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小説と木

樹種「ハンノキ」の素敵な文章

日本、中国、韓国、台湾などに生育する、落葉する高木です。湿原のような過湿地において森林を形成する数少ない樹木です。この木からは良質な炭がとれたので、以前はよく利用されていました。消臭・抗菌などのへ利用した商品がつくられたり、鳥インフルエンザの特効薬としても注目されています。またメタボリックシンドロームや糖尿病にも効果があると報告されて注目の木です。

以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。ハンノキに関する情報と写真はコチラ

森鴎外 の「カズイスチカ」
一本一本の榛の木から起る蝉の声に、空気の全体が微に顫ふるえているようである。(40頁)
田山花袋の「田舎教師」
寺の境にひょろ長い榛の林があって、その向こうの野の黄いろく熟した稲には、夕日が一しきり明るくさした。(115頁)
墓地と畠とを縁取へりどった榛の並木が黒く空に見えて、大きな芋の葉にはキラキラと露が光った。(107頁)
向こうに見えるひょろ長い榛の並木に通じて、その間から役場らしい藁葺屋根が水彩すいさい画のように見渡される。(12頁)
長塚節 の「土」
田圃の榛の木は地味な蕾は目に立たぬ間まに少しづつ延びてひらひらと動き易くなる。(56頁)
宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」
太陽はこのとき、ちょうどはんのきの梢の中ほどにかかって、少し黄いろにかがやいて居おりました。(120頁)
宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」
あのはんのきの黒い木立がじき近くに見えていて、そこまで戻るぐらい、なんの事でもないようでした。(111頁)
宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」
十本ばかりの青いはんのきの木立の上に、少し青ざめてぎらぎら光ってかかりました。(111頁)
北から冷たい風が来て、ひゅうと鳴り、はんの木はほんたうに砕けた鉄の鏡のようにかがやき、かちんかちんと葉と葉がすれあって音をたてたようにさえおもわれ、(122頁)
はんの木の みどりみぢんの葉の向さ じゃらんじゃららんの お日さん懸かがる。」(120頁)
ちょうど一本のはんのきの頂にかかつていましたので、その梢はあやしく青くひかり、(112頁)
ハンノキ
ハンノキ

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