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小説と木

樹種「ネムノキ」の素敵な文章

暗くなると就眠運動で葉を閉じて眠ったようになるから、この名前がつきました。また文学にもでてくる「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付けられたものです。

以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。ネムノキに関する情報と写真はコチラ

田山花袋の「田舎教師」
警察のそばの道に沿った汚ない溝みぞには白い小さい花がポチポチ咲いて、びた水に夢見るよう赤いねむの花がかすかにうつった。(233頁)
泉鏡花 の「婦系図」
軽くその薄紅の合歓の花に乗っていた。(243頁)
黒塀越に、雲切れがしたように合歓の散った、日曜の朝の青田を見遣った時、ぶつぶつ騒しい鍋の音。(321頁)
泉鏡花 の「婦系図」
波打つばかり、窓掛に合歓の花の影こそ揺れ揺れ通え(270頁)
折からの蒼空に、雪なす袖を飜ひるがえ)して、軽くその薄紅の合歓の花に乗っていた。(243頁)
岡本かの子の「老妓抄」
この土手下の合歓の並木の陰に船を繋もやって、そこでいまいうランデブウをしたものさね」(25頁)
林芙美子の「放浪記」
寺の庭を見ているとねむの花が桃色に咲いて、旅の田舎の思い出がふっと浮かんできた。(283頁)
太宰治 の「思い出」
ねむのきの葉を枕のしたに敷いて寝るといいとか、(36頁)
ネムノキの花 ネムの樹木

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