クロモジ
解説
黒文字、クスノキ科クロモジ属。落葉低木。高さ2-3m。
北海道の南部から九州山地に
かけて自生している。雌雄異株。
高級菓子のつま楊枝として名前を知られているが、名前の由来はこの木で作った楊枝のことを樹皮の黒いことから「くろ楊枝」と呼ばれていたのが宮中の女房言葉の「~もじ」をつけて楊枝のことを「くろもじ」と呼ばれるようになり、それが樹名となったと言われている。樹皮はつるつるして、黒い斑点がある。葉は有柄で互生し、楕円形で両端はとがっている。全縁で葉質は薄く、裏面は白色を帯びている。雌雄異株3-4月に芽の横から淡黄緑色の小花が散形花序になって咲く。 秋には小さな球形で黒色実がなる。また花に派手さはないが気品があり、茶花として使われることも多い。枝葉に芳香があって、リナロール、タ-ピネオール、ゲラニオールなどの香気成分を含み、幹材の皮も、多少の匂いをもっている。枝葉からの油は香水や髪油の原料となることからヨーロッバに輸出されていた時代もあった。
根皮は日干しにした後、水に溶かしてインキンタムシなどの皮膚病の薬として使われる。又その枝葉を布袋に入れて入浴剤として使われる。
開花時期の3月~4月には茶花としても趣きがある。
花
大阪市大植物園4月9日
実
花
上4枚 神戸森林植物園 2013年4月28日
葉
神戸森林植物園 2013年4月28日
樹形
神戸森林植物園 2018年6月9日
クロモジのツマヨウジ