棗椰子 英名:date palm 学名:Phoenix dactylifera 植物学者の牧野先生は次のように述べている。おそらくメソポタミア地方原産で、雌雄異株の常緑高木。幹は直立、高さ30mに達す。葉は羽状複葉、長さ4~7m。小葉は硬く、長さ20~40cm。雄花序は直立、長さ100~150cm、分枝し多数の淡黄色の花をつける。雌花序は長さ約120cmに達して、時には垂れ下り、10~30分枝する。
アフリカを中心に乾燥熱帯域で栽培される。
果実は直径2cmほどの卵形。甘く糖分に富み、乾果は干し柿に似て、アラブ地域の砂漠の遊牧民の貴重な携行食品となる。果物というより主食的に利用される。ジャム、ゼリーとしても用いられる。植物繊維やカリウム、マグネシウムはプルーンやレーズンよりも多い。日本ではチュニジアなどから輸入されてして食品店でも販売しているが、まだ一般的ではないようだ。
幹は用材、葉は屋根葺きや繊維に、樹液からは酒がつくられる。聖書にもよく出てくるヤシである。