サクラ　4箇所
スギ　2箇所
マツ　2箇所
バラ　2箇所
アオギリ　1箇所
ウメ　1箇所
エノキ　1箇所
コノテガシワ　1箇所
サザンカ　1箇所
センダン　1箇所

二葉亭四迷の小説「浮雲」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1951年、文庫本におけるページ数は213ページ

ページ	小説名	元樹種	掲載樹種	掲載言葉
11	浮雲	摺附木	摺附木(すりつけぎ)	これには摺附木の死体が横ッている
14	浮雲	擂木	擂木	足を擂木に駈廻ッて
14	浮雲	木	木	さて木から落ちた
17	浮雲	マツ	松	果は生松葉に蕃椒を
35	浮雲	立木	立木	小夜嵐に立木の所在と
36	浮雲	樹	樹	植駢べた艸花立樹なぞが
36	浮雲	樹	樹	庭の樹立を揉む
36	浮雲	ウメ	梅	落着先は籬の梅か物干の竿か
39	浮雲	杖	杖	両手を杖に起んとしては
39	浮雲	梯子	梯子	起揚ッて梯子段下口まで
40	浮雲	珍木	珍木	そんな珍木会とか
40	浮雲	枝	枝	火をくれて枝を撓わめた
40	浮雲	バラ	薔薇	薔薇の花挿頭を挿した
49	浮雲	バラ	薔薇	何時の間にか薔薇の花挿頭を挿して
65	浮雲	アオギリ	梧桐	庭の梧桐の影法師が
66	浮雲	コノテガシワ	このてがしわ	宛になら坂や児手柏の上露よりも
83	浮雲	銀杏返シ	銀杏返し	銀杏返しも出た丸髷も出た
84	浮雲	植木	植木	釣込む植木屋は家々の招き
84	浮雲	摺附木	摺附木(すりつけぎ)	土地の者が摺附木の函を張りながら
84	浮雲	木戸	木戸	木戸々々で客を呼ぶ声は
84	浮雲	木戸	木戸	逆上ッた木戸番の口だらけにした
86	浮雲	木像	木像	飾付て在ッた木像の顔が
89	浮雲	植木	植木	坂の半腹の植木屋へ這入ろう
90	浮雲	葉	葉	友葉を追って舞い歩き
90	浮雲	サクラ	桜	一重桜は戦栗をして
90	浮雲	葉	落葉	芝生の上に散布いた落葉は魂の有る
90	浮雲	葉	葉	病葉を震い落し
90	浮雲	塩梅	塩梅	どうも乙な塩梅であったが
90	浮雲	マツ	老松	立駢ぶ老松奇檜は
90	浮雲	サクラ	桜	桜杏桃李の雑木は
90	浮雲	木	老木	老木稚木も押なべて
90	浮雲	葉	葉	一様に故葉勝な立姿
90	浮雲	木	木間	遠近の木間隠れに立つ
90	浮雲	サザンカ	山茶花	山茶花の一本は
90	浮雲	紅葉	紅葉	楓は既に紅葉したのも有り
91	浮雲	スギ	杉	空を摩でそうな杉の樹立の間を
92	浮雲	スギ	杉	彼方の杉の樹の下へ
92	浮雲	樹	樹	立駢んだ樹立の影は
92	浮雲	塩梅	塩梅	日陰も大分傾いた塩梅
93	浮雲	エノキ	榎	お勢は大榎の根方の所で
100	浮雲	箒木	箒木	歌人の所謂箒木で有り
101	浮雲	センダン	センダン	栴檀は二葉から馨ばしく
102	浮雲	塩梅	塩梅	こんな塩梅で有ろうか
107	浮雲	塩梅	塩梅	紅を潮した塩梅
112	浮雲	木然	木然	叔母は木然として
115	浮雲	塩梅	塩梅	何だか異な塩梅で
121	浮雲	サクラ	桜	とある桜の樹の下に
121	浮雲	サクラ	桜	杪枯れた桜の樹の植込みの
150	浮雲	木	木	造付けの木偶の如くに
155	浮雲	木阿弥	木阿弥	栓ずる所は旧の木阿弥
174	浮雲	摺附木	摺附木(すりつけぎ)	手探りで摺附木だけは
198	浮雲	木地	木地	次第に剥げて漸く木地の華美に戻る
215	浮雲	木目	木目	天井の木目が眼に入って
215	浮雲	木目	木目	熟々とその木目に視入って