シマトネリコ 島十練 学名:Fraxinus griffithii は、モクセイ科のトネリコ属に属する植物であり、タイワンシオジ、タイワントネリコ、タイトウシオジ、ケタイトウシオジ、ヒマラヤンアッシュなどの別名でも知られています。英名ではEvergreen ash、Evergreen ash tree、Formosan ash、Griffith's ash、Philippine ash、Himalayan ash、Tjandu、Evergreen flowering ash、Flowering ashなどと呼ばれます。
シマトネリコの「シマ」は沖縄諸島を指し、沖縄地方に自生するトネリコを意味します。この種は日本、中国、台湾、ベトナム、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、インド、バングラデシュに分布しており、森林の縁や川のそば、人の生活圏の近くなどに生育しています。日本では沖縄に分布し、自生地でシマトネリコを見ることができます。
シマトネリコは一般的には中型の木で、高さは通常10メートルまで成長します。幹は細く直立し、枝は細く軽快な印象を与えます。樹皮は灰褐色で、古い幹は剥がれ、緑色、褐色、クリーム色の斑点が現れます。葉は対生し、奇数羽状複葉で、長さは10〜25センチメートルで、5〜11個の小葉があります。小葉は尖った楕円形で、革質で美しい光沢があり、明るい緑色をしています。
シマトネリコは美しい葉や姿が特徴で、洋風の庭園にもよく合います。また、5月下旬から7月にかけて小さな白い花を咲かせます。これらの花には4つの小さな花びらと2本のおしべがあります。果実は木質であり、紙のような翼(長さ2.5〜4センチメートル)を持っています。
シマトネリコは最近、庭木や街路樹として人気が高まっており、日本でもよく見かけるようになりました。落葉性のトネリコと比較して、常緑性のシマトネリコがより人気のあるシンボルツリーとなっています。特にオーストラリアでは観賞用に一般的に栽培されていますが、オーストラリアでは外来種として扱われています。
シマトネリコは、フィリピンのルソン島では材が彫刻に使用されていました。また、インドネシアのフローレス島では樹皮が下剤として利用され、ジャワ島ではコーヒーの日よけの木として利用されてきました。さらに、マドゥラ島では葉がアヘンの代用品として使用されていました。シマトネリコの別名である"Tjandu"(旧字:チャンドウー)は、インドネシア語の"candu"(新字:チャンドウー)でアヘンを意味します。