木材はなぜ使われないのか
全国林業改良普及協会
750円 213ページ
「木材が使われなくなった」という理由をレポートした上で、
どのような手段で、国民が好んでいるという木材の使用を復活させ得る
かを、すでに実行しているものを紹介しながら考えていく、
という本である。*木材はなぜ使われないのか 需要拡大のために 内田 京治 全国林業改良普及協会 750円 昭和61年5月30日
第1章 木造住宅の着工戸数が減少
1 戦後の住宅難がバラ色の「住宅産業」をつくった
2 住宅ブームとオイルショックで高騰
3 住宅ブームの正体は貸家であった
4 床面積でみると持家のみが増加している
5 木造・非木造の割合も逆転した
6 結婚件数の減少も激しい
第2章 「木造住宅は高い」という迷信?
1 「国産材は高いから」という言い分
2 職人の手間賃が上ったから
3 建主も“高い”に協力
4 木造住宅を伸ばすために
5 ほんの少しの努力を
第3章 木材の流通は現状でよいのか
1 流通経路が長い
2 銘柄化で木材の需要が増やせるか
3 増えている産直方式
第4章 木材も工業材料としての品質を
1 歩切れ品が当然か
2 ほしい木材の強度規格
3 乾燥状態も表示できないか
第5章 木材を使わせない法的な規制
1 “木造ばなれ”を促進したお役所
2 建築基準法上の規制
(1) 木造の三階建は可能か
(2) 屋根・外壁・軒裏には使えない
(3) 内装制限
3 木造・木材の禁止規定を破れるか
第6章 なぜ代替材が出現したのか
1 木材が代替材化した背景
2 何が代替材に代ったか
(1) 外国の窓のアルミ化率は
(2) 内装の分野でも代替化が進んでいる
3 逆代替の道はないか
(1) 米国での木材と鋼材の耐火試験
(2) 科学的証明が必要
(3) 木製サッシの耐火性能
(4) 木材の調湿性能
第7章 木材にはカタログがない
1 節も好きずき多様化の時代
2 木材のカタログが欲しい
3 多品種少量生産向きの木材
第8章 木材ばなれを促進したニセモノづくり
1 プリントで木目をつくった合板・鋼板
2 天然木単板化粧張りが本物の需要を阻害
3 代替製品の耐久性
第9章 建築家が“木ばなれ”するのは
1 大学では木造を教えない
2 「木材はわからない」
3 建築家に木材を使ってもらうためには
第10章 子供から“木”が消えている
1 おもちゃと子供の世界
2 学校教育と木工実習
3 非行少年と木工修理
第11章 木造住宅と木材の地域性
1 三大都市の木材の使われ方
2 単純計算すると約二〇万種類
3 使用樹種はほぼ同じだが形状にバラツキ
4 三地区を通して言えることは
5 部材ごとの地域別特性
第12章 しかし、夜明けは近い
1 住宅の“産直”第三セクター
2 木材の“産直”で成功、消費地の協組
3 「産直にはロマンがある」
第13章 林業地の町おこし事業
1 岐阜県白川町の場合
2 森林組合も住宅・木工まで進出を
第14章 工芸品づくりと木製実用品
1 出稼ぎの村から工芸の村へ
2 白い器のオケクラフト
3 町営直販で一億円の売上げ
4 木工芸品の流通と商品開発を支援する北ッ子(ホッコ)