リンデン、ライム、セイヨウシナノキ 学名:Tilia × europaea 一般にヨーロッパライム(European lime)、英国ではコモンライム(common lime) またはシナノキ(common linden )と呼ばれています。 Tilia Cordata (小葉ライム・フユボダイジュ) とTilia platyphyllos (大葉ライム・ナツボダイジュ)の自然交配種です。野生では、ヨーロッパの 2 つの親種が両方とも在来種である点在する地域で発生します。柑橘類のライムとは異なります。落葉高木。
リンデンは美しい丸い形をした中程度の大きさの広葉樹で、高さは約15-50メートル、大きいものでは幹直径が2.5メートルになります。葉は大きくて心臓型で、緑色の葉は夏に豊かな陰を提供します。また、芳香のある花を咲かせることでも知られており、蜜蜂が好んで集まることから、蜜蜂の木としても知られています。
広く栽培されており、簡単かつ安価に繁殖できます。その結果、都市部や大通り沿いでも植えられています。ただ、茎の新芽を豊富に生成し、アブラムシが大量に発生することが多いことや秋には落ち葉が大量に発生することなどもあります。
リンデンの木材は柔らかく、加工しやすいため、木工品や家具、彫刻などの製造に利用されます。かってバイキングによって盾によく使われました。樹皮は繊維を採るために利用。また、リンデンの花から作られるリンデンフラワーティーは、伝統的なハーブティーとして人気があります。
茎以外の葉は生で食べることができます。
シューベルトの歌曲『菩提樹(Der Lindenbaum・デア・リンデンバウム)』(歌曲集『冬の旅』の5曲目)で有名です。
リンデンは中欧諸国では、非常に重要な文化的な意味を持っています。伝統的な村や町の広場によく植えられており、古くから人々に親しまれてきました。また、リンデンの木の下で集会や祝祭が行われることもよくあります。リンデンは、中世からの伝統的なシンボルとして、詩や物語にもしばしば登場します。
歌詞の日本語訳 近藤朔風
泉に添いて 茂る菩提樹 したいゆきては うまし夢見つ
幹には彫りぬ ゆかし言葉 うれし悲しに 訪いしその陰
今日も過りぬ 暗き小夜中 まやみに立ちて まなこ閉ずれば
枝はそよぎて 語るごとし 来よいとし友 此処に幸あり
面をかすめて 吹く風寒く 笠は飛べども 捨てて急ぎぬ
はるか離りて たたずまえば なおもきこゆる 此処に幸あり
此処に幸あり