88 |
カエデ |
楓 |
楓はそこまで |
88 |
木 |
木 |
衣装をつけるほどの木だから |
88 |
小枝 |
小枝 |
見上げると、大枝小枝が |
88 |
大枝 |
大枝 |
見上げると、大枝小枝が |
88 |
大樹 |
大樹 |
大樹のくせに裸のからだつきにどこか女っぽさ |
88 |
木 |
木 |
楓は女性の好く木だと |
88 |
カエデ |
楓 |
楓の裸は |
88 |
カエデ |
楓 |
楓は女性の好く木だと |
88 |
若木 |
若木 |
若木はともしかった |
88 |
木 |
木 |
見立のいい木だった |
89 |
樹種 |
樹種 |
他の樹種に先がけて根を据える |
89 |
根 |
根 |
他の樹種に先がけて根を据える |
89 |
ヤナギ |
柳 |
アキグミやヤナギがもさもさと茂っていた |
89 |
木 |
木 |
木は強いのだろうか |
89 |
木々 |
木々 |
ほかの木々に取って伐られて |
89 |
木 |
木 |
木はけなげに思える |
89 |
アキグミ |
アキグミ |
アキグミやヤナギがもさもさと茂っていた |
90 |
アキグミ |
アキグミ |
アキグミのもっさりした姿を |
90 |
花 |
花 |
アカヤシオの艶冶な花と一緒に |
90 |
アカヤシオ |
アカヤシオ |
アカヤシオの艶冶な花と一緒に |
90 |
グミ |
グミ |
私はグミをあわれにおもわずにはいられず |
91 |
立木 |
立木 |
立木を第一のいのちとするなら |
91 |
木 |
木 |
ここにいう木は |
91 |
木 |
木 |
木の死んだのも見ておいてやって下さい |
91 |
木 |
木 |
死んだ木と木の死んだのと |
91 |
木 |
木 |
生きている木ばかりではなく |
91 |
材 |
材 |
材を簡単に死物扱いにするのは |
91 |
材 |
材 |
材は第二のいのちを生きているのであり |
91 |
木 |
木 |
死んだ木と木の死んだのと |
91 |
材 |
材 |
材は材の生きかた |
91 |
立木 |
立木 |
立木は立木の生きかた |
91 |
立木 |
立木 |
立木は立木の生きかた |
91 |
材 |
材 |
材のことで |
91 |
立木 |
立木 |
立木の木のことではなくて |
91 |
木 |
木 |
木は生きている |
91 |
材 |
材 |
材は材の生きかた |
91 |
木 |
木 |
立木の木のことではなくて |
92 |
マツ |
松 |
松は松、杉は杉とはっきりわかる |
92 |
マツ |
松 |
松は松、杉は杉とはっきりわかる |
92 |
スギ |
杉 |
松は松、杉は杉とはっきりわかる |
92 |
スギ |
杉 |
松は松、杉は杉とはっきりわかる |
92 |
木 |
木 |
終焉した木を |
92 |
棟梁 |
棟梁 |
棟梁は木の死んだのと呼ぶのかと思う |
92 |
木 |
木 |
棟梁は木の死んだのと呼ぶのかと思う |
92 |
腐朽材 |
腐朽材 |
朽ち木、腐れ木、腐朽材、廃材、どれもぴたりとしない |
92 |
木 |
木 |
あるいは死んだ木というのかとも思う |
92 |
ヒノキ |
檜 |
杉、松、檜の取外しの古材で |
92 |
マツ |
松 |
杉、松、檜の取外しの古材で |
92 |
スギ |
杉 |
杉、松、檜の取外しの古材で |
92 |
木 |
木 |
死んだ木といったので |
92 |
廃材 |
廃材 |
朽ち木、腐れ木、腐朽材、廃材、どれもぴたりとしない |
92 |
古材 |
古材 |
杉、松、檜の取外しの古材で |
92 |
腐レ木 |
腐れ木 |
朽ち木、腐れ木、腐朽材、廃材、どれもぴたりとしない |
92 |
朽木 |
朽ち木 |
朽ち木、腐れ木、腐朽材、廃材、どれもぴたりとしない |
92 |
木 |
木 |
木の死んだの |
93 |
木 |
木 |
またこの木を死んだのといい |
93 |
倒木 |
倒木 |
材はもと立木、倒木も元は立木 |
93 |
立木 |
立木 |
材はもと立木、倒木も元は立木 |
93 |
材 |
材 |
材はもと立木、倒木も元は立木 |
93 |
林 |
林 |
林の中にはいると |
93 |
木 |
木 |
先の木は生きているといい |
93 |
倒木 |
倒木 |
平安に横たわる倒木を見たら |
94 |
林 |
枯れ林 |
トド松の枯れ林があると |
94 |
立木 |
立木 |
材はもと立木、倒木も元は立木 |
94 |
トトマツ |
トド松 |
トド松としては満足至極だろうし |
94 |
サルオガセ |
サルオガセ |
サルオガセがゆらゆらし |
94 |
木 |
木 |
立枯れの木に |
94 |
立枯 |
立枯れ |
立枯れの木に |
94 |
トトマツ |
トド松 |
トド松の枯れ林があると |
94 |
ハリモミ |
ハリモミ |
ハリモミの林を見たことがあるが |
94 |
倒木 |
倒木 |
倒木は概して平安で |
94 |
材 |
材 |
でもこれは材ではないが |
94 |
倒木 |
倒木 |
倒木はずばりでいいけれど |
