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  21. ヤナギ 1箇所

徳田秋声の小説 「あらくれ」「に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1915年、文庫本におけるページ数は239ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
8 カキ 赤い柿の実 飲食店などには赤い柿の実が、枝ごと吊つるされてあったりした。
8 カキ 柿や塩煎餅 無智なお島は、茶屋の女が剥いてくれる柿や塩煎餅などを食べて、
8 枝ごと 飲食店などには赤い柿の実が、枝ごと吊されてあったりした。
8 木立 方々の木立 野面(のずら)からは寒い風が吹き、方々の木立や、木立の蔭の人家、黄色い懸稲(かけいね)、黝(くろい)畑などが、
8 木立 木立の蔭 野面(のずら)からは寒い風が吹き、方々の木立や、木立の蔭の人家、黄色い懸稲(かけいね)、黝(くろい)畑などが、
13 コウゾ その男は楮の煮らるる釜の下の火を見ながら、跪坐(しゃが)んで莨(たばこ)を喫っていた。
13 コウゾ 温かい日がさして、楮(かぞ)を浸すために盈々(なみなみ)と湛えられた水が生暖かくぬるんでいた。
13 コウゾ 貴い多くの小判が、外に積んだ楮(かぞ)のなかから、二三日たって発見せられた。
13 サクラ そこらには桜がもう咲きかけていた。
13 枝折門 洒落た枝折門 洒落た枝折門(しおりもん)などが営しつらわれ、石や庭木が多く植え込まれた。
13 庭木 石や庭木 洒落た枝折門(しおりもん)などが営しつらわれ、石や庭木が多く植え込まれた。
14 コウゾ 「もう楮のなかから小判の出て来る気遣もないからね」
17 クワ 畑で桑など摘つんでいると
17 コウゾ 四十把の楮 一日かかって四十把の楮を漉(す )くのは、普通一人前の極度の仕事であったが、
19 ツツジ 躑躅 山がかりになっている料理屋の庭には、躑躅が咲乱れて、泉水に大きな緋鯉が絵に描いたように浮いていた。
20 雑木林 或雑木林 或雑木林の片陰などには、汚い天刑病者が、そこにも此処にも頭を土に摺(すり)つけていた。
20 木立 木立 木立の中には、海軍服を着た痩猿の綱渡などが、
20 蓮葉 蓮葉に 草履や下駄にはねあがる砂埃のなかを、人なつかしいような可憐(いじら)しい心持で、ぱっぱと蓮葉(はすは)に足を運んでいた。
21 サクラ 若い桜 若い桜の植えつけられた荒れた貧しい遊園地から
22 草や木の色 濃い緑の草や木の色が、まだ油絵具のように生々なまなましてみえた。
22 楊枝 小楊枝 おとらも赤い顔をして、小楊枝を使っていた
31 部屋の襖に お島は夜自分の部屋の襖に心張棒(しんばりぼう)を突支(つっか)えておいたりしなければならなかった。
31 下駄 下駄 今でも矢張やっぱり、下駄に手をふれられても身ぶるいがするほど厭であった。
31 心張棒 心張棒 お島は夜自分の部屋の襖に心張棒(しんばりぼう)を突支(つっか)えておいたりしなければならなかった。
34 ウメ 松や梅の古木 広い門のうちから、垣根に囲われた山がかりの庭には、松や梅の古木の植わった大きな鉢が、
34 マツ 松や梅の古木 広い門のうちから、垣根に囲われた山がかりの庭には、松や梅の古木の植わった大きな鉢が、
34 マツ 幾十株松 庭の外には、幾十株松を育てある土地があったり
