1219.カイノキ
解説
楷樹、ウルシ科カイノキ属。落葉高木。別名カイジュ、トネリバハゼ、ランシンボク(爛心木)、ナンバンハゼ(南蛮櫨)、クシノキ(孔子の木)という。中国原産で、日本、台湾、フィリピンに分布する。東アジアの温暖な地域に自生し、同じウルシ科のピスタチオとは同属で近縁である。中国の孔子廟に植栽されているところから学問の聖木とされ、日本には1915年に孔林で採られた種子が伝えられ、東京都目黒区の林業試験場(現在の林試の森公園)に植えられた。高さ20-30メートル、直径は1メートルほどになる。カイノキは直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから楷書にちなんで名付けられたとされる。別名のクシノキは、山東省曲阜にある孔子の墓所「孔林」に弟子の子貢が植えたこの木が代々植え継がれていることに由来する。雌雄異株で花は円錐花序で4-5月に葉に先立って花を咲かせる。雄花は淡黄色、雌花は紅色である。葉は偶数羽状複葉だが、奇数の葉が混じることがあり、小葉は5-9対で倒卵披針形で濃い緑色をしている。秋には5-6mmの赤い球形の果実を房状につける。実は熟すると紫色になる。街路樹、公園や庭園などに植えられ、若葉には特異な芳香があり、茶の代用にされる他、野菜としても食用にされることがある。また、材質は堅く、心材は鮮黄色で木目が美しい。優良な家具材であり、船材、杖、碁盤などに用いられる。
樹形
神戸森林植物園 2009年11月
神戸森林植物園 2015年4月28日
葉
神戸森林植物園 2008年7月
実
神戸森林植物園 2008年10月26日
神戸森林植物園 2013年10月14日
紅葉
神戸森林植物園 2009年11月
神戸森林植物園 2009年11月