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  6. 小説:田園の憂鬱
小説と木
  1. バラ 48箇所
  2. マツ 20箇所
  3. カキ 10箇所
  4. サクラ 9箇所
  5. スギ 8箇所
  6. ウメ 4箇所
  7. ヤナギ 4箇所
  8. クワ 4箇所
  9. ツバキ 4箇所
  10. アジサイ 3箇所
  11. サザンカ 3箇所
  12. ハクモクレン 2箇所
  13. キリ 2箇所
  14. フジ 2箇所
  15. マキ 2箇所
  16. クロガキ 1箇所
  17. カシワ 1箇所
  18. コウヤマキ 1箇所
  19. カシ 1箇所
  20. キョウチクトウ 1箇所
  21. ザクロ 1箇所
  22. サルスベリ 1箇所
  23. ジンチョウゲ 1箇所
  24. チンチョウゲ 1箇所
  25. ツツジ 1箇所
  26. ナツメ 1箇所
  27. ハギ 1箇所
  28. ヒノキ 1箇所
  29. フヨウ 1箇所
  30. ミカン 1箇所
  31. ヤドリギ 1箇所
  32. シイ 1箇所

佐藤春夫の小説「田園の憂鬱」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1919年、文庫本におけるページ数は166ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
5 木立 高い木立の下を
9 雑木 雑木 雑木山の裾や
9 青葉を透して降りそそぐ
9 キリ 桐畑や片隅に
9 カキ 柿の樹の傍や
10 灌木 灌木 草や灌木が
10 花や実を持つ
11 アジサイ 紫陽花 その頭の上の紫陽花色に
11 アジサイ 紫陽花 紫陽花の刺繍のある
11 木の葉 表現しようとして木の葉の一枚一枚が
15 カキ 大きな柿の樹があった
15 それらの樹の自由自在に
15 うねり曲った太い枝は
15 もう実を結ぶことも少くなった
15 その老いた幹には
16 キリ 地つづきである桐畑とを
16 ヤドリギ ヤドリギ 脇の下に寄生木が生えていた
17 茂るにまかせた樹樹の枝のなかに
17 ツバキ 椿 大きな丈の高い椿が
17 生垣 生垣 高くなった榊の生垣で
18 マツ 松の樹の根元の
19 樹という
19 樹は茂りに茂って
19 錯雑した枝と枝とは
22 クロガキ 黒柿 黒柿の床柱と
22 中古の柱を愛撫しながら
22  板をしきつめた
22 梁の真黒く煤けた
22 太い棟や
22 麻の葉つなぎの桟のある
22 山から一本択(え)りに択って伐りだした柱だ。
22 伐り出した柱だ
22 床柱 床柱 黒柿の床柱と
25 今日はあの木をこちらに
25 ツバキ 玉椿 大木の白木蓮、玉椿、槇、秋海棠、
25 ハクモクレン 白木蓮 大木の白木蓮、玉椿、槇、秋海棠、
25 植木 植木 抜目のない植木屋があって
25 集めた花の木のそれぞれの花を
25 別の庭からこの木を自分の庭に
25 花の咲く木を庭へ
25 植木 植木 植木の道楽に
25 何かよい木を捜し出さねばと
26 ウメ 枝垂れ桜、大きな花柘榴、梅、夾竹桃
26 サクラ 枝垂桜 枝垂れ桜、大きな花柘榴、梅、夾竹桃
26 キョウチクトウ 夾竹桃 枝垂れ桜、大きな花柘榴、梅、夾竹桃
26 ザクロ 遠柘榴 枝垂れ桜、大きな花柘榴、梅、夾竹桃
26 マキ まき 大木の白木蓮、玉椿、槇、秋海棠、
26 不幸な木はかくも
26 シュカイドウ 秋海棠 大木の白木蓮、玉椿、槇、秋海棠、
27 マツ いぶり勝ちな松薪が
27 柱へはいろいろな場合の
28 その庭の草や木のことを考えるような人は
29 すべての樹は
29 マキ まき 槇は槇として生きた
29 サクラ 桜は桜として
29 マツ 松は松として生き
29 出来るだけ根を張って
29 葉を彼等の体中一面に着けて
