木の文化と科学
書籍の情報:海青社、伊東隆夫
2008.4.30、19cm
218頁、1800円
第1部 木の文化
第1章 木の文化と科学 (伊東隆夫/京都大学名誉教授・南京林業大学)
木の文化/樹種の同定/遺跡の木/仏像の木/古建築の木/正倉院の木/埋没林の木/木の文化を科学する
第2部 遺跡と木製品
第2章 原始・古代における森林資源利用の諸相 (山田昌久/首都大学東京)
考古学から見た森林利用/太い木を割って使う技術/大きなものを運ぶ技術/縄文時代の木工技術/製材技術と大径木利用のはじまり/木材資源の利
用特質 ―木製品製作の一括性―/木材を効率的に使う工夫
第3章 遺跡出土材に見る針葉樹材利用の歴史 (鈴木三男/東北大学)
遺跡と森林植生/先史時代の木材利用/クリの利用/縄文時代の木の利用/針葉樹三国時代
第4章 木の肌ざわり ―風合い― (綾部 之/京木地師)
工芸としての木/木工芸の流れ/木工の技法のあれこれ/轆轤細工/指物/彫物/木工芸のこれから
第3部 仏像の木
第5章 日本の木彫像の樹種と用材観 (金子啓明/東京国立博物館)
日本の仏像と素材/飛鳥時代の木彫像/奈良~平安時代初期の木彫像/一木彫像の成立/木片採集について
第6章 中国由来の仏像彫刻の用材 (メヒティル・メルツ/南京林業大学)
日本の仏像彫刻の用材に関する研究―始まりと現状/なぜ、クスノキが日本最初の仏像彫刻に使われたか/クスノキからカヤ・ヒノキへ/中国の仏像彫刻
の樹種同定/サンプリング/プレパラートの作製法/今後の展望
第7章 御衣木について (江里康慧/仏師)
日本の仏像は木彫像/日本の仏像制作の歴史/神仏の依り代/香木の仏像
第8章 日本の木彫像の造像技法 ―一木割矧造りと寄木造りを中心に― (根立研介/京都大学大学院)
日本彫刻と木彫/木彫像の造像技法/一木割矧造り/用材を割矧ぐことの意味/結 び
第4部 古建築の木
第9章 視点の転換 ―塗装技法研究からみた日本建築の姿― (窪寺 茂/奈良文化財研究所)
視 点/装飾面から見た日本建築の流れ/素木建築は果たしてすべてが素木か?/日光建築の本来の姿/ブルーノ・タウトと日光東照宮
第10章 なぜ法隆寺は千三百年建ち続けることができたのか (小川三夫/宮大工・鵤工舎)
伽藍造営には四神相応の地を選べ/伽藍造営の用材は木を買わず山を買え/元口か末口か/旧の八月の闇夜に切れ/五重塔造営に必要な木材量/木
組みは寸法で組まず木のくせを組め/木は生育の方位のままに使え/芯仕事と面仕事
第11章 木材の老化を考える (横山 操/京都大学生存圏研究所)
古都と歴史的建造物/木材の老化とは?/仏師の言葉に学ぶこと/身近で遠かった 「古材」/建造物解体修理現場と古材の収集/古材の物語
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