95 |
トドマツ |
アオモリトドマツ |
アオモリトドマツを専攻する |
95 |
棒状枯木 |
棒状枯木 |
まばらに立つ棒状枯木だった |
95 |
トトマツ |
トド松 |
枯れトド松がだんだんに |
96 |
木 |
木 |
その場の木には |
96 |
樹木 |
樹木 |
樹木の終りの一つの型とすれば |
96 |
枯死 |
枯死 |
ここも集団の枯死で名の高いところだ |
97 |
木々 |
木々 |
死の木々もまた多く |
97 |
木々 |
木々 |
生の木々はむろん縦に生き |
97 |
若木 |
若木 |
若木が頭をそろえている |
97 |
木 |
木 |
木の生死とは |
97 |
若木 |
若木 |
若木にはほっとして心なごむ |
98 |
若木 |
若木 |
若木が大きく現れていて |
98 |
若木 |
若木 |
若木は希望 |
98 |
木 |
木 |
木の死などには |
98 |
若木 |
若木 |
若木の繁栄には |
98 |
葉 |
葉 |
葉の形がくし歯のようで |
100 |
樹木 |
樹木 |
いろいろな樹木の |
100 |
樹木 |
樹木 |
私は樹木へも林へも |
100 |
スギ |
杉 |
屋久島の杉の風貌と |
100 |
ヒノキ |
檜 |
木曾の檜のドラマ |
100 |
樹木 |
樹木 |
樹木に逢い、樹木から感動をもらいたいと |
100 |
樹木 |
樹木 |
樹木に逢い、樹木から感動をもらいたいと |
100 |
樹木 |
樹木 |
樹木を見る気持が |
100 |
林 |
林 |
私は樹木へも林へも |
100 |
エゾマツ |
えぞ松 |
えぞ松のドラマ |
101 |
植林 |
植林 |
すくすくと立並ぶ杉の植林に変りなく |
101 |
ヤナギ |
柳 |
川添いの松や柳は |
101 |
マツ柳 |
まつ柳 |
川添いの松や柳は |
101 |
クス |
楠 |
楠にも変りはない |
101 |
スギ |
杉 |
すくすくと立並ぶ杉の植林に変りなく |
101 |
樹木 |
樹木 |
森林も樹木も |
101 |
森林 |
森林 |
森林も樹木も |
101 |
木 |
木 |
それなのにどの木を見ても |
102 |
広葉樹 |
広葉樹 |
そして広葉樹の葉は、緑が衰えて侘しい色をしていた |
102 |
葉 |
葉 |
そして広葉樹の葉は、緑が衰えて侘しい色をしていた |
102 |
木 |
木 |
木はまだ夏の名残りの中にいた |
103 |
木 |
木 |
むしろ木こそが |
103 |
木 |
木 |
木との交際ではない |
103 |
樹木 |
樹木 |
樹木の新しい一面を |
103 |
葉 |
葉 |
その枝々は葉をつけ |
103 |
枝々 |
枝々 |
その枝々は葉をつけ |
103 |
木 |
木 |
何やらの木があったのだが |
103 |
樹木 |
樹木 |
樹木のせいだと思われる |
103 |
木 |
木 |
木は口もきかず |
104 |
木 |
木 |
木と土地の関係は |
104 |
グミ |
ぐみ |
柳やぐみはいさましい奴で |
104 |
ヤナギ |
柳 |
柳やぐみはいさましい奴で |
104 |
実生 |
実生 |
実生にきまっていると思うが |
104 |
葉柳 |
葉柳 |
柳はもう黄ばんだ葉を落としはじめていて |
104 |
ヤナギ |
柳 |
柳が目につく |
104 |
草木 |
草木 |
他の草木に先駆けて |
104 |
葉 |
落葉 |
落葉のあとだったら |
104 |
葉 |
葉 |
枝に葉のあるあいだに |
104 |
枝 |
枝 |
枝に葉のあるあいだに |
104 |
樹木 |
樹木 |
樹木の惑わしを |
104 |
ヤナギ |
柳 |
柳はもう黄ばんだ葉を落としはじめていて |
105 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉もあれば黄葉もあり |
105 |
樹種 |
樹種 |
樹種はいろいろだが |
105 |
針葉樹 |
針葉樹 |
よい程に針葉の濃緑もまじる |
105 |
黄葉 |
黄葉 |
紅葉もあれば黄葉もあり |
105 |
木々 |
木々 |
木々は標高の高い |
105 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉の錦が |
105 |
ヤナギ |
柳 |
柳を引き立てていることか |
105 |
縁 |
縁 |
宿命的な縁である |
107 |
モミジ |
もみじ |
もみじの美しさは格別であった |
107 |
モミジ |
もみじ |
あのもみじにきっと馬鹿げた浮かれかたを |
110 |
酒樽 |
酒樽 |
酒樽のことを思い |
110 |
スギ |
すぎなり |
ついでまたすぎなりということを思い |
110 |
木戸 |
裏木戸 |
裏木戸に佇んだままの |
110 |
酒樽 |
酒樽 |
酒樽は、もと私の嫁ぎ先が |
110 |
スギ |
杉形 |
杉形という形へひびき |
111 |
酒樽 |
酒樽 |
酒樽は、杉形には積まない |
111 |