34 垣根 垣根 広い門のうちから、垣根に囲われた山がかりの庭には、松や梅の古木の植わった大きな鉢が、
34 古木 松や梅の古木 広い門のうちから、垣根に囲われた山がかりの庭には、松や梅の古木の植わった大きな鉢が、
34 植木 植木 父親が古くから持っていて手放すのを惜んでいる植木に水をくれたりして、
34 庭木 庭木 雑多の庭木を植つけてある場所があったりした。
35 植木の根 其方(そっち)こっち植木の根にそそいだり、
35 枝葉 常磐木の枝葉 可也かなりの距離から来る煤煙に汚れた常磐木の枝葉を払いなどしていたが、
35 常磐木 常磐木の枝葉 可也かなりの距離から来る煤煙に汚れた常磐木の枝葉を払いなどしていたが、
35 植木 植木の根 其方(そっち)こっち植木の根にそそいだり、
35 ええ。些(ちっ)とばかりの地面や木なんぞ貰もらったって、何になるもんですか。
36 木鋏 木鋏 土掻(つちかき)や、木鋏(きばさみ)や、鋤鍬(すきくわ)の仕舞われてある物置にお島はいつまでも、
38 マツ 赤松 可也大きな赤松を一株(ひともと)、或得意先へ持運ぶべく根拵(ねごしら)えをしていた。
38 根拵え 可也大きな赤松を一株(ひともと)、或得意先へ持運ぶべく根拵(ねごしら)えをしていた。
39 木ぐるみ 安く見積っても木ぐるみ一万円が一円でも切れると云うことはなかろうと云うのであった。
40 植木 植木畑 暫く裏の植木畑のあたりを逍遥(ぶらつ)いていた。
55 サザンカ 山茶花 山茶花などの枝葉の生茂った井戸端で、子供を負(おぶ)いながら襁褓(むつき)をすすいでいる姉の姿が、
55 枝葉 枝葉 山茶花などの枝葉の生茂った井戸端で、子供を負(おぶ)いながら襁褓(むつき)をすすいでいる姉の姿が、
55 木立 木立際 濛靄(もや)の深い木立際の農家の土間から、
56 ウメ 梅や 畠には春になってから町へ持出さるべき梅や、松などがどっさり植つけられてあった。
56 マツ
畠には春になってから町へ持出さるべき梅や、松などがどっさり植つけられてあった。
56 垣根 垣根 垣根のうちに見られた。
56 植木 植木 手桶から柄杓(ひしゃく)で水を汲んでは植木に水をくれているのは、
56 植木 植木職人 貧しいこの植木職人と一緒になったのであった。
56 片端から日当ひあたりのいいところへ持っていって棹にかけたりした
58 チャ 茶畑 茶畑などの続いている生家さとの住居の周囲まわりの垣根のあたりは、一層静かであった。
58 垣根 垣根 茶畑などの続いている生家さとの住居の周囲まわりの垣根のあたりは、一層静かであった。
60 銀梨地 銀梨地 深く澄すみわたった大気の底に、銀梨地のような星影がちらちらして、
60 森の端にも その晩は月は何処の森の端にも見えなかった。
61 マツ 松の下 松の下に、墓石や石地蔵などのちらほら立った丘のあたりへ来たとき、
64 棟梁 棟梁 神田の方のある棟梁の家から来ている植源の嫁も、
65 床の間 床の間 目録が座敷の床の間に恭(うやうや)しく飾られるまでは、
66 床の間 床の間 蓬莱を飾った床の間には、色々の祝物が秩序もなくおかれてあった。
67 格子 帳場格子 少しは帳場格子のなかに坐ることにも馴れて来たが、
67 下は立込んだ廂の差交したあいだから、
71 ヤナギ 芽ぐんで来た柳条 いつの間にか芽ぐんで来た柳条(やなぎのえだ)が、たおやかにしなっていた。
72 バラ 薔薇 薔薇の大きな鉢が、温室の手前の方に幾十となく並んでいた。
