タラヨウ
解説
モチノキ科モチノキ属。常緑高木。別名、モンツキシバ、エカキシバ、ノコギリシバという。
天然分布は静岡県以西であるが、地域の環境保全や防災に役立つ緑化樹として植栽されてきたため、そこから分布して関東にも野生化している。
暖地の常緑樹林に点生し、陰樹で耐陰性は強く、成長はとても遅いが、高さ15-20メートル、直径60センチにもなる。枝は太く、主幹は直上する。
名前の由来は、インドで多羅樹(ヤシ科の植物)の葉に経文を書いたのと同じように本種の葉にも文字を書くことができることから、多羅葉の名がついたとされている。葉を傷つけるとその部分が黒く変色するので字を書けるのは、細胞内の酸化酵素が空気にふれて酸化するからである。
葉は長さ10-20センチで楕円形から長楕円形、先は鋭くとがり、ふちに鋭い鋸歯がある。質は厚い革質で、両面無毛である。傷つけると黒く変色する。葉柄の長さは約2cm。
雌雄異株のため、全ての木に実がなっているというわけではないが、群生する赤い果実は見事であり、冬になっても長く枝上に残って美しい。
また、タラヨウの木は旧郵政省が「郵便局の木」としてシンボルツリーに指定し、「はがきの木」とも呼ばれている。
その他この木がお寺に多いのは、葉を火にあぶって吉凶を占ったという宗教的な習慣が関係しているという。
花
神戸市立森林植物園 2008年2月3日
葉
▲▲ 富田林市 通勤途中 2004年3月21日
錦織公園 2023年5月3日
神戸市立森林植物園 2013年11月18日
実
▲▲ 神戸市立森林植物園 2013年10月14日
▲▲ 神戸市立森林植物園 2008年2月3日
神戸市立森林植物園 2016年5月22日
樹形
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神戸市立森林植物園 2008年2月3日
▲▲ 神戸森林植物園 2015年4月28日
幹
▲▲▲ 神戸森林植物園 2015年4月28日
運川寺のタラヨウ 奈良県吉野郡川上村東川 2021年4月18日