スギ |
杉形 |
酒樽は、杉形には積まない |
111 |
角形 |
角形 |
やはり角形に積み上げていく |
111 |
立木 |
立木 |
杉の立木の姿のように |
111 |
スギ |
杉 |
杉の立木の姿のように |
111 |
スギ |
杉形 |
杉形に積めば |
113 |
木 |
木 |
杉は日本に古くからあった木で |
113 |
スギ |
杉 |
いちばん感動したのは、杉だった |
113 |
木 |
木 |
いちばん人々の役に立ってきた木であり |
113 |
スギ |
杉 |
杉は日本に古くからあった木で |
113 |
スギ |
杉 |
杉という木の美しさの |
113 |
スギ |
杉 |
杉はいまやむき出しになり |
113 |
スギ |
杉 |
これこそ杉の標本 |
114 |
スギ |
杉 |
フィルムに見た杉の最後も |
114 |
スギ |
杉材 |
役に立つということだけを気にする人間ではなくて、杉形という言葉を |
115 |
木 |
木 |
藁や木を燃したあとに |
115 |
木 |
木 |
藁や木の灰もいわば燃えかすだし |
116 |
木 |
木 |
木も草も人家もなく |
116 |
木 |
木も草も |
木も草も人家もなく |
118 |
葉 |
葉 |
この木は鮮緑の葉に |
118 |
木 |
木 |
目にたつ南国の木である |
118 |
総状花序 |
総状花序 |
総状花序のまっ赤な蝶形花をつける |
118 |
デイゴ |
デイゴ |
道のほとりのデイゴへ目をやる |
118 |
蝶形花 |
蝶形花 |
総状花序のまっ赤な蝶形花をつける |
118 |
木 |
木 |
この木は鮮緑の葉に |
120 |
山林 |
山林 |
被災山林へ案内してもらう段取にきめた |
121 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉はやさしく納まっていた |
121 |
紅葉 |
紅葉 |
毎年の紅葉をうっとりと |
121 |
黄葉 |
黄葉 |
肥たごの蓋に休んでいた銀杏の黄葉も |
121 |
イチョウ |
銀杏 |
肥たごの蓋に休んでいた銀杏の黄葉も |
121 |
紅葉 |
紅葉 |
いろは紅葉も |
121 |
紅葉 |
紅葉 |
頂上の紅葉は |
121 |
紅葉 |
紅葉 |
いま紅葉のまっ盛りという |
123 |
山林 |
山林 |
山林の降灰は |
123 |
木 |
木 |
灰まみれの木というか |
123 |
紅葉 |
紅葉 |
針広のまじった紅葉であり |
123 |
山林 |
山林 |
山林の被害がそれを |
124 |
枝 |
枝 |
木々の葉へ枝へとへばりついた |
124 |
木 |
大木 |
何の木かわからない大木が |
124 |
木 |
木 |
何の木かわからない大木が |
124 |
木々 |
木々 |
木々の間にまつわっていて |
124 |
木々 |
木々 |
仲間の木々が重なりあって |
124 |
葉 |
葉 |
木々の葉へ枝へとへばりついた |
124 |
木々 |
木々 |
木々の葉へ枝へとへばりついた |
124 |
木 |
林木 |
林木はもう相当な灰を |
124 |
林状 |
林状 |
様子が違う林状である |
124 |
広葉樹 |
広葉樹 |
広葉樹は、最初の礫を含む降灰によって |
125 |
カエデ |
楓 |
青楓の枝を嫌だと思って |
125 |
木 |
木 |
木は一面にたしかに強いものである |
125 |
植物 |
植物 |
植物のヴァイタリティなどと |
125 |
青葉 |
青葉 |
青葉の秋といったり |
125 |
梢 |
梢 |
人はみな青葉の梢をみて |
125 |
枝 |
枝 |
青楓の枝を嫌だと思って |
125 |
広葉樹 |
広葉樹 |
広葉樹の青は |
125 |
木 |
木 |
賑やかな木なのだ |
125 |
濃緑 |
濃緑 |
もっさりと重なった濃緑の下陰は |
125 |
カエデ |
楓 |
秋に青々としている楓の類などは |
125 |
葉 |
落葉 |
八月に落葉し |
125 |
青葉 |
青葉 |
季節外れの青葉の茂りも不気味だった |
125 |
青葉 |
青葉 |
人はみな青葉の梢をみて |
126 |
ヤナギ |
枝柳 |
裂け折れた柳の枝が |
126 |
ワキ芽 |
わき芽 |
この木はわき芽が幹として |
126 |
枝 |
枝 |
枝枝は肋骨そっくり |
126 |
弓 |
弓 |
大きな弓になって |
126 |
木 |
木 |
木の背丈だけの長さで |
126 |
材 |
材 |
材としての価値には |
126 |
幹 |
幹 |
この木はわき芽が幹として |
126 |
木々 |
木々 |
木々はいま殆ど敗れたかにみえる |
126 |
梢 |
梢 |
梢頭部がなくなっていた |
126 |
針葉樹 |
針葉樹 |
針葉樹もまた悲劇だった |
126 |
葉 |
葉 |
緑のおさな葉を立てていて |
126 |
ヤナギ |
柳 |
裂け折れた柳の枝が |
126 |
広葉樹 |
広葉樹 |
