イヌエンジュ
解説
マメ科。
落葉高木。
北海道から九州まで、千島、朝鮮半島に分布する。比重は0.59。
高さ10-15m、直径60㎝。環孔材。
樹皮は、暗灰色で若いうちは平滑だが、
老木になるにつれて、 浅い縦の裂け目がでる。 葉は互生する3-7対の小葉からなる奇数羽状複葉。夏に総状花序に白~
黄白色の小さい蝶形花 を多数つける。
材はやや重硬で、どこから見ても一見して心材と辺材がわかる。 心材はセピア色、辺材は黄白色をしており、木口から見るとわかるように
辺材部分は狭く、心材の黒い部分が多い。また板目から見ると、木理が山
になりはっきり見て取れる。
(環孔材とは、年輪に添って、栄養を運ぶ穴が
並んでいる木のこと)
そして所々の木肌が黒光りをしている事も特徴の一つと言え、材質は強
くねばりがあり、心材にくされや割れが入りにくいという特質を持っている。
独特の風合いのため、昔から床柱や床カマチなどに珍重されてきた。 強くねばりのある特質は曲木に最適で、手斧の他にも農具(牛に車をひかせ
る時の柄等)や車両の部品、北海道の鉄道枕木と幅広く活用され、
建築装飾材、家具、器具、薪炭などの用途もある。床柱では材面に自然の
凹凸のあるものを うまくいかし、 一部に辺材の白色部分を面白く取り
入れるなどが行われる。しかし最近は シナノキ材を上手に加工したイミ
テ-ションのものが多い。
木材はほとんどエンジュと称して扱われるが、本当のエンジュは中国原産
の別属のもので、街路樹に多く使われている。
葉
表皮