シキミ
解説
シキミ科シキミ属。常緑低木。高さ2-5m。朝鮮、台湾、中国、日本の宮城県と石川県からの以西と四国、九州、沖縄の山林に自生する。中世には仏事の花とされていたために、お寺や墓地に多く植えられている。仏事と関係した使い方をされることが多く、例えばお葬式のときシキミの枝を束ねて柱のように立て並べ、死に水を取るときもシキミの葉で死者の口を湿めす風習がある。シキミはもともと神聖な木(栄木)でその枝葉には強い芳香があり、死臭を和らげるとか、この匂いを悪霊や野生動物が嫌い土葬のお墓をあらすのを防ぐと考えられたことと関係がある。枝は多少、輪状に分枝してよく茂る。若枝は緑色、葉は互生、長楕円形の革質で香気(香気成分はシネオール、オイゲノール、アネトールなど)がある。花は前年枝の上部の葉腋につき、淡黄白色で、細長い花弁と萼とが線状披針形になって美しく、果実は袋果で星状八角形の珍しいものである。またシキミは全木有毒で、特に種子には強い有毒成分、ハナノミン(C14H22O19)を含んでおり、ひどいときには死ぬこともあり、決して食べてはいけない。
葉
大阪市大植物園 2013年8月11日
大阪市 長居植物園 2014年8月24日
実
大阪市 長居植物園 2014年8月24日
樹形
大阪市 長居植物園 2014年8月24日
樹皮
大阪市 長居植物園 2014年8月24日