広葉樹の山は惨憺たるものだった |
126 |
木 |
木 |
この木はわき芽が幹として |
127 |
木 |
木 |
もっと木のそばへ行ってみたいんですが |
127 |
カラマツ |
からまつ |
からまつだのに |
127 |
枝 |
枝 |
枝枝は肋骨そっくり |
130 |
木 |
木 |
木は生きている |
130 |
木 |
木 |
材になった木が生きているとは思わなかった |
130 |
鉋 |
鉋(かんな) |
法隆寺の千二百年の昔の材に、ひと鉋あてれば |
130 |
木 |
木 |
木は生きている |
130 |
古材 |
古材 |
千二百年も前の古材を手にふれ |
130 |
棟梁 |
棟梁 |
棟梁たちは、法隆寺の大修覆を |
130 |
材 |
材 |
材になってからの命と、二度の命をもつものだ |
130 |
立木 |
立木 |
木は立木のうちの命と |
130 |
木 |
木 |
木は立木のうちの命と |
130 |
材 |
材 |
法隆寺の千二百年の昔の材に、ひと鉋あてれば |
130 |
木 |
木 |
私は緑の葉をもつ立木を、生きている木だと思い |
130 |
立木 |
立木 |
私は緑の葉をもつ立木を、生きている木だと思い |
130 |
葉 |
葉 |
私は緑の葉をもつ立木を、生きている木だと思い |
130 |
材 |
材 |
立木としての生命を終ったあとの”材”をさす |
130 |
立木 |
立木 |
立木としての生命を終ったあとの”材”をさす |
130 |
立木 |
立木 |
大工さんのいう”木”は立木ではない |
130 |
大工 |
大工 |
大工さんのいう”木”は立木ではない |
130 |
木 |
木 |
大工さんのいう”木”は立木ではない |
130 |
材 |
材 |
材になった木が生きているとは思わなかった |
131 |
木 |
木 |
どんな良材、強材であろうと木には木の寿命があり |
131 |
木 |
木 |
死んだ木の姿は |
131 |
木 |
木 |
どんな良材、強材であろうと木には木の寿命があり |
131 |
材 |
良材 |
どんな良材、強材であろうと木には木の寿命があり |
131 |
木 |
木 |
木の死んだののことです |
131 |
木 |
木 |
生きている木にはない |
131 |
材 |
強材 |
どんな良材、強材であろうと木には木の寿命があり |
132 |
スギ |
杉 |
檜と杉と松だった |
132 |
スギ |
杉 |
杉は杉の面影を残して |
132 |
スギ |
杉 |
杉は杉の面影を残して |
132 |
ヒノキ |
檜 |
はっきり檜は檜 |
132 |
マツ |
松 |
檜と杉と松だった |
132 |
ヒノキ |
檜 |
檜と杉と松だった |
132 |
木 |
木 |
木というものは立派だ |
132 |
木 |
木 |
生きている木ばかり見せて |
132 |
木 |
木 |
木は生きている |
132 |
ヒノキ |
檜 |
はっきり檜は檜 |
133 |
木 |
木 |
木は切り、削り、掘って小さくするし |
133 |
木 |
木 |
生きるも死ぬも木は立派だと教え |
133 |
木 |
木 |
生きている木ばかりを見せて |
133 |
木 |
木 |
実物を示して木の終りを教えられたことである |
134 |
塔材 |
塔材 |
塔材のような大木を扱うのは |
134 |
木 |
大木 |
塔材のような大木を扱うのは |
135 |
大材 |
大材 |
一度大材を扱った若者は |
135 |
木 |
木 |
よくよく木にやさしい人だったと思う |
135 |
木 |
木 |
木はさりげなく、大工を育てている |
135 |
大工 |
大工 |
若い大工を圧迫しているのではない |
135 |
大材 |
大材 |
大材には何百年の年数をかけた |
135 |
大材 |
大材 |
大材に気敗け |
135 |
大材 |
大材 |
あんな大材をどうする気? |
135 |
大工 |
大工 |
木はさりげなく、大工を育てている |
136 |
並木 |
並木 |
こんな歯抜け並木じゃみっともなくて |
136 |
サクラ |
桜 |
墨田川べりの桜は |
136 |
枯木 |
枯木 |
年々に枯木もでて |
137 |
巨木 |
巨木 |
古さのわかる巨木で |
137 |
梢 |
梢 |
ずっと高い梢の先に |
137 |
サクラ |
桜 |
これが桜の木かと疑うばかりの |
137 |
エドヒガン |
エドヒガン |
樹種はエドヒガン |
137 |
樹種 |
樹種 |
樹種はエドヒガン |
137 |
サクラ |
神代さくら |
山梨県北巨摩郡の神代桜という |
137 |
木 |
老木 |
老木の花を見た |
138 |
根元 |
根元 |
そうした根元が梢に |
138 |
花 |
花 |
若木の花をみると |
138 |
若葉 |
若葉 |
若葉もまたうつくしい |
138 |
サクラ |
桜 |
桜は、花はいうまでもないし |
138 |
若木 |
若木 |
若木の花をみると |
138 |
サクラ |
桜 |
