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小説と木
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  6. フジ 1箇所
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田山花袋の小説 「布団」 に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1907年、文庫本におけるページ数は102ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
10 藤蔓の杖 縞セルの背広に、麦稈帽、藤蔓の杖(ステッキ)をついて、やや前のめりにだらだらと坂を下りて行く。
10 フジ 藤蔓の杖 縞セルの背広に、麦稈帽、藤蔓の杖をついて、やや前のめりにだらだらと坂を下りて行く。
13 庭樹 庭樹の繁り いや、庭樹の繁り、雨の点滴、花の開落などいう自然の状態さえ、
19 柴垣 小柴垣の中に 賑かな笑声が牛込の奥の小柴垣の中に充ちた。
27 裏の森 あくる日は日曜日の雨、裏の森にざんざん降って、時雄の為めには一倍に侘しい。
27 ケヤキ 欅の古樹 欅の古樹に降りかかる雨の脚(あし )、それが実に長く、限りない空から限りなく降っているとしか思われない
27 古樹 欅の古樹 欅の古樹に降りかかる雨の脚(あし )、それが実に長く、限りない空から限りなく降っているとしか思われない
38 酒井の森には 矢来の酒井の森には烏すの声が喧(やかま)しく聞える。
39 サンゴジュ 珊瑚樹の大きいのが 大きい古い欅の樹と松の樹とが蔽い冠さって、左の隅に珊瑚樹の大きいのが繁っていた。
39 サンゴジュ 珊瑚樹 突如(いきなり)その珊瑚樹の蔭に身を躱(かく)して、その根本の地上に身を横えた。
39 マツ 松の樹 大きい古い欅の樹と松の樹とが蔽い冠さって、左の隅に珊瑚樹の大きいのが繁っていた。
39 ケヤキ 古い欅の樹 大きい古い欅の樹と松の樹とが蔽い冠さって、左の隅に珊瑚樹の大きいのが繁っていた。
39 電信柱 電信柱 電信柱に突当って倒れそうにしたり、
39 根本の地上に 突如(いきなり)その珊瑚樹の蔭に身を躱(かく)して、その根本の地上に身を横えた。
40 桃割 桃割に結って 今の細君が大きい桃割に結って、このすぐ下の家に娘で居た時、
40 桃割 その桃割姿 その桃割姿を丸髷姿まにして、楽しく暮したその生活がどうしてこういう荒涼たる生活に変って、
41 マツ お濠の松 ふと見ると、赤銅のような色をした光芒(ひかり)の無い大きな月が、お濠の松の上に音も無く昇っていた。
42 マツ 松の木蔭 土手の上、松の木蔭、街道の曲り角、往来の人に怪まるるまで彼方此方を徘徊した。
42 木蔭 松の木蔭 土手の上、松の木蔭、街道の曲り角、往来の人に怪まるるまで彼方此方を徘徊した。
45 イチョウ 鴨脚の大きい裁物板 前に鴨脚の大きい裁物板(たちものいた)が据えられて、彩絹の裁片や糸や鋏やが順序なく四面(あたり)に乱れている。
45 裁物板 鴨脚の大きい裁物板 前に鴨脚の大きい裁物板(たちものいた)が据えられて、彩絹の裁片や糸や鋏やが順序なく四面(あたり)に乱れている。
45 下駄 下駄の音が 下駄の音がする度に、今度こそは! 今度こそは! と待渡ったが、
46 閾の処に 「大変遅くなって……」と言って、座敷と居間との間の閾(しきい)の処に来て、
46 後歯 軽い後歯の音 小きざみな、軽い後歯の音が静かな夜を遠く響いて来た。
46 格子 格子が開く  果してその足音が家の入口の前に留って、がらがらと格子が開く。
50 ぶどう 葡萄棚 隣家の葡萄棚
50 柳行李 柳行李 午頃(ひるごろ)に荷物が着いて、大きな支那鞄、柳行李、信玄袋、本箱、机、夜具、これを二階に運ぶのには中々骨が折れる。
50 柳行李 柳行李 押入の一方には支那鞄、柳行李、更紗の蒲団夜具の一組を他の一方に入れようとした時、
50 大樹 大樹の繁茂が 裏の酒井の墓塋(はか)の大樹の繁茂が心地よき空翠(みどり)をその一室に漲(みなぎ)らした。
54 森を鳴らして さびしい風が裏の森を鳴らして、空の色は深く碧く
54 松茸 松茸が並べられた 八百屋の店には松茸が並べられた。
54 キリ 庭の桐の葉 垣の虫の声は露に衰えて、庭の桐の葉も脆(もろ )くも落ちた。
54 庭の桐の葉 垣の虫の声は露に衰えて、庭の桐の葉も脆(もろ )くも落ちた。
55 月の森 雨の森、闇の森、月の森に向って、芳子はさまざまにその事を思った。
55 雨の森 雨の森、闇の森、月の森に向って、芳子はさまざまにその事を思った。
55 闇の森、 雨の森、闇の森、月の森に向って、芳子はさまざまにその事を思った。
73 落葉 落葉 垣根道には反かえった落葉ががさがさと転がって行く。
73 垣根 垣根道 垣根道には反かえった落葉ががさがさと転がって行く。
73 黄葉 銀杏樹も黄葉 裏の森の銀杏樹も黄葉(もみじ)して夕の空を美しく彩(いろど )った
73 イチョウ 銀杏樹も黄葉 裏の森の銀杏樹も黄葉(もみじ)して夕の空を美しく彩(いろど )った
73 木枯 木枯の風  野は秋も暮れて木枯の風が立った
73 裏の森 裏の森の銀杏樹も黄葉(もみじ)して夕の空を美しく彩(いろど )った。垣根道には反りかえった落葉ががさがさと転がって行く。
89 階梯 二階の階梯 二階の階梯をけたたましく踏鳴らして上って、芳子の打伏している机の傍に厳然として坐った。
103 行李 行李やら 行李やら、支那鞄やらが足の踏み度も無い程に散らばっていて
104 行李 行李や書籍の 光線の暗い一室、行李や書籍の散逸せる中に、恋せる女の帰国の涙、
104 行李 行李 玄関に出した行李、支那鞄、信玄袋を車夫は運んで車に乗せた
104 栗梅 栗梅の被布 芳子は栗梅の被布を着て、白いリボンを髪にさして、眼を泣腫していた。
109 古樹 古樹には潮の鳴るような 裏の古樹には潮の鳴るような音が凄じく聞えた
110 柳行李 大きな柳行李 大きな柳行李が三箇細引で送るばかりに絡(から )げてあって、
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