Sepetir マメ科広葉樹でSindora属やPseudosindora属などの複数の樹種をセブターと呼んでいる。
Sindora属はマレーシア、タイ、カンボジア、スマトラ、カリマンタン、スラウェシ、ジャワなどに分布しており、約20種が知られています。Pseudosindora属の場合は一種がサラワクの海岸に近い地域に分布しているのみです
Sindora属の方は、種の数が多く分布も広いので市場名が違っています。主なものではフィリピンではセペチール、セペティア、スーパ、インドネシアではシンドラ、シンドール、マライ語圏ではセペチールと呼ばれています。
その他でこの樹種を指す名前はGu、Go、Gomat、Makha、 Makata、Maka-Tea、Meketil、Kayu-Kalu、 Krathon、Krakas、Petir、 Petir-Sepetir PaySaputi、Sepeteh、Sepetir Nin-Yaki、 Sindur、Sindur、Supa、Sepetir、Septir paya、Swamp Sepetir、 Supaなどがあります。同類の木材としてセプターと取り扱われることが多いです。
樹高30~46メートル、直径40センチ~1.2メートル。幹は通直で円筒状ですが、それほどの根張や板根はありません。
樹種によって心材の色が異なり、淡色で桃色を帯びるものから濃い紅色や赤褐色になるものまであります。ただ欠点として辺材が大きいことです、例えば太の周囲152cmのものが13cmの辺材になっています。
樹種によっては、濃色の縞があり、美しい材面をもつことがあります。木理は通直ときにやや交錯。軽軟材~やや重軟材。木肌はやや粗く、材面に油性の感触があります。
加工は少し難しいところがありますが、仕上がりは良好です。耐久性は樹種により差がありますが、耐久性は一般には低く、ヒラタキクイムシに弱い。地面設置面での耐久性はなく、防腐剤注入は辺材は入りやすく、心材は濃色の材ほど困難。なので屋外用の用途には向きません。
乾燥は少し困難、時間をかけてゆっくりと乾燥させないと木口に割れが生じやすい。
気乾比重も樹種によりさまざまで沈木もあります、主だったところで0.83(S.supa)、0.57~0.76(s.Sindura)、0.64~0.72(セプター、パヤ)、1.04(Krakas)、0.83(S.supa)、0.64~0.72(セプター、パヤ)などです。
用途は縞や杢目の美しいものは装飾用としてキャビネット、衣装だんすなどの家具、 フローリング、 ベニア、建具、 楽器、箱、ステッキ、仏壇、単板などに使われる。縞のないものは軽構造材とされます。
その他、ボート材、床柱や建具材、 包装用、パレツト、トラックのボディ、銃床、合板材、など用途は広い。
Sindora属とサラワクのPseudosindora属(セプターパヤ)はよく似ていますが、樹種判別用の拡大ルーペや顕微鏡で見ると Pseudosindora属には軸方向細胞間道(樹脂道)がないので、区別できます。
セプターと呼ばれる樹種の学名
Sindora affinis、 Sindora coriacea、 Sindora echinocalyx、 Sindora parvifolia、 Sindora siamensis、 Sindora velutina、 Sindora spp.、 Pseudosindora palustris、 Copaifera palustris、 Copaifera spp.
より詳しくは平井信二先生の樹木、木材研究 シンドラノキ属の樹木 をごらんください。
セプターの物理的性質はコチラ。