神代桜は複雑な威力をもつ桜といえる |
138 |
サクラ |
神代さくら |
神代桜は複雑な威力をもつ桜といえる |
138 |
梢 |
梢 |
そうした根元が梢に |
138 |
根 |
根 |
古木の根と根元 |
138 |
樹木 |
樹木 |
樹木本来の形にならないのか |
138 |
花 |
花 |
桜は、花はいうまでもないし |
138 |
木 |
木 |
この木もまさに年数知れずである |
138 |
根元 |
根元 |
古木の根と根元 |
138 |
樹種 |
樹種 |
樹種は杉であれ |
138 |
スギ |
杉 |
樹種は杉であれ |
138 |
サクラ |
桜 |
桜であれ |
138 |
クス |
楠 |
楠であれ |
138 |
古木 |
古木 |
古木の根と根元 |
139 |
ヤナギ |
柳 |
目にしみて柳を見たのは |
139 |
ネコヤナギ |
ねこ柳 |
多く枝垂れ柳、ねこ柳だと思う |
139 |
ヤナギ |
柳 |
柳の芽吹きに |
139 |
ヤナギ |
柳 |
ねこ柳などはおもいにいけ花の材料として知られ |
139 |
ネコヤナギ |
ねこ柳 |
ねこ柳などはおもいにいけ花の材料として知られ |
139 |
並木 |
並木 |
町の並木にもあるが |
139 |
ヤナギ |
柳 |
都会のものが柳として知っているのは |
139 |
ヤナギ |
柳 |
柳も心にかかる木のうちの |
139 |
ヤナギ |
柳 |
柳も心にかかる木のうちの |
139 |
万朶 |
万朶 |
万朶の花をひろげる |
139 |
若木 |
若木 |
ほんの若木のうちだけ |
139 |
木 |
木 |
木が身にまとっている着物だ |
139 |
ヤナギ |
枝垂れ柳 |
多く枝垂れ柳、ねこ柳だと思う |
140 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮の句を送ってきて |
140 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮の舞い乱れる中にいる思いがして |
140 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮という言葉だけでたくさんだった |
140 |
ヤナギ |
柳 |
その柳の群は |
140 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮舞い、柳絮みだれて |
140 |
ヤナギ |
柳 |
柳は心にかかる木になっている |
140 |
ヤナギ |
柳 |
柳の本性なのだった |
140 |
ヤナギ |
しだれ柳 |
しだれ柳のなよなよした姿は |
140 |
先駆植物 |
先駆植物 |
なにしろ先駆植物だから |
140 |
ヤナギ |
柳 |
柳は心にかかる木になっている |
140 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮舞い、柳絮みだれて |
141 |
苗木 |
苗木 |
苗木を植えると |
141 |
木 |
木 |
この木が重視されはじめた |
141 |
木 |
木 |
性質のいい木を作りだし |
141 |
苗木 |
苗木 |
苗木を買付け |
141 |
ポプラ |
ポプラ |
明けてもポプラ |
141 |
ポプラ |
ポプラ |
暮れてもポプラと |
141 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラはよく育ちあがった |
141 |
ヤナギ |
柳絮 |
あの柳絮である |
141 |
樹種 |
樹種 |
日本はたくさんの樹種に恵まれているので |
141 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラに一念をそそいで |
141 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮は鮮明に敗戦の感情として |
141 |
ヤナギ |
柳 |
柳と縁つづきのポプラの話をきいた |
141 |
ヤナギ |
柳 |
柳に惹かれていくうちに |
141 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮はどんなふうなものなのかも知らないが |
141 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮の綾にかけて |
141 |
ヤナギ |
柳 |
柳はいよいよ私をそそる |
141 |
先駆植物 |
先駆植物 |
柳は先駆植物と教われば |
141 |
ヤナギ |
柳 |
柳は先駆植物と教われば |
141 |
ポプラ |
ポプラ |
柳と縁つづきのポプラの話をきいた |
142 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮のてんめんたる |
142 |
ヤナギ |
柳 |
柳の荒地へ |
142 |
サクラ |
桜 |
桜老樹の併せ持つ |
