オニクルミ
解説
オニグルミ(鬼胡桃)
クルミ科クルミ属。落葉高木。樺太、北海道、本州、四国、九州に分布する。名前のクルミの語源は、くるくる回る、黒い実の意味などとあるが不明である。ただし、オニは近縁のヒメグルミに比べ、核の部分が固く、凹凸が大きいためについた。高さ15-25メートルになり、樹皮は暗灰色で、縦に大きく割れ目が入っている。若枝には黄褐色の軟毛が密生する。葉は互生で、奇数羽状複葉。小葉は対生で4~10対あり、卵状長楕円形で星状毛が多い。花は葉の開出とほぼ同時につく。雌雄同株で、雄花と雌花があり、雌花は、頂芽から穂状の花序を直立させる。褐毛を密生し、苞の中から、赤い花柱が出る。雄花序は、前年の葉腋から垂れ下がり、長さは10-30センチで、多数の雄花が下向きに開く。葉果実(偽果)は約3センチで、9-0月に熟す。熟しても破れることなく落果する。固い核の中の種子は食べることができる。この種子は、脂肪に富み美味で、菓子や料理に使われる。リスや野ネズミなどの、動物の重要な食料になっている。用途として、クルミの仲間の材は、固く滑らかで狂いが少ないということから、どこの国でも、昔から銃床として使われた。平時に植樹され、戦争になると伐られるという悲しい歴史を繰り返した樹木である。
比重は0.53。年輪のはっきりしない散孔材。
心材はくすんだ褐色、辺材は灰色を帯びた白色で粘りがあり、狂いも少ない。
一般にブラックウォールナットに比べて、ずっと軽く、軟らかく、また加工しやすく、
扱いやすい。硬さにばらつきがあり、安定的に硬い材をそろえるのは困難である。
強度は中位。
柔らかい優しい雰囲気が特徴。また、銃砲の台座としてはこれに
勝るものがないといわれている。
花
▲▲ 神戸森林植物園 2014年5月18日
▲▲ 神戸森林植物園 2015年4月28日
葉
河内長野市 花の文化苑 2012年8月27日
神戸森林植物園 2014年5月18日
▲▲ 北海道大学植物園 2014年9月14日
実
河内長野市 花の文化苑 2012年8月27日
大阪府河内長野市 花の文化園 2014年8月17日
樹形
神戸森林植物園 2014年5月18日
樹皮
京都府立大植物園 2012年5月20日
大阪府河内長野市 花の文化園 2014年8月17日
神戸森林植物園 2015年4月28日
上4枚 ヘルシンキ カイサニエミ植物園 2017年10月15日