クスドイゲ
解説
学名: Xylosma congestum イイギリ科クスドイゲ属
福井県以西から琉球列島、台湾、朝鮮半島南部、中国、インドシナ、フィリピンに分布しています。海岸付近の林に生える常緑低木~小高木で、樹高は3~5m程度ですが、大きいものでは15m程度になります。異様に大きくて鋭いトゲがあるものが多く、長いものでは20cm以上にもなります。とにかく目立ちますが、動物も近づきません。不規則な横枝が伸びる木です。
葉は互生し、長さ4~8cmで無毛で滑らかで、長楕円状卵形から広卵形で、若木ほど丸みが強いです。両面とも無毛で、表面には光沢があり、質は革質です。縁には細かな鋸歯が並んでいます。
花は8~9月に咲き、花径は約2.5mm、雌雄異株で花弁はありません。果実は直径約5mmで、10~11月に緑色~赤紫色~黒色に熟します。トゲを利用して生垣にもよく植えられます。
和名の由来は、「イゲ」は「トゲ」の意味ですが、「クスド」は不明です。ハリネズミの古名が「クサフ」であることから、「クサフノトゲ」から転化したという説が多くあります。しかし、私は「ド」は協調の意味で、「ドイゲ」で大きなトゲを表し、「クス」は樹木の王の意味があることから、「最も大きなトゲのある木」という意味で「クス・ド・イゲ」と呼ばれるようになったのではないかと考えています。
別名地方名としては
いぐい【徳島(海部)】、 うそど【大分(北海部)】、 くすのいぎ【防州、周防】、 くすのいき【防州】、 くそいき【周防】、 くそずろ【高知(幡多)】、 くそど【高知(高岡)】、 くそとー【大分(南海部)】、 くそのくい【周防】、 くそんどー【高知(幡多・高岡)】、 くろいげ【熊本(水俣)】、 くろいげ【長崎(壱岐島)】、 げーずやぼ【長崎(壱岐)】、 げずのき【長崎(壱岐島)】、 しょいのいげ【鹿児島(川辺)】、 しょいのび【鹿児島(日置)】、 しょいのぴ【鹿児島(日置)】、 しょっのけ【鹿児島(川辺)】、 じょろ【周防】、 すなやぼ【長崎(壱岐島)】、 そーのいげ【鹿児島(甑島・長島)】、 そないげ【長崎(壱岐)】、 そねのいげ【熊本(球磨)】、 そねのき【熊本(球磨)】、 そねのき【鹿児島(肝属)】、 そろのくいぎ【周防】、 そんのいげ【長崎(東彼杵・南高来・五島)】、 ぞんのき【鹿児島(長島)】、 そんのき【長崎(平戸)】、 とりとまらず【高知(幡多)】、 とりとまらず【長崎(対馬)】、 とりとまらず【和歌山(日高)】、 どんのいげ【熊本(天草)】、 のけずいら【長門】、 ばらくそ【高知(高岡)】、 やなじょろ【福岡(粕屋)】、 やまちゃのき【長門】、 ゆす【香川(木田・屋島)】
などがあります。
葉
樹形