テンダイウヤク
解説
学名:Lindera aggregata クスノキ科 クロモジ属の常緑低木で、高さは約3mになる。静岡、和歌山、三重、大阪、四国、九州など比較的暖かな地方に野生化しています。クスノキ科特有の芳香があり、根が胃薬となります。
もともと中国南部原産で、日本には、享保年間に将軍吉宗が海外の薬用植物を積極的に輸入し、栽培させた時代に入ってきたものと考えられている。中国の天台山に産するものが効きめがよいというので、天台烏薬の名がつけられたが、現在中国では、この植物を単に烏薬と呼んでいる。秦の始皇帝が探すことを命じた不老長寿薬の最も有力な候補とされていた。
葉は4~8センチの広楕円形で、3本の主脈がはっきりしており、表面は光沢がある緑色、裏面は粉を吹いたように白い。若葉には柔毛が密生している。根は長い塊状である。雌雄異株。秋、葉えきに鱗状の包につつまれた花芽ができる
開花は3~4月ごろ、包の中から淡黄色の小さい花がむらがって開く。果実は、楕円形で長さ1cmぐらいになり、初めは緑色であるが、のちに赤褐色となり、熟すと黒紫色なる。
10月ごろ根を掘り取り、水洗いして日干しにする。これを烏薬(ウヤク)と呼んでいる。
烏薬には、精油のボルネオール、リンデランなどの芳香物質が含まれている。漢方では鎮痛、けいれん止め、興奮薬などの目的で、いろいろな処方に配剤される。民間では芳香性健胃薬として用いるとよい。
健胃に、烏薬5~10gを1日量として、コップ3杯の水で半量になるまで煎じ、食間3回に分けて飲む。
葉