コメツガ
解説
常緑高木。マツ科ツガ属。「米栂」の意で、葉が小型であることを「米(こめ)」にたとえたもの。「ツガ」の由来は不明である。日本固有種であり、本州中部から四国、九州の亜高山帯の山地に分布している。特に尾根や沢地沿いに見られ、トウヒと共に、標高1500m以上の亜高山帯にある。樹高は20m、樹形は円錐形になる。 針葉は線形状 (線形葉)の長さ1-2cmでやや短く、小枝の左右に2列に並んで密に互生する。光沢がある緑色でイチイに似ているが先端は窪み、主脈の両側に粉白色の気孔帯がある。 枝は細く水平または先端が下垂する。 球果は小さく、長さ1~2cmの球形である。
耐陰性があり、日陰地の植栽に適し、痩せ地や湿地にも耐えるが、その場合の生育は劣る。
耐暑性や耐寒性にはやや劣り、ツガより涼しい環境を好み、暑さにはやや弱く、生育は旺盛で、痩せ地や湿地にも耐えるが、その場合の生育は劣る。
公園樹、街路樹、社寺林、庭木、シェードガーデン、シンボルツリー、クリスマスツリーとして植栽され、材は建築、土木、パルプ材として利用される。
また、日本のツガ族はツガとコメツガの2種のみで、ツガは小枝が無毛であることと自生地や葉の大きさで区別できる。
またいくつかのホームページにベイツガも本種であると記載されているものがあるが、間違いである。混乱の原因となっているのは、同じ科属であり、違う樹種なのに同じ漢字を使うことにある。木材業界でいう米栂(べいつがと読む (学名
Tsuga heterophylla マツ科ツガ属) で、ベイトガ、ウエスタンヘムロックと呼ばれ、最近ではアメリカツガ、カナダツガとも呼ばれているものである。一般に「米栂」を「ベイツガ」と読むときは、これをさします。
葉
▲▲神戸森林植物園 2000年4月30日
神戸森林植物園 2000年4月30日