イボタノキ
解説
分類:モクセイ科イボタノキ属 双子葉植物 合弁花類 落葉低木
分布:北海道から九州および朝鮮半島の温帯から暖帯に分布、山野・林下に多い
開花期:5月
花の色:白
用途:材、器具の束
北海道から九州および朝鮮半島の温帯から暖帯に分布し、山野や川の緑に多い、
また庭にも植えられる。高さは1.5m~3m。
葉はやや薄く長さ2~5m、対生し
短い柄があり長楕円形の全緑で裏側は淡緑色。5月ごろ新枝の先に長さ2~3cmの
総状花序をつける。果実は楕円形で、秋、紫黒色に熟す。
イボタとはイボトリの意で、イボをとる木という意味がある。
また和名は樹皮に白いイボタロウ虫が寄生することによる。川の緑に多いこと
からカワネズミモチの別名もある。
7月頃、イボタロウ虫の雄が泡状の白ろうを梢の周りに分泌し、このろうの中で
さなぎになる。9月頃成虫になると、ろうに小さな穴を開けて外へ飛び出す。 秋から冬の初め、成虫が出た後のろうを採取する。採取したろうを加熱して
溶かし、布でこして不純物を取り除き、常温で固定化させる。これが生薬の
虫白蝋(いぼた蝋)である。
いぼた蝋は皮膚の被包薬として、皮膚の乾燥や損傷部に細菌の侵入するのを
防ぐ。またかさぶたをやわらかくしてはがれをよくし、皮膚の形成を促進する。 いぼ取りにいぼの根元を絹糸で巻き、いぼの頭に、溶かしたいぼた蝋の熱い
ものをたらす。1回で無理な時は2-3回繰り返す。
皮膚の保護に。クリームの中
に粉末にしたいぼた蝋を少量加えて用いる。小さな切り傷の止血に、いぼた蝋の粉末を塗る。
※いぼた蝋は、一般に強壮、
強精、利尿にも効果があるといわれているが、それは疑問である。なおこの蝋
は家具のつや出しや、戸障子のすべりを良くするのに珍重される。
花
大阪市立大学付属園 2015年5月3日
葉
大阪市立大学付属園 4月9日
神戸森林植物園 2000年4月30日
樹形
神戸森林植物園 2000年4月30日