72 四阿 四阿屋 四阿屋(あずまや)の方には、遊覧の人の姿などが、働いている若い者に交ってちらほら見えていた。
72 植木 植木棚 植木棚のうえには、紅や紫の花をつけている西洋草花が取出されてあった。
77 格子 帳場格子 気憊(きづか)れのした体を帳場格子にもたれて、ぼんやりしていた。
77 根掘葉掘 根掘葉掘して 長い歳月の間のことを、根掘葉掘して聴くことに興味を感じた。
86 サザンカ 山茶花 茶の木畑や山茶花などの木立の多い、その界隈は閑寂(ひっそり)していた。
86 チャ 茶の木畑 茶の木畑や山茶花などの木立の多い、その界隈は閑寂(ひっそり)していた。
86 晩飯の箸 姉と一緒に晩飯の箸を取っていたが、
86 木立 木立の多い 茶の木畑や山茶花などの木立の多い、その界隈は閑寂(ひっそり)していた。
87 カナメモチ 楆と槻の木 お島は楆と槻(けやき)の木とで、二重になっている外囲の周を、其方(そっち)こっち廻ってみたが、何のこともなかった。
87 ケヤキ 楆と槻の木 お島は楆と槻(けやき)の木とで、二重になっている外囲の周を、其方(そっち)こっち廻ってみたが、何のこともなかった
87 枝を差交 枝を差交した木陰から見える玄関には、灯影(ほかげ)一つ洩れていなかった。
87 木陰 木陰 枝を差交した木陰から見える玄関には、灯影(ほかげ)一つ洩れていなかった。
88 簷端 茶の室の簷端 下の茶の室の簷端(のきば)につるしてある鈴虫の声が時々耳につくだけであった。
89 ばら桜 爪痕のばら桜 爪痕のばら桜になっている腕をさすりながら、
92 植木 花圃や植木 花圃や植木に漑(そそ )がなければならなかった。
94 植木 植木屋の仕事 房吉は植木屋の仕事としては、これと云うこともさせられずに日を送って来たが、
95 板戸 板戸 夜の未明(ひきあけ)に板戸を引あけている、いらいらしい声が聞えたりした。
96 垣根 垣根ぎわ 萎れきって項(うな)だれた花畑尻の垣根ぎわに、
100 おゆうは寝衣のまま、跣足(はだし)で縁から外へ飛出していった
103 植木 色々の植木 田舎の植木屋仲間に売るような色々の植木と、西洋草花の種子などを、
103 植木屋 植木屋仲間 田舎の植木屋仲間に売るような色々の植木と、西洋草花の種子などを、
104 雑木林 雑木林 黝(くろず)んだ土や、蒼々(あおあお)した水や広々した雑木林
105 シャクナゲ 石楠花 石楠花や岩松などの植木を出してある店屋みせやもあった。
105 マツ 岩松 石楠花や岩松などの植木を出してある店屋みせやもあった。
105 垣根 低い垣根 低い垣根に仕切られた広々した庭が、先ずお島の目を惹(ひ)いた。
105 格子戸 格子戸 町屋風の格子戸や、土塀に囲われた門構の家などが、
105 植木 植木 石楠花や岩松などの植木を出してある店屋みせやもあった。
105 木香 木香のとれない 木組などの繊細(かぼそい)その家は、まだ木香(きが)のとれないくらいの新建(しんだち )であった。
106 縁端 縁端 部屋に落着いたお島は、縁端(えんばな)へ出て、庭を眺めながら呟いた
106 植木 植木類 車で二度に搬(はこ )び込まれた植木類を、悉皆(すっかり)庭の方へ始末をしてから、
107 植木 植木 町へ来て、植木に身を入れることになったのであった。
110 クロガキ 黒柿の床框 黒柿の床框などの出来ばえを、
110 ヒノキ 糸柾の檜 糸柾の檜の柱や、欄間の彫刻や、
