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世界の樹木

パンノキ

解説
パンノキ

パンノキ 学名: Artocarpus altilis 英名: Breadfruit treeは、クワ科パンノキ属に属する熱帯常緑高木であり、南アジアから東南アジア、大洋州、カリブ海から中央アメリカ、アフリカに広く分布しています。18世紀後半には、ポリネシア原産のパンノキがイギリスやフランスの航海士によって各地に分散されたとされています。Breadの名がついているのは、熟した実が焼きたてのパンのような匂いだったからと言われています。

樹高は15mほどから30mに達する高木で、分厚い葉は互生し、羽状に深く裂けており、表面は濃い緑色、裏面は淡緑色をしています。葉が大きくよく茂るため、熱帯地方では日陰樹として公園や庭園、街路樹として広く植えられます。また、幹から根まで含まれる樹脂は船の防水に利用されています。

実は「パンの実」とも呼ばれ、黄色~黄褐色で直径10-30cmに成長します。枝先に2-3個ずつ着生し、成木からは年間50-200個の実が得られます。パンノキの実は甘みの少ないサツマイモのような味わいで、未熟な実は調理して食べることができ、火を通すとホクホクのジャガイモのようになると言われています。興味深いことに、パンノキはほとんどの品種が年間を通じて果実を付けるため、熟した実と未熟な実の両方が料理に利用されます。

特にミクロネシアやポリネシアでは、パンノキの実は広く主食として重要な役割を果たしています。マレー半島やインドネシアでも、未熟果を野菜として利用したり、熟果の種子(Breadnut)を煮たり炒ったりして食用にします。

パンノキは食用だけでなく、木材としても重要な利用価値があります。軽くても堅牢な性質を持つため、住宅の部材、船の部材、楽器、合板、彫刻などに幅広く利用されています。

カリブ地域では、18世紀に英国政府がタヒチからブレッドフルーツの苗を大量に輸入し、プランテーションで働かされていた奴隷たちの食料として栽培が始まりました。当初、ブレッドフルーツは外国産であり、奴隷たちにとってなじみのない果物であったため、主に動物のエサとして使用されていましたが、徐々に受け入れられ、現在ではカリビアンの食卓には欠かせない食材となっています。

パンノキは、その美味しい実と多目的な利用法から、熱帯地域の人々にとって重要な資源として長い間愛されてきました。その独特な特性と歴史的な背景は、多くの地域で重要な食糧源や文化的な象徴となっています。

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パンノキ
サイパン 2006年9月16日
パンノキ
花の文化苑 2014年8月17日
パンノキ
シンガポール 2008年5月
パンノキ
パンノキ
サイパン 2006年9月16日
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パンノキ
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パンノキの切手

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