シーボルトノキ
解説
ウメモドキ科クロウメモドキ属。落葉小低木。
原産は中国南部であり標高3300m以下の山地、丘陵地の森や茂み、草原の斜面などに
広く分布している。名前の由来は、幕末に日本を訪れ、「フロラ・ヤポニカ」を著し
たことでも有名なオランダ人医師シーボルトの長崎市出島の自宅の庭に植えられてい
たことからである。牧野富太郎が1912年に「植物学雑誌」に学名Rhamnus
sieboldianaを発表した。1969 年に御江久夫が中国に産するRhamnus utilisと同じも
のであると発表して,現在の学名になった。高さは2-4メートルになり、小枝には
とげがある。4-5月に淡黄緑色の小さな花を咲かせ、秋には沢山の黒い5-8ミリの
果実をつける。葉はほぼ対生または互生し長さ15cm位、葉柄は長さ2cm位、わずかに
毛があり基部の両側に小托葉がある。タネから抽出された油は潤滑油になり、果実、
樹皮、葉には黄色の染料が含まれている。また、神戸市立森林植物園に「シーボルト
の木」がある。この木は、牧野博士が長崎出島のシーボルトの居宅で見つけて
Rhamnus sieboldiana Makinoと命名したが、その後、中国原産で既にRhamnus utilis
と名付けられていることがわかった。日本に自生するクロウメモドキ(Rhamnus
japonica var. decipiens)と比べると、やや葉が大型である。
樹形
葉
実
神戸市立森林植物園 2013年10月14日