学名: Jacaranda mimosifolia 別名: キリモドキ(桐擬)、ブラジルジャカランダノキ、シウンボク(紫雲木)、ブルージャカランダ(blue jacaranda)、ブラックポウイ(black poui)、ヌプール(Nupur)、シダの木(fern tree)とも呼ばれています。 ノウゼンカツラ科ジャカランダ属の落葉樹で、美しい紫色の花を咲かせることで有名です。 ジャカランダはカエンボク、ホウオウボクとともに世界三大熱帯花木の一つです。
南アメリカのブラジルやアルゼンチン、パラグアイなどの地域が原産です。しかし、現在では世界中の熱帯や亜熱帯の地域で栽培されています。 ジャカランダの花は春から夏にかけて咲きます。芳香のある桐に似た薄紫色の花を咲かせます。花の色は主に紫色ですが、白い花を咲かせる品種もあります。花の長さは5 cm、花序の長さは30 cmで、漏斗状で先端が5裂します。花の後にできる丸い扁平な莢状の朔果には種子が多数入っています。 南半球では11月から12月にかけて開花し、北半球では5月下旬から6月上旬にかけて開花します。日本では6月が見頃ですが、7月から9月にかけて少し花をつけることもあります。耐寒性があり、亜熱帯の地域で育てることができます。
成長すると高さが10メートル以上になることもあります。葉は細い羽状複葉で対生して付きます。樹皮は灰褐色です。 基本的に暖かい気候を好むため、寒冷地での栽培は難しいです。日当たりが良く、排水が良い土壌を好みます。 観賞用として庭園や公園に植えられることが多いです。
木材は一般的に深い茶色や紫がかった色を持っています。その色合いや模様は他の木材と比較してユニークで、美しい外観を持っています。 比較的硬く、耐久性があるため、家具やフローリングなどの用途に適しています。 淡い灰色から白色で、直線的な木目を持ち、比較的柔らかく、節が少ないです。 木材の表面は滑らかで、磨くことで非常に美しい光沢を出すことができます。そのため、木工芸品や高級家具の製作に利用されます。 特に家具、楽器(特にギターやピアノ)、建築材料、装飾品などに使用されます。楽器に使用される理由は、その音響特性が優れているためです。木材は保存状態によっては虫食いや腐敗に対して耐性がありますが、適切な保存とケアが必要です。
同じジャカランダ(スペイン語圏ではハカランダ)と呼ばれるDalbergia nigraは、マメ科ツルサイカチ属の樹木で、一般的にはブラジリアン・ローズウッド(Brazilian Rosewood)と呼ばれています。高級家具や楽器の製作に使用されることで知られており、その木材は非常に貴重で、硬度が高く、美しい色と模様を持っています。 しかし、一般的に「ジャカランダ」という場合はJacaranda mimosifoliaを指します。混乱を避けるために、ジャカランダ・ミモシフォリアと表現することもあります。