110 糸柾 糸柾の檜 糸柾の檜の柱や、欄間の彫刻や、
110 床框 黒柿の床框 黒柿の床框などの出来ばえを、
110 杉戸 杉戸 極彩色の模様画のある大きな杉戸や、
110 檜の柱 糸柾の檜の柱や、欄間の彫刻や、
110 柱の状挿 柱の状挿(じょうさし)には、主に東京から入って来る手紙や電報が
111 下駄 ぼくぼくした下駄 山焦(やまやけ)のした顔に白粉も塗らず、ぼくぼくした下駄をはいて遣って来たが、
112 サクラ 桜の葉 庭の運動場の周に植った桜の葉が、
112 植木 植木畠 お島が楽みにして世話をしていた植木畠や花圃の床に
112 桜の葉 庭の運動場の周に植った桜の葉が、
113 マツ 松並木 お島がよく出て見た松並木の往還にある木挽小舎の男達の姿も、
113 羽目板 羽目板 吹曝(ふきさら)しの一軒家の軒や羽目板に、
113 格子 格子造の家 小瀟洒(こざっぱり)した格子造の家であった。
113 一軒家の軒 吹曝(ふきさら)しの一軒家の軒や羽目板に、
113 木挽 木挽小舎 お島がよく出て見た松並木の往還にある木挽小舎の男達の姿も、
113 木葉 林の木葉 そこから小川を一つ隔てた田圃なかにある遊廓の白いペンキ塗の二階や三階の建物を取捲いていた林の木葉も、
113 木葉 木葉 凄(すさま)じく木葉を吹きつける冬が町を見舞う頃になると、
113 林葉 林の木葉 そこから小川を一つ隔てた田圃なかにある遊廓の白いペンキ塗の二階や三階の建物を取捲いていた林の木葉も、
117 縁側 奥座敷の縁側 奥座敷の縁側に出してある、大きな籠に啼いている小禽(ことり)の声が、
117 田畠や林 一面に雪の降積った田畠や林や人家のあいだから
118 障子襖 障子襖の燻(くす)ぼれたその部屋には、持主のいない真新しい箪笥が二棹も駢(なら)んでいて、
118 真新しい箪笥 真新しい箪笥 障子襖の燻(くす)ぼれたその部屋には、持主のいない真新しい箪笥が二棹も駢(なら)んでいて、
119 板壁 板壁 板壁にかかった姿見が、うっすり昨夜(ゆうべ)の湯気に曇っていた。
123 マツ 松の梢ごし 見あげる山の松の梢ごしに奇しく眺められた。
123 松の梢ごし 見あげる山の松の梢ごしに奇しく眺められた。
123 板戸 二階の板戸 その新建(しんだち )の二階の板戸を開けると、
124 カキ 柿の幹に 庭の柿の幹に青蛙の啼声がきこえて、銀(しろがね )のような大粒の雨が遽(にわか)に青々とした若葉に降りそそいだりした。
124 柿の幹に 庭の柿の幹に青蛙の啼声がきこえて、銀(しろがね )のような大粒の雨が遽(にわか)に青々とした若葉に降りそそいだりした。
124 若葉 若葉 庭の柿の幹に青蛙の啼声がきこえて、銀(しろがね )のような大粒の雨が遽(にわか)に青々とした若葉に降りそそいだりした。
125 クワ 桑の若葉 一雨ごとに桑の若葉の緑が濃くなって行った。
125 若葉 桑の若葉 一雨ごとに桑の若葉の緑が濃くなって行った。
129 縁の端 お島は縁の端へ出て、水分の多い曇空を眺めながら呟つぶやいた。
131 ツツジ 赤い山躑躅 赤い山躑躅などの咲いた、その崖の下には、
131 丸木橋 危い丸木橋 危い丸木橋が両側の巌鼻に架渡されてあった。
132 マツ 松の枝葉 松の枝葉を分けながら降りて来る二人の姿がふと映った。
132 枝葉 松の枝葉 松の枝葉を分けながら降りて来る二人の姿がふと映った。
133 スギ 深い杉木立 深い杉木立や、暗い森林が目の前に拡がって来た。