30 或る部分は葉を生かすことが
30 その見上げるばかりの梢の梢まで
30 マツ 一つは松の隣りの
30 マツ その大樹の松の幹を
30 マツ その松よりも
30 マツ 植えられた大樹の松に覆い隠されて
30 生垣 生垣 榊の生垣は背丈けが
30 スギ 杉の下で赤く枯れていた
30 マツ 一本の小さな松は
30 出来なくなった枝は日に日に
30 藤蔓 藤蔓 野生の藤蔓が
30 諸の大きな樹の下に覆われて
31 天を刺貫こうとする槍のように
31 草木 草木 それ等の草木は或る不可見な
31 草木 草木 雑多な草木は
31 繁りに茂った枝と
31 ウメ 梅の新しい枝が
31 サクラ 一際高い桜の木へ這い渡って
31 葉とを持った
32 ツバキ 玉椿 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 大木 花柘榴の大木
32 チンチョウゲ 沈丁花 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 むくむくと盛上った青苔、枝垂桜、
32 サザンカ 山茶花 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 ハクモクレン 白木蓮 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 コウヤマキ こうやまき 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 ハギ はぎ 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 フヨウ ふよう 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 シュカイドウ 秋海棠 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 ナツメ なつめ こんもりと棗形に刈り込まれていた
32 植木 植木 あの抜目のない植木屋が
32 カシワ 白斑入りの羅漢柏である
32 サザンカ 山茶花 厠を隠した山茶花がある
32 ジンチョウゲ 沈丁花 それの下かげの沈丁花がある
32 ツツジ 躑躅 形に造った霧島躑躅の幾株かがある
32 ウメ 白木蓮、沈丁花、玉椿、秋海棠、梅、芙蓉、古木の高野槇、山茶花、萩
32 大きな葉が暑さのために萎れ
32 アジサイ 紫陽花 年経た紫陽花がある
33 木の影に佇んで
33 それ等の遺された木は
33 マツ 一幹の松の枝ぶりからでも
33 硬く太く長い針の葉をぎっしりと
33 懇ろにその枝を労わり
33 マツ この次にはその松を売ろうと考えて
33 マツ この松だけはこん度の
33 植木 植木 貸家人が植木屋を呼ぶときには
33 根まわりもさせ
34 庭の中を木かげを伝うて
34 カシ 家の側面にある白樫の下には
35 その白樫の幹に道化た態をして
37 常磐木 常磐木 若草の緑が常磐木のそれになるような
38 バラ 薔薇 それ等の薔薇の木は
38 バラ 薔薇 これ等の薔薇の木は
38 バラ 薔薇 この薔薇の木から日の光を奪うた
38 カキ 柿の木や海の枝が
38 柿の木や海の枝が
38 スギ さえぎっては杉の木立があった
38 バラ 薔薇 幾株かの薔薇が
39 バラ 薔薇 薔薇は、彼の深くも
39 バラ 薔薇 薔薇ならば花開かん
39 バラ 薔薇 薔薇はこうしてまで
40 バラ 薔薇 大食国の「薔薇露」を珍重し
40 バラ 薔薇 到るところで薔薇の噂を聞くほど
40 バラ 薔薇 薔薇の色と香と
40 さては葉も刺も
41 この花の木の見すぼらしさよ
41 バラ 薔薇 この日かげの薔薇の木
41 これ等の木を見ているうち
41 バラ 薔薇 これらの薔薇の木は
41 バラ 薔薇 忍辱の薔薇の木の上に
41 バラ 薔薇 彼は「薔薇」という文字そのものに
