人通りかかり候付夜中の事何品積入候
哉と相尋候処麦と相断候ニ付役人不
審ニ存かかる夜深ニ麦杯積入候事何共
怪敷相疑船中積物相改可申と川
岸へ船着いたしやの申聞候処水主壱人
船より飛下り逃去候ニ付早刻壱人召捕
船中積物相改候処硝石火薬他十五
六石計リ麦俵の如くいたし有之候付夫
より厳敷吟味いたし候処全く是ハ焔硝
かかり頭より本町五丁目川又屋別家
川又屋茂兵衛方へ送り候品ニ御座候由白状
ニ及ひ候元来是川茂と申者は火薬売捌
元ニて焔硝かかりの吏と腹を合せ御蔵ニ
納め有之候焔硝盗出し川茂方ニて売捌候由
即夜前川茂入牢いたし候外焔硝方
役人も三四人揚リ屋入ニ相成申候
川茂近年七八年の間格別の商売も不致
大ニ身元よろしき様ニ相聞人々不審かり
候処此度金子延した種が知しました
夫より追々きびしき御責ニ相成候処七八