ツガ
解説
マツ科。常緑針葉高木。 本州の関東以西から南は屋久島に分布する。トガ・ツガマツとも呼ばれる。 高さ30m。
直径1m。関東以西の山地に、ブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹や、ヒノキ・カヤなどの針葉樹、またカシ類など
の常葉樹としばしば混生して現われる。
雪の多い裏日本にはほとんどなく、表日本側にかたより、海抜400mから
1600mに現われるのはツガで、それ以上の亜高山帯にあるのはコメツガである。ツガは、尾根筋や急斜面など乾
燥する場所を好む。モミと混生して林をつくることが多く、人工林はほとんどない。 4月に開花する花は雌雄同株
で、同じ木の小枝の先に1ヶづつ、雄花か雌花がつきます。実は10月に成熟します。長さ23㎝、直径11.5㎝と大
変小さくツヤツヤした楕円形をしている。ツガの実は、小枝の先に実が下にたれるようにつくのが特徴的で枝の先
にまっすぐにつくコメツガとはっきり区別できる。 葉は互い違いにつき、長さ0.82㎝幅0.20.3㎝線形をしている。葉
の表は濃い緑色で光沢があり、短い葉と長い葉が入りまじってつくのが特徴である。幹はおよそまっすぐですが、
先細りで、多少まがっていたりする。また太い枝を遠慮容赦なく水平近く、それも多くはり出すので、一緒にはえて
いるモミノキに比べ、無粋な姿に見える。樹皮は、比較的なめらかなモミに比べ暗褐色の皮がたてに深く、不規則
に裂けるので区別がつき易いと思います。 木口(木の横断面)や間鮫(木目がストライプになっている縦断面)から
見て、まず年輪が大変はっきりしていることに気づきます。ツガの場合、この濃い色の部分は夏に育った夏材部で
あり、粉をふいたように白いのが春に育った春材部といい、その変化はツガ属特有のもので又、心材(濃の中心)と
辺材(まわりの部分)、が区別しにくく褐色がまわりにいくと色が淡くなっていくのも興味深いものである。板目(濃の
縦断面)から見ると、木理が少々まがっている所もあり、節等もよくある。さらにどの面から見ても、針葉樹のわりには
年輪幅が狭いのがわかります。材質は、針葉樹の割には結構重いのが手にとった時に感じられます。水に強いの
で土台や柱に使うこともあり、大木で木理のまっすぐな木の四方柾(四面全てが撒さ目で、大木からしかとれない)等
はその鮮明な木理の美しさから床柱などに珍重されるそうです線形の葉が二列にならぶがイチイやカヤと異なり、
先端はとがらず、丸くややくぼむのが特徴4~5月に開花し、10月ごろ球果が成熟する。
この球果は下向きに
つくことなどから、同属のコメヅカと区別できる。
材は心材・辺材ともに淡黄色で堅く、建築材・器具材のほか、
製紙用にも使われる。
樹皮から得られるタンニンは、漁網の染色にも用いられる。
ツガは、枝先がさがりぎみでとても、強くて、荒々しい木だとされています。木材にしたあとの木目もまっきり。針葉
樹の中では、もっとも、堅い木に属します。
葉
▲▲ 大阪市立大学付属植物園 2015年5月3日
木材
表皮
樹形
大阪市立大学附属植物園 2012年4月7日
ツガ林
神戸市立森林植物園 2016年12月18日
神戸市立森林植物園 2018年6月9日