41 花片 花片 ほの紅い花片の最も外側なものは
41 バラ 薔薇 寒中は薔薇に寒すぎたに違いない
42 花の木 彼はこの花の木で
42 クワ 錆びた鋸と桑剪り鋏とを
42 バラ 薔薇 にこにこしながら薔薇の傍らに立った
42 カキ のさぼり出た柿の太い枝を引き初めた
42 大きな重い枝はそれの
43 バラ 薔薇 薔薇の木の上の蜘蛛の巣を払うた
43 大きな枝が地に堕ちた音で
43 バラ 薔薇 薔薇の木の上の蜘蛛の巣を払うた
43 クワ 彼は桑剪り鋏で
43 スギ 押しかぶさった梅や杉や柿の枝葉が
43 カキ 押しかぶさった梅や杉や柿の枝葉が
43 バラ 薔薇 薔薇を抱擁する
43 バラ 薔薇 等しい薔薇の枝に降り濺いだ
43 枯木 枯木 あの枯木に
43 ウメ 押しかぶさった梅や杉や柿の枝葉が
44 マツ 松の小枝から
44 榊の黒い硬い葉の上に
44 藤蔓 藤蔓 彼はこの藤蔓には手をやいて
44 藤蔓 藤蔓 その藤蔓は小面憎くも
44 又桜の枝にひっついていた
44 マツ ただの松の枝と桜の枝とをたわめて
44 サクラ ただの松の枝と桜の枝とをたわめて
44 マツ 彼は松に絡みついている
44 サクラ 隣の桜の木へまでも
44 マツ 引き分けると松は其時
44 マツ 廻しながら松の幹から
44 クワ 桑剪り鋏で一息に断ち切った
44 フジ あの藤の太い蔓を
44 フジ 纏りついた藤の蔓は
44 サクラ 又桜の枝にひっついていた
45 植木屋 植木屋 植木屋は松の樹の上から話しかけた
45 サクラ あの松と桜とにああまで
45 藤蔓 藤蔓 太い藤蔓を
45 植木 植木 植木屋が切り虐む
45 マツ 松の樹の上で
45 巻蔓 巻蔓 そうしてあのもの狂おしい指である巻蔓は、
45 藤蔓 藤蔓 絡みついていた藤蔓は
45 植木 植木 今度は本当の植木屋
45 体が木のように硬ばり
45 枝ぶりを繕うてもみた
45 ヤナギ 冠さっている猫楊の
45 マツ 植木屋は松の樹の上から話しかけた
45 マツ あの松と桜とにああまで
46 バラ 薔薇 薔薇のことは忘れられた
46 藤蔓 藤蔓 あの剛情な藤蔓が
46 藤蔓 藤蔓 彼はこの藤蔓から
47 ちょうど草や木や風や雲のように
51 草や、木や、虫や
54 長押 長押 壁の長押や
54 障子 障子 障子の桟や
62  花が咲いている
62 バラ 薔薇 日かげの薔薇ではない
62 それ等の木の或る
62 バラ 薔薇 それらの薔薇の木のことは
62 若若しい葉に仕立てていた
62 早くもその芽を
62 ほの紅い木がところどころに
62 その枝には
62 新らしい枝の上に
62 枝葉を彼が
62 大木 かぶさっていた大木の
62 バラ 薔薇 日かげの薔薇の木は
62 枯れかかっていた木の
62 季節外れな花は
63 枯れ枝を撓めて
63 バラ 薔薇 薔薇ならば花開かん
63 その枝を捉えた
63 軽く枝を捉えた
63 サクラ 山桜 花びらは山桜のそれよりも
63 バラ 薔薇 薔薇の花
63 バラ 薔薇 やはり薔薇特有の
64 バラ 薔薇 小さな薔薇は急にぼやけて
64 樹を仄白く煙らせて
64 庭の樹立がざわめいて
64 彼はまだ花の枝を手にしたまま
76 バラ 薔薇 日かげの薔薇の憂悶を
76 青い葉一枚とてはなく
76 バラ 薔薇 あの薔薇の木の生活だ
76 バラ 薔薇 彼は再び薔薇のことを考えた
77 花片 花片 花片はことごとく
77 バラ 薔薇 その薔薇は
77 バラ 薔薇 薔薇といえば
86 その樹と
86 マツ 庭の松の枝と
86 サクラ 桜の枝とは
86 樹との枝と
86 葉とが形作る
87 開けたように枝を張っていて
87 彼の庭の樹樹の枝と
87 葉とが形作った
87 雑木林 雑木林 丘の頂には雑木林があって
87 その木は何れも
88 立っている林は
88 ちょうど林のなかに
88 苗床 苗床 苗床であるからであろう
88 ヒノキ 檜か何かの
88 スギ 杉か
88 それらの林と
