アーモンド
解説
アーモンド(アメンドウ・アマンド) 「扁桃・巴旦杏」
バラ科の落葉高木。6-9mの高さになる。西アジア原産、現在では南ヨーロッパ、アメリカ合衆国、オーストラリアなどで栽培されており、アメリカ合衆国のカリフォルニア州が最大の産地である。日本では小豆島などで栽培されている。樹皮は淡褐色。
葉は互生し長さ4~5cm、卵形、先はとがっている。葉のない枝に、サクラとよく似た白色・桜色・桃色の花弁の端に小さな切込みの入った花をサクラ同様一斉に多数咲かせる。7-8月に実が熟する(ただし花柄が非常に長いサクラの花と違いアーモンドは花柄が非常に短く、枝に沿うように花を付けるため、桜色・桃色の花の品種の場合は一見モモの花のように見える)。
果実の肉は薄く、熟すと割れ、中心に大きく扁平な核が1個あり、この核中に赤褐色の薄皮に包まれた種子がある。アーモンドの仁の部分がアーモンドナッツである。またスイート種(甘扁桃)とビター種(苦扁桃)があり、食用にされるのはスイート種
である。
スイートアーモンドには100以上の品種があるとされるが、食用とされる主な品種は、ノンパレイユ(Nonpareil)、カリフォルニア(California)、カーメル(Carmel)、ミッション(Mission)、ビュート(Bute)などである。脂質を55パーセント含む他、ビタミンB2を多く含んでいる。食品の中でも ビタミンEが最も多く(含有100グラム中約30ミリ・グラム)含まれている。ビタミンEは活性酸素による体細胞や血管の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、老化の予防に役立つ。悪玉コレステロールの酸化を抑制し、過酸化脂質の生成を防ぎ、心臓病や糖尿病の予防に役立つ。他に亜鉛、マグネシウム、カリウム、鉄などを多く含んでいる。豊富な不溶性食物繊維を含み、腸の働きを活発にして整腸を促す。有害物質やコレステロールを吸収し抑制する作用がある。脂質の約7割は、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸で、善玉コレステロールを維持し悪玉コレステロールを制御し酸化させない働きがあるポリフェノール
を多く含んでいる。 その効用は紀元前から認められており旧約聖書の中にも記述さ
れている。
種子を水につけてからアーモンドミルクを絞って飲料とすることもある。イランで
は、未熟果をホーレシュという煮込み料理に用いる。その他絞り取った油は減摩油
や咳止めの薬・香料として利用され、キャリアオイルとしても用いられる。
ビターアーモンドには青酸化合物であるアミグダリンが多く含まれるため、味が苦く、大量に摂取すると有毒である。鎮咳・鎮痙などの薬用、ベンズアルデヒドを多く含むため着香料、ビターアーモンドエッセンス、オイル(苦扁桃油)の原料として用いられる。イタリアのリキュールアマレットの風味付けにも用いられる。イタリアなど製菓材料とする国もあるが、アメリカ合衆国などビターアーモンドの種子の市販を禁じている国もある。
日本では3-4月にかけて果実が自然に落下することはないので、実の収穫の際には樹を「ツリー・シェイカー」と呼ばれる機械で揺さぶって実を落とす。日本では果実が熟す時期が梅雨時に重なるため、果肉が割れた時点で収穫を行わないと腐敗したり虫に食われたりする。
1月23日はアーモンドの日。カリフォルニア・アーモンド協会が2008年に制定した、同協会は、「1日23粒」を目安に、アーモンドを食べる食生活で健康にと、推奨している。そして1日23粒のアーモンドで、「1、2、3 !」のワンツースリー掛け声とともに、新しいヘルシーライフを、という思いから、同日を制定した。
アーモンドの花見が出来る場所がある。毎年3月中旬ごろ神戸市東灘区の
東洋ナッツ食品庭園でアーモンド祭りが開かれます。
樹形
枝・花
上4枚 神戸市東灘区 東洋ナッツ食品
▲▲ 長居植物園 2015年4月15日