ブナ
解説
ブナ科。落葉広葉樹。北海道南西部から本州・四国・九州に分布する。高さ30m。
直径1.7m。樹皮は
灰白色でなめらか、葉は卵形で葉の縁には波状の荒い鋸歯がある。
ブナに似たイヌブナは樹皮が灰
黒色であること、葉の裏に長毛が残ることなどで区別できる。
ブナは関東以南では、暖帯林が温帯林
に変わる山地内で見られるが、東北地方では平地に生育ブナの純林も残っている。
ミズナラ・トチノキ・
ホウノキなどが混生するブナ林は、山菜やキノコの宝庫でもある。
森全体を伐る皆伐のあと自然にできた
二次林のブナ林は身近な山々にも見ることがあり、広葉樹の人工造林はまれで、ブナもほとんど植林さ
れていません。しかし、北海道函館の七飯の国有林に明治二、三年に植林されたブナの人工林があり、
これはガルトネル・ブナ林と呼ばれ、当時函館で貿易商をしていたドイツ人のガルトネル氏が故郷をしの
び、 付近の山のブナの苗を植えたものである。このブナ林は、もうかなり老いていますが、ブナ人工造林の
成功例として名が知られている。 淡黄色の小さな花が5月中旬に新葉と一緒に開き、雌雄同株で雄花は
615ヶが一つの房になり、新しい枝の下の方の葉の元からぶらさがる。雄花は新しい枝の上の方の葉の
わきから2つ上を向いてつく。果実は、10-11月頃に熟し、栗のイガにあたる殻斗(カラ)の部分が茶色に
変わる。この殻斗は、ハリネズミのように短い針状のものに覆われている。これが4つに割れて、中から栗色
で三角錐の形をした堅い実(ドングリ)が2ヶ出てくる。長さ1.5-1.8㎝位の大きさである。葉が出た頃は両面
に長い絹毛があり、時が立つと両面とも脈の上に少し残すだけとなり、表面は滑らかで光沢が出てくる。
材は堅いが耐久性に乏しく、またくるいも多いことから、針葉樹に比べて利用価値が低い樹種とされてきた。
しかし、近年、人工乾燥法が発達して、くるいを除去することができるようになり、ナラ材とともに、木工家具
の材料として見直されるようになってきている。
西欧では"森の女王様"と呼ばれ、昔から尊敬され親しまれてきている。
葉
神戸森林植物園 2012年7月8日
神戸森林植物園 2005年8月7日
▲▲ 北海道大学植物園 2014年9月14日
神戸森林植物園 2013年11月18日
神戸森林植物園 2017年11月19日
実
神戸森林植物園 2005年8月7日
幹
北海道大学植物園 2014年9月14日
樹形
▲▲ 北海道大学植物園 2014年9月14日
盆栽
京都府立植物園 2007年1月23日
表皮
神戸森林植物園 2015年4月28日