井上靖の「あすなろ物語」で有名になった木です。いろんなことでヒノキと対比されますが、アスナロにもすばらしいところがあります。抗菌性のあるヒノキチオールはヒノキにはなくアスナロにあります。木材としても有用な木です。青森ヒバはこの木の変種で、ほぼ同一の木です。
以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。
アスナロに関する情報と写真はコチラ
- 佐藤春夫の「田園の憂鬱」
- もとはこんもりと棗形に刈り込まれて居たであらうと思へる白斑入りの羅漢柏(アスナロ)である 32頁)
- 宮沢賢治の「路を問ふ」
- 陰気なひばや杉の影だの まがってまがってここまで来たが(290頁)
- 山本周五郎の「寝ぼけ署長」
- 葉の赤ちゃけたひょろ長い檜葉(ひば)の梢が見え、(159頁)
- 井上靖 の「あすなろ物語」
- 「だってあなたは翌檜でさえもないじゃありませんか。翌檜は、一生懸命に明日には檜になろうと思っているでしょう。あなたは何になろうとも思ってらっしゃらない」(112頁)
- 太宰治 の「津軽」
- その古い伝統を誇ってよい津軽の産物は、扁柏(ひば)である。林檎なんかじゃないんだ 47頁)
- 水上勉 の「飢餓海峡(上)」
- 陽がヒバの枝のとび出た山のはなにかげると、(109頁)