メタセコイア
解説
スギ科メタセコイア属。落葉針葉高木。和名はアケボノスギ(曙杉)といい、生成立
の初期に生じたスギという意味である。高さ20-30m、直径1.5mにもなり、円錐形と
なる。古くから化石で発見されていた樹であるが、1945年中国四川省磨刀渓村(現在
は湖北省利川市)で発見され、1949年に中国から国と皇室がそれぞれ100本のメタセ
コイアの挿し木と種子を譲り受け、北海道~九州の日本の各地に配られた。絶滅した
種とされていたが、現存することが確認されたことから「生きている化石」と呼ばれ
ることも多い。また各地のメタセコイア巨木は、この時のものが多い。
葉はモミやネズに似て線のように細長く、長さは2-3 cm程度、幅は1-2 mm程度で、
羽状に対生。秋に赤茶色に紅葉した後、落葉する。雌雄同株で、花期は2-3月。雄花
は総状花序、あるいは円錐花序となって枝から垂れ下がる。 10-11月に多くの卵状
の松笠形球果(果実径:1.5cm)をつけ、秋から冬にかけて無数の種が地表に落ちる。
樹皮は赤褐色で、縦に裂けて薄く剥がれ落ちる。
日当たりのよい場所で、土壌はやや湿気のある肥沃地を好むが、水湿地でも育つ。生
長は非常に早く、萌芽力があるため刈り込みにも耐える強さももっている。また潮害
にやや強く、煙害には中程度である。用途としては、公園用の背景樹、学校、街路
樹、工場の緑化樹として需要が多い。木材としては柔らかいので、利用範囲は限られ
る。
樹形
堺市美原区 大阪木材工場団地
紅葉
▲▲ 神戸市立森林植物園
神戸市立森林植物園 2001年11月18日
樹形
めずらしい2本のメタセコイア 夏はひとつの樹形に見えるが、冬には樹形がはっきりわかります。美原木材団地付近 通勤途中4月29日
大阪府 花の文化園 2012年11月20日
メタセコイアの林
▲▲ 神戸市立森林植物園 2016年12月18日
油田家のメタセコイア 三重県多気郡多気町車川 2021年11月21日