ナギ
解説
ナギ(梛)
マキ科マキ属。常緑高木。本州では紀伊半島、山口県、四国、九州、沖縄、台湾に分布する。別名はナギノキ(梛の木)、チカラシバ(力柴)、ベンケイノチカラシバ、センニンリキなどという。高さ20メートルほど、暖地の山中に自生し、幹は直立し大木になる。他の植物の生育を抑制する働きをもつナギラクトンという化学物質を分泌する。葉は対生し、楕円状披針形あるいは卵状楕円形、両面とも無毛、縁は全縁で革質、多数の平行脈がある。イチョウなどと同じ裸子植物で、広葉樹(被子植物)の葉とは異なる。また、ナギの葉は、縦には簡単に裂くことができるが、横には枯れ葉であってもなかなかちぎることができない。雌雄異株。5-6月に雄花序は、前年枝の葉腋から1つでて、2-3分枝する。雌花は、前年枝の葉腋から出る短枝に緑の花を咲かせる。10-11月ころには、果実は球形で白粉を帯びた青緑色に熟す。材は水に強く、緻密で年輪が不明瞭であるため、彫刻や家具などに利用される。日本最大のナギは、国の天然記念物に指定されている、熊野速玉大社の境内に立つ推定樹齢1000年であり、平安末期に熊野三山造営奉行を務めた平重盛(清盛の嫡男)の手植えと伝えられている。
花
大阪府 服部緑地都市緑化植物園 2014年5月11日
樹形
鹿児島県薩摩川内市 鷹の巣神社のナギ 2007年11月18 日
実
神奈川県足柄上郡山北町 自得寺のなぎ 1998年 8月29日
葉
大阪市立大学付属植物園 2003年4月29日
大阪府 服部緑地都市緑化植物園 2014年5月11日
長全寺のナギの木 >三重県熊野市紀和町長尾 2021年7月24日
自得寺のなぎ 神奈川県
東光寺のなぎ 和歌山県日高郡