142 |
ポプラ |
ポプラの葉 |
ポプラの葉を思い描いて |
142 |
木 |
木 |
相手がものいわぬ木であったことが |
142 |
苗圃 |
苗圃 |
日本の苗圃のうちの |
142 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラに捧げた青春の情熱は |
143 |
並木 |
並木 |
こちら側は並木になっているが |
144 |
若木 |
若木 |
成長のよくない若木に |
144 |
木造 |
木造 |
すっきりした形の木造の舟が |
145 |
サクラ |
桜 |
桜の話をきかせてもらうのは |
145 |
舟 |
舟 |
あんなにいた舟がいつ絶えたのか |
145 |
木 |
木 |
あの木とこの木の違いを |
145 |
植物 |
植物 |
そこは植物という根気のいる道を |
145 |
植物 |
植物 |
私に植物のことを教えてくれる |
145 |
サクラ |
桜 |
桜のことを教えてくれるのである |
145 |
花 |
花 |
植物園の桜がいま花盛りだから |
145 |
サクラ |
桜 |
植物園の桜がいま花盛りだから |
145 |
植物園 |
植物園 |
植物園の桜がいま花盛りだから |
145 |
梢 |
梢 |
梢を見るのと |
146 |
シベ |
しべ |
しべだろうか |
146 |
フサザクラ |
フサザクラ |
桜ではないフサザクラを称えておぼえ |
146 |
サクラ |
桜 |
桜ではないフサザクラを称えておぼえ |
146 |
フサザクラ |
フサザクラ |
木はフサザクラだった |
146 |
サクラ |
サクラ |
サクラとは受取りかねる |
146 |
木 |
木 |
この木はどんな気持をしているかなあと |
146 |
フサザクラ |
フサザクラ |
フサザクラという名は |
146 |
裸花 |
裸花 |
裸花で花被はなく |
146 |
樹姿 |
樹姿 |
樹姿は特別どうということもないが |
146 |
サクラ |
サクラ |
サクラという名がついているが |
146 |
木 |
木 |
木はフサザクラだった |
146 |
木 |
木 |
これからみせる一本の木は |
146 |
サクラ |
桜 |
これは桜ではないから |
146 |
花被 |
花被 |
裸花で花被(かひへん)はなく |
147 |
花 |
花 |
この老桜は毎年花の季節には |
147 |
枝垂レ |
枝垂れ |
枝垂れさがる枝へ |
147 |
ベニシダレ |
ベニシダレ |
ベニシダレの大樹である |
147 |
枝 |
枝 |
枝垂れさがる枝へ |
147 |
サクラ |
桜 |
この老桜は毎年花の季節には |
147 |
サクラ |
滝ざくら |
三春の滝ざくらがそれで |
147 |
大樹 |
大樹 |
ベニシダレの大樹である |
148 |
樹皮 |
樹皮 |
樹皮の朽ちて剥げる部分も |
148 |
木 |
木 |
本来の木はたしかに肥ってみえる |
148 |
木 |
木 |
木はひとりで肥ったり痩せたりして |
148 |
枝 |
枝 |
新しい枝がでる |
148 |
樹皮 |
樹皮 |
厚ぼったい樹皮をつきぬいて |
148 |
木 |
木 |
木は細身になって |
148 |
枝 |
枝 |
自然枯れ落ちる枝もあり |
148 |
木 |
老木 |
こんな老木になると |
148 |
木 |
木 |
木が肥えるいうほうは |
148 |
木 |
木 |
この木はひとりで |
148 |
巨木 |
巨木 |
何百年の巨木だから |
148 |
木 |
木 |
この木の保護保存を長年てがけてきた方が |
149 |
若枝 |
若枝 |
今年の若枝までの |
149 |
木肌 |
木肌 |
ゴツゴツの木肌の中に |
149 |
木 |
木 |
あの木をよくよく見れば、えらく老いたところから順々に |
149 |
サクラ |
桜 |
あの桜はふしぎな |
149 |
葉 |
葉 |
浅みどりの葉をつけていたのを |
149 |
若枝 |
若枝 |
若枝がしなやかに伸び |
149 |
樹木 |
樹木 |
樹木とつきあえる人は |
149 |
木 |
木 |
木一代のみんなが |
150 |
樹 |
老樹 |
老樹を見てあるく |
150 |
木 |
木 |
木を見に行くと |
150 |
木 |
木 |
どんな木に逢えるのだろう |
150 |
マツ |
松 |
お寺の松 |
150 |
クス |
楠 |
田圃の中の楠 |
151 |
マツ |
松 |
浜の松でもなし |
151 |
マツ |
老松 |
老松なのだと思う |
151 |
マツ |
小まつ |
この松がまだ小松であった頃は |
151 |
マツ |
松 |
この松がまだ小松であった頃は |
151 |
マツ |
松 |
町なかの松だ |
151 |
柵 |
柵 |
ふみ荒さないように柵をたて |
151 |
樹木 |
樹木 |
樹木のいのちは |
151 |
マツ |
松 |
江戸川の松で |
151 |
スギ |
杉 |
畑地の杉である |
151 |
支柱 |
