ヤチタモ
解説
モクセイ科。落葉高木。北海道、本州北中部、また朝鮮、中国、サハリン、シヘリアにも分布する。とくに北海道の亜寒帯に多くみられ、北海道の代表的な木材のひとつである。通常樹高20-25m。直径60-70cm。大きいものは樹高35m。直径2mに達するものもある。とても生長が速く、また樹木としての形質がよいので、北海道ではかなり人工造林が行われている。樹皮は灰褐色で皮目を点在している。葉は対生し、複葉で柄を入れて長さ約40cm、小葉の中軸と付着する部分に褐色の毛を密生する。花は早春、若葉とともに前年の枝先につき、花冠はなく、雌雄異株である。翼果は長さ2.5-3cmの倒皮針形で先端はとがらない。比重は0.55。年輪のはっきりした環孔材である。心材は淡黄褐色、辺材は淡黄白色。辺材は 虫がつきやすく軟らかいため家具には使われない。木理は大体まっすぐであるが、美しい杢が出ることもあり、タモモクと呼ばれる。年輪の幅により硬さ、強さがかなり異なる。重くて硬く、強いのは、木目にむらがなく、粘りもある。着色性もよい。
このような良質有用な材は、建築、家具、器具、運動具、楽器など広範に用いられる。また、化粧単板として使われ、根強い人気がある。かつて北海道から国産広葉樹の合板が米国などへ盛んに輸出されていたときには、Damoという商品名がつけられていた。
葉
北海道大学植物園 2014年9月14日
枚 大阪市立大学付属植物園 2015年5月3日
幹、樹形