133 森林 暗い森林 深い杉木立や、暗い森林が目の前に拡がって来た。
133 矮林 田畠や矮林 広々と夷(なだら)かな田畠や矮林( わいりん)が、水から離れていた魚族の水に返されたような安易を感じさせたが、
134 シャクナゲ 石楠花 温泉場で目っけて根ぐるみ新聞に包んで持って来た石楠花や、
136 煤けたまま梁 良人であったその剣客の肖像も、煤けたまま梁(うつばり)のうえに掲っていた。
138 裁物板 裁物板 時にはお島の坐っている裁物板たの側へも来て、
140 柿色 柿色の防寒外套 毛布というのは兵士が頭から着る柿色の防寒外套であった。
145 鋸屑 木片や鋸屑 木片(きぎれ)や鋸屑の散らかった土間のじめじめしているようなその店へ、
145 大工 大工 大工が道具箱を隅の方に寄せて、帰って行ってから、
145 木片 木片や鋸屑 木片(きぎれ)や鋸屑の散らかった土間のじめじめしているようなその店へ、
147 大工 大工 払いのこしてあった大工の賃銀のことも考えなければならなかった。
151 サクラ 八重桜 酒の空瓶あきびんにもう八重桜が生かっているような時候であった。
151 木片 型定規のような木片 そこにあった大きな型定規のような木片(きぎれ)を取って
166 大きな縁起棚 大きな縁起棚の傍には、つい三四日前の酉の市で買って来た熊手などが景気よく飾られて、
171 行李 行李 二人は少しばかり持っている著替(きがえ)などの入った貧しい行李を、
173 若葉 若葉が 四下(あたり)には若葉が日に日に繁って、遠い田圃からは、
176 イチョウ 桜や銀杏 葉の黄ばみかかった桜や銀杏の梢ごしに見える、蒼い空を秋らしい雲の影が動いて、目の下には薄闇(うすぐら)い町々の建物が、長い一夏の暑熱に倦(う)み疲れたように横わっていた。
176 サクラ 桜や銀杏 葉の黄ばみかかった桜や銀杏の梢ごしに見える、蒼い空を秋らしい雲の影が動いて、目の下には薄闇(うすぐら)い町々の建物が、長い一夏の暑熱に倦(う)み疲れたように横わっていた。
176 ベンチや柵 白い人の姿が、ベンチや柵のほとりに多く集っていた。
176 梢ごし 葉の黄ばみかかった桜や銀杏の梢ごしに見える、蒼い空を秋らしい雲の影が動いて、目の下には薄闇(うすぐら)い町々の建物が、長い一夏の暑熱に倦(う)み疲れたように横わっていた。
176 木蔭 ほのぐらい木蔭 二人は仄暗(ほのぐら)い木蔭のベンチを見つけて、そこに暫く腰かけていた。
176 葉の黄ばみ 葉の黄ばみかかった桜や銀杏の梢ごしに見える、
189 裁板 裁板 彼は裁板たの前に坐って、縫目を熨(の)すためにアイロンを使いはじめた。
191 雑木 雑木 雑木の生茂っているその地所には、庭へ持出せるような木も可也にあった。
191 植木屋 古い植木屋 あの古い植木屋の家にも、紛紜(いざこざ)の絶えなかった一頃の事情は
191 庭木 庭木 お島は庭木のどっさり植っている母屋の方の庭から
191 雑木の生茂っているその地所には、庭へ持出せるような木も可也にあった。
191 木立 木立 「ふむ。」小野田は驚異の目をみはって、その木立のなかへ入って行った。
200 山林 山林の売買 ちょくちょく手を出していた山林の売買がいくらか当って、
200 青葉 青葉 上野は青葉が日に日に濃い色を見せて来ていた。
200 造作 何の造作も お島たちは自分たちの浮揚るのは、何の造作もなさそうに思えていた。
214 材木 材木 材木がやがて彼等の手によって、車で運びこまれた。
