緑の守り手がいなくなる
吉藤 敬 著
都市文化社 927円
資源の少ないわが国では、木材資源の有効活用が
山村の経済をささえ、国民経済に寄与することになる。
ところが、森林経営意欲を失う者が増え森林の荒廃が
心配されている現実もそこにある。
森林の現実を・・・また、どうしなければいけないかを・・・
「緑の守り手がいなくなる」を読んで前田留美子
今熱帯雨林、亜熱帯雨林が急速に小さくなっているそうだ。
雨林の木々がそぎ切り払われ、もともと雨林によって育まれてきた
肥沃な土壌が保水力を失い、雨の度に流出し砂漠化の道を歩いている。
全ての生命に酸素ときれいな水を供給し、あらゆる動物の種の保存のために
必要な多様性を育む森がなくなりつつあるのである。
先進国、特に日本は自国のものよりも安く手に入る外国の材木を買いあさり、
雨林を破壊している。また、その土地の政府や大土地所有者も
また既存の農地や雨林をつぶし、その土地の人々が今までつくっていた
種々の作物に代わって高く売れる換金作物を作る大規模な単一作物農業へ
転換し、農地を疲幣させ、住民の生活を脅かしている。
他方先進国は大量のエネルギーを消費することによって酸性雨を発生させ、
周りの豊かな森を破壊している。
まさに「発展」という名の下に追求されている、全世界の経済至上主義が、
全ての生命を保障する森林を破壊しつつある。経済効率という面から見れば、
森はそれ自体といては木材を供給することしかできない。
まさに森の持つこの特質故に、現代の文明社会では食いつぶされ、
破壊される運命なのである、文明が今のまま「発展」を続けるならば
自らを破壊に導いていることになろう、現代文明が自のあやまちに気付き
これ以上の「発展」を望まずに、森の再生を意識的に行うか、
文明が破滅したとき、森の新たな再生が始まるだろう・・・・・
*緑の守り手がいなくなる 吉藤敬 都市文化社
吉藤敬
都市文化社
緑の守り手がいなくなる
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