クログルミ
解説
分類:クルミ科 クルミ属 黒胡桃 別名イースタンブラックウォルナット 英名:Black Walnut、American Walnut
日本でよく見るオニグルミやシナノクルミと異なり、クログルミは非常に珍しいものですが、まれに植栽されていますし植物園などで見ることができます。学名がJuglance nigraでnigraの意味が「黒、黒い」ですので、黒が特徴であることがわかります。ただ樹木が黒いのか、実が黒いのか、どちらが由来なのかはわかりません。
北アメリカ原産の落葉高木で、雌雄同種。分布はオンタリオ州南部、サウスダコタ州西部から南東部、ジョージア州南部、フロリダ州北部、テキサス州南西部から中央部までの水辺地帯で成長します。しかし現在では、林地が伐採や農地変換などで蓄積は非常に少なくなっていると言われています。
樹高高さ30メートル、直径は1.5メートル、大きいものでは50メートルにもなるという。樹皮は黒褐色で、深く割れ目が入ります。葉は奇数羽状複葉で卵状披針形の小葉が5~12対つきます。春、枝先に雄花序と雌花序をつけます。果実は直径4~6センチ(ゴルフボール大)ほどの核果で、夏の終わりから秋に熟します。葉や花は我が国で普通に見られるオニグルミと同じ。
材は昔から評価が高い。心材はチョコレート色、紫赤色、紫黒色で、色は一様でなく、縞状になっていて、美しい模様の材面がみられます。辺材は淡色で、それを有効に利用するため染色して使うことがあります。重硬で肌目は粗で、木理はしばしば不規則になるので、このことが材面の化粧的な価値を高めます。粘り強く、加工は容易。
材の日本での大量調達は困難で楽器や高級家具などの製造メーカーは米国で直接買い付けをしています。
材の用途は高級家具、内装、キャビネット、銃床、楽器ですが、日本での現在の利用は化粧合板のツキ板用がほとんどです。
実はリース、クラフト用素材、ディスプレイ、ペンダント・ネックレス等の民芸品の材料に利用されます。
また食用可能ですが非常に多くのタンニンを含んでいて癖が強いです。
クログルミの木材性質はコチラ
葉
実
2006年8月20日 MONGO
樹形
2021年10月10日 Geo Lightspeed7
表皮