214 大工 大工 お島が大工などを頼んで来たとき、
214 大工 叩大工 父親の縁故から知っている或叩大工のあることを想出して、
214 板一枚 棚を張ったりするために必要な板一枚買うだけの金すらなかったのであったが、
214 板敷 板敷 二人の懐ろには、店を板敷にしたり、
214 普請 普請 仕事を拡張する意味で普請を嘱(たの)んだところで、彼は呑込顔にそう言って引受けた。
215 大工 大工 大工が仕事を初めたところで、釘をすら買うべき小銭に事かいていたお島は
215 普請 普請 「これから普請の出来あがるまで、何かまたちょいちょい貰に来るのに
216 大工 大工 あらかた出来あがったところで、大工の手を離れた店の飾窓や
216 大工 大工 家では大工がみんな昼寝をしていた。
216 大工 大工 表では大工が、二人ばかりの下を使って、せっせっと木拵(きごしら)えに働いていた。
216 木蔭 木蔭に涼し 蝉の声などのまだ木蔭に涼しく聞かれる頃に、家を出ていった彼女は、
216 木拵 木拵 表では大工が、二人ばかりの下を使って、せっせっと木拵(きごしら)えに働いていた。
225 アカシヤ 桐の木やアカシヤ 桐の木やアカシヤなどが、昼でも涼しい蔭を作っていた。
225 キリ 桐の木やアカシヤ 桐の木やアカシヤなどが、昼でも涼しい蔭を作っていた。
225 木の蔭 木の蔭 木の蔭に乗物を立てかけておいて、
225 木蔭 木蔭 そして濛靄(もや)の顔にかかるような木蔭を、
231 床の間 床の間 お島も床の間に活かったばかりの花を顛覆(ひっくらか)えして、
239 普請 普請場 そして近所の普請場から鉋屑や木屑をを拾い集めて来て、
239 木屑 鉋屑や木屑 そして近所の普請場から鉋屑や木屑をを拾い集めて来て、
239 警察へ引張られた彼女が、梁から逆さにつられて、
239 鉋屑 鉋屑や木屑 そして近所の普請場から鉋屑や木屑をを拾い集めて来て、
241 キリ 桐の花 桐の花などの咲いている、夏の繁みの濃い平野を横ぎって、汽車はいつしか山へさしかかっていた。
241 ツツジ 目のさめるような躑躅 白い岩のうえに、目のさめるような躑躅が、古風の屏風の絵にでもある様な鮮かさで、咲いていたりした。水がその巌間(いわま)から流れおちていた。
241 雑木 雑木の小枝 目近の雑木の小枝や、崖の草の葉などに漂うている雲が、
241 小枝 雑木の小枝 目近の雑木の小枝や、崖の草の葉などに漂うている雲が、
244 スギ 松や杉 その寺は、松や杉などの深い木立のなかにある坂路のうえにあった。
244 マツ 松や杉 その寺は、松や杉などの深い木立のなかにある坂路のうえにあった。
244 松風 松風 松風の音の寂しい山門を出てからも、
244 木立 深い木立 その寺は、松や杉などの深い木立のなかにある坂路のうえにあった。
245 マツ 松が六月の陽炎に蒼々と繁り、道ぞいの流れの向うに裾をひいている山には濃い青嵐が煙ってみえた。
245 枝を差交 檐端(のきば)はずれに枝を差交している、
245 ひょろ長い木の梢 山国らしい丈けのひょろ長い木の梢には、小禽(ことり)の声などが聞かれた。
245 木の梢 ひょろ長い木の梢 山国らしい丈けのひょろ長い木の梢には、小禽(ことり)の声などが聞かれた。
245 檐端 檐端 檐端(のきば)はずれに枝を差交している、
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