シマサルスベリ
解説
Lagerstroemia subcostata ミソハギ科サルスベリ属 落葉高木
別名島百日紅(しまひゃくじつこう)と呼ばれ、九州南部から琉球列島、台湾、中国中部などの亜熱帯地域に自生するサルスベリの近縁種です。
名前の由来はサルスベリの近縁種で、屋久島以南の島に自生することから。
高さ3〜6メートルであり、大型のものでは20メートルにもなります。サルスベリよりも背が高い木で、幹肌は夏季には白く、冬季には赤褐色になります。幹は直立し、大きくなるにつれてうねりがあり、その美しさはサルスベリに勝ります。幹はサルスベリよりも滑らかですが、はげ落ちやすく、はげ落ちたところは木肌が見え、斑模様になります。
葉は対生し、卵形または円形で、サルスベリよりやや薄く、葉柄があること、葉が大きいことが違いです。盛夏には枝先に大きな円錐花序をつけ、よく枝分かれして小さな白い花を多数つけます。花序の上半部には半球形のがく筒があり、6枚に分かれ、各片は三角形で直立しています。果実はだ円形で1cm弱であり、熟すと6つに割れます。開花時期は、サルスベリと同様の6〜8月頃ですが、百日も咲き続けるとされるサルスベリに比べ、花期は短く、花の色は白が多く、小枝と花序に毛が生えているのが特徴です。サルスベリと比べると、花が小さく、華やかさには欠けます。当年枝の枝先に円錐形に多数付きます。花序の分枝はサルスベリより多いです。また、「ムラサキサルスベリ」と呼ばれる紫色の花を咲かせるものは、本種とサルスベリの雑種とされています。
材質は堅く、建築、家具、薪炭材などに、葉は染料に、また、中国では花や葉は薬用や食用に利用します。
性質は強く、痩せ地でも良く育ちます。また、耐寒性もあり、関東でも育っています。
葉
▲▲ 長居植物園 2023年4月30日
樹形
長居植物園 2023年4月30日
幹
長居植物園 2023年4月30日
樹皮
長居植物園 2023年4月30日