支柱 |
支柱をそえて |
152 |
境内木 |
境内木 |
境内木だったというから |
152 |
木 |
木 |
天性強い木でもあったろうし |
152 |
草木 |
草木 |
その囲いの中の草木踏石まで |
152 |
植エ |
植え |
移し植えられて |
152 |
木々 |
木々 |
生きる木々は |
152 |
クス |
楠 |
この楠一本だけだそうな |
152 |
クス |
くす |
鈴鹿の松はこれまでの生活のうちの |
152 |
木 |
木 |
江戸川の松をかしずかれている木とするなら |
152 |
マツ |
松 |
江戸川の松をかしずかれている木とするなら |
152 |
木 |
木 |
ひとりでに木は |
152 |
木々 |
木々 |
ほかの木々は多分 |
153 |
木 |
木 |
この木は田中に立っているが |
153 |
枝 |
枝 |
その木の枝はどんなふうかという |
153 |
木 |
木 |
その木の枝はどんなふうかという |
153 |
木 |
木 |
第一にその木は何の木かときかれ |
153 |
クス |
楠 |
楠は表情が多い。 |
153 |
木 |
大木 |
一本立の大木はすてきだといったら |
153 |
クス |
楠 |
楠ということと |
153 |
木 |
木 |
海の人の役に立ってきた木なのだ |
153 |
クス |
楠 |
楠を目標にしたそうだ |
153 |
木 |
木の葉 |
この木の葉は光るから |
153 |
木 |
老木 |
老木だからかもしれない |
153 |
葉 |
葉 |
葉が少し小ぶりのようにみえる |
153 |
マツ |
松 |
松とちがって |
153 |
木 |
木 |
気持のいい木なのだ |
153 |
木 |
木 |
この木は高くはっきりする |
154 |
葉 |
落葉 |
落葉はかけかまいなく屋根へおちる |
154 |
木 |
老木 |
一本立の老木の話だった |
154 |
クス |
楠 |
もう一つは楠ということ |
154 |
宮大工 |
宮大工 |
ある宮大工さんの話なのだが |
154 |
クス |
楠 |
楠は大工にとっては |
154 |
建築物 |
建築物 |
いい建築物の近くに植えるべきではないと思う |
154 |
葉 |
葉 |
この木は葉数が多いし |
154 |
木 |
木 |
無価値の木であり |
154 |
ヒノキ |
檜皮 |
檜皮はたまらない |
154 |
木 |
木 |
この木は葉数が多いし |
154 |
木 |
木 |
材としてはダメな木だという |
154 |
木 |
木 |
どうか一本残った木をすてきとだけで |
154 |
材 |
材 |
材としてはダメな木だという |
154 |
木 |
木 |
木の側からいうなら |
154 |
樹種 |
樹種 |
はじめに樹種をたしかめ |
154 |
木 |
木 |
木の形態を見 |
154 |
木 |
木 |
同種の木の切株があるかないかに |
154 |
良木 |
良木 |
良木良材をわざわざ |
154 |
良材 |
良材 |
良木良材をわざわざ |
154 |
木 |
木 |
野山に一本残った木の評価は |
154 |
枝葉 |
枝葉 |
みごとに枝葉が茂っていて |
155 |
樹勢 |
樹勢 |
樹勢さかんで若々しい |
155 |
スギ |
杉 |
一本立の杉なわけだ |
155 |
スギ |
大杉 |
杉沢の大杉と呼ばれている |
155 |
スギ |
杉 |
杉は福島県岩代というところ |
155 |
木 |
木 |
やはりこの木も一本残った木であることは |
155 |
クス |
楠 |
また見上げる楠の梢は |
155 |
屋根 |
屋根 |
楠の下の屋根は掃除がいる |
155 |
クス |
楠 |
楠の下の屋根は掃除がいる |
155 |
落葉時 |
落葉時 |
毎年の落葉時には |
155 |
屋根 |
屋根 |
つまり楠の落葉は屋根へ水を含ませる役をする |
155 |
葉 |
落葉 |
つまり楠の落葉は屋根へ水を含ませる役をする |
155 |
クス |
楠 |
つまり楠の落葉は屋根へ水を含ませる役をする |
155 |
梢 |
梢 |
また見上げる楠の梢は |
155 |
木 |
木 |
やはりこの木も一本残った木であることは |
156 |
大樹 |
大樹 |
大樹がどれだけ雨を保留するか |
156 |
スギ |
杉 |
杉ももてなしてくれるし |
156 |
樹 |
老大樹 |
杉の老大樹が、ダイヤの装身具をつけて |
156 |
スギ |
杉 |
杉の老大樹が、ダイヤの装身具をつけて |
156 |
スギ |
杉 |
杉は全身の翠に |
156 |
スギ |
杉 |
杉は枝も葉もちっとも揺らがず |
156 |
スギ |
杉 |
どこもかしこも雨は止んで陽がさしているのに、杉の下は針葉を伝って |
156 |
枝 |
枝 |
杉は枝も葉もちっとも揺らがず |
156 |
スギ |
杉 |
杉の下には、まだ雨が降っていたからである |
156 |
スギ |
杉 |
杉の下へは行かれなかった |
156 |
スギ |
杉 |