88 その林の主である
91 雑木林 雑木林 丘の雑木林の上には
91 苗木 苗木 苗木の畑である
92 苗木 苗木 あの苗木と
92 苗木 苗木 苗木との列の間に
93 雑木林 雑木林 雑木林も
99 びくびくしながら薪の上へ
99 板間 板間 そこの板間の端に来て
99 二三本の薪へは
99 薪は湿りきっていた
100 一つ一つは薪の上つらを
100 石油は薪に灌がれた
100 燻されている薪を
101 燃えて来た薪は
102 櫃(ひつ) 眼を上げるとお櫃も
103 カキ 柿の樹の幹のかげから
106 カキ ひょくり柿の幹から
106 クワ お桑が薪を盗みに来た
109 大きな雲母の板か何かのように
119 ヤナギ 今まで猫楊の枝の笧に
119 太い枝の上には
119 小枝 小枝 沢山の小枝のある
119 その枝を水の底から
119 木の葉 水上からの木の葉やら
119 その太い枝が
119 からんでいた樹の葉やら
119 ヤナギ 土手にある猫楊から
124 並木 並木 街樹の並木がある
124 ヤナギ 柳であろう
134 スギ 黒い杉林のなかで
134 スギ かさなった杉の幹のごく少しの
134 スギ そうして杉の森に特有の
134 その森の道を遊び歩いている
134 その林のなかで
134 スギ 大きな杉の林があって
135 川に沿うた森のなかなどばかりを
136 サルスベリ 百日紅 百合と百日紅とが咲いていた
137 ぼやけた山茶花の枝ぶりと
137 サザンカ 山茶花 ぼやけた山茶花の枝ぶりと
140 森と洞
141 裏の藪のなかの木を御覧なさい
153 カキ その柿の枝には
153 バラ 薔薇 薔薇の葉をこぼれた露は
153 バラ 薔薇 咲かなくなっていた薔薇が
153 カキ 羅のように柿の枝にまつわった
154 バラ 薔薇 或る薔薇の莟の事を思い出した
157 外のは枝の上にあればいい
158 バラ 薔薇 薔薇の刺で突いたのであろう
159 その撮み上げた莟を
159 その未だ固い莟には
159 葩 ハナ 葩 はな 赤い葩を
159 莟(つぼみ) 最も美しい莟を一本抜き出すと
159 重なった莟の
159 花片 花片 其処にる花は花片も花も
160 花片 花片 花片はじじじと焦げる
160 再び莟を摘み上げると
160 莟の
160 焼けている花の莟を
161 火箸でつままれた莟は
161 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
161 その茎を彼は再び吟味した
161 ただ二枚の葉の裏まで
162 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
163 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
163 ワクラバ わくらば 柿の病葉が一枚
163 カキ 柿の病葉が一枚
163 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
164 どこかの枝で
164 どこかの樹の
164 バラ 薔薇 薔薇の叢には
165 バラ 薔薇 蝕いの薔薇は煙がっている
165 バラ 薔薇 その薔薇は
165 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
165 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
166 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
166 バラ 薔薇 おお、薔薇、汝病めり
172 シイ 椎の木 おぐらい椎の木蔭と
172 ツバキ 椿 椿の葉々と
172 ミカン 蜜柑 蜜柑畑と
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