イチイガシ
解説
イチイガシ(一位樫)
ブナ科コナラ属。常緑高木。関東南部以西の本州、四国、九州の山地に自生する。カシ類の中でも比較的成長が早くて材の通直性も高く、材も有用なことから、古くから植栽されている。名前の由来は、「一位樫」の意でカシの木の中でも樹高が一番高くなるからとか、材質が良いことなどから来ているという説がある。高さ30メートルになり、樹皮は暗褐色で、不ぞろいにはがれ、老木では波状の模様がある。葉は互生し、長さ 6-14、幅 2-3センチ。葉縁は上半部に鋭いきょ歯がある。先端は急に尖り、基部は次第に狭くなり鈍形。葉柄は1-1.5センチで、黄褐色の星状毛が密生している。また、材は堅く、古くは船の櫓として、現在でもスコップや農工具などの柄木として使われている。イチイガシのドングリは、シイの実と同様に渋みがなく、常緑のカシ類の中では唯一アク抜きをせずに食べることができる。
葉
▲▲長居植物園 2022年9月16日
樹形
▲▲大阪市立大学附属植物園 2012年4月7日
長居植物園 2022年9月16日
幹
長居植物園 2022年9月16日
樹皮
長居植物園 2022年9月16日
藤並神社のイチイガシ 和歌山県有田郡有田川町天満 2021年6月6日