気がせいてすぐ杉のもとへ行った |
156 |
針葉樹 |
針葉樹 |
どこもかしこも雨は止んで陽がさしているのに、杉の下は針葉を伝って |
156 |
スギ |
杉 |
こんな華麗な杉を見ようとは |
157 |
樹木 |
樹木 |
多数の樹木が同時に |
157 |
木 |
木 |
木のようにおとなしく |
157 |
ヒノキ |
檜 |
崖の上の檜 |
157 |
木 |
木 |
木もそれを免れるわけにはいかない |
157 |
樹脂 |
樹脂 |
樹脂が玉になって並んでいた |
158 |
ネコヤナギ |
ねこ柳 |
猫柳のことを教わるつもりで |
158 |
木材 |
木材 |
木材にかかわりある者は |
158 |
ポプラ |
ポプラ |
猫柳からポプラへ移ってしまった |
158 |
ネコヤナギ |
ねこ柳 |
猫柳からポプラへ移ってしまった |
158 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラは思ってもいなかった |
158 |
木 |
木 |
きっとこの木の不仕合せが |
158 |
ヤナギ |
柳絮 |
毎年柳絮の舞う季節になると |
158 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラを扱った方から |
158 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラの話をきいてから |
158 |
木 |
木 |
ポプラも不運な木だったと思う |
158 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラも不運な木だったと思う |
158 |
木 |
木 |
この木を好くわけではないのだから |
159 |
ポプラ |
ポプラ |
所員の仕事は起きるから寝るまでポプラ、ポプラ |
159 |
ポプラ |
ポプラ |
イタリヤのポー河畔のポプラ並木だった |
159 |
木 |
木 |
なにしろ木は生きものだし |
159 |
ポプラ |
ポプラ |
所員の仕事は起きるから寝るまでポプラ、ポプラ |
159 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラは実にみごとに成長しており |
160 |
植栽 |
植栽 |
ポプラ植栽熱はどんどんあがっていった |
160 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラは軸木として適材なのである |
160 |
軸木 |
軸木 |
ポプラは軸木として適材なのである |
160 |
適材 |
適材 |
ポプラは軸木として適材なのである |
160 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラの不運をどうしたらよかろう |
160 |
樹木園 |
樹木園 |
樹木園のポプラをみんな伐りました |
160 |
ポプラ |
ポプラ |
樹木園のポプラをみんな伐りました |
160 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラ植栽熱はどんどんあがっていった |
161 |
ポプラ |
ポプラ |
樹木園のポプラは |
161 |
樹木園 |
樹木園 |
樹木園のポプラは |
161 |
ポプラ |
ポプラ |
材という名でよばれるポプラは |
161 |
材 |
材 |
材という名でよばれるポプラは |
162 |
東大材 |
東大材 |
東大材としるした |
162 |
軸丈 |
軸丈 |
軸丈七本分プラスゆとり |
162 |
伐ッテ |
伐って |
伐ってから一ヶ月ほどが |
162 |
製材 |
製材 |
見学に行くから軸木として製材してみせてもらえないか |
162 |
軸木 |
軸木 |
見学に行くから軸木として製材してみせてもらえないか |
162 |
材 |
材 |
材のままのがあるのなら |
162 |
材 |
材 |
材のまま残っているものもあるのか |
162 |
軸木 |
軸木 |
材はもうみんな軸木に刻まれてしまったのか |
162 |
材 |
材 |
材はもうみんな軸木に刻まれてしまったのか |
163 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラに見届けたものは |
163 |
木 |
木 |
人の介護の中にいたこの木は |
164 |
軸木 |
軸木 |
軸木もともに |
164 |
軸木 |
軸木 |
軸木は正四角 |
164 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラは名残りを惜しみに来た私へ |
164 |
木 |
木 |
木も草も時期がおくれているが |
164 |
木 |
木も草も |
木も草も時期がおくれているが |
164 |
ヤナギ |
柳絮 |
柳絮はどうしたろう |
164 |
ポプラ |
ポプラ |
ポプラはしなよく、ふりよく踊るものだ |