ハックベリー
解説
ニレ科エノキ属の落葉高木。学名:
Celtis Occidentalis 英名Hackberry 別名アメリカエノキ、ビーバーウッド、アメリカンハックベリー、英文ではnettletree、sugarberry、 beaverwood、northern hackberry、 American hackberryなどです。
北米大陸のオンタリオ州南部、ケベック州、ニューイングランドの一部、南はノースカロライナ州、西はオクラホマ州北部、北はサウスダコタ州に広く分布しています。
樹高15~40メートル、直径50-90センチ。やや長寿命の広葉樹で、明るい色の木材、黄色がかった灰色から明るい茶色の黄色の縞が入っています。コルクのような樹皮にイボのような突起があるため、ニレや他のエノキと簡単に区別できます。
果実は食用になり、9 月上旬に熟します。他の果物と異なり、ベリーは果実は水分が少ないですが脂肪、炭水化物、タンパク質のカロリーが非常に高く、そのまま食することができます。オマハのネイティブアメリカンはベリーを気軽に食べていましたが、ダコタ族はベリーを肉の風味付けに使用し、細かく砕いたり、種をつけたりしました。
木材の性質としては、環孔材で気乾比重は0.57程度。同属のシュガーベリー(Celtis laevingata)も木材業界ではハックベリーとして扱われることが多い。
心材と辺材の境界ほとんど無くわかりにくい、黄灰色から淡褐色をしています。肌目は密ですが、木目は通っていたりよじれていたりと不規則。
ハックベリー材の硬さ、強度は中程度ですが、スチームを利用した曲げ加工時の強度は良好です。切削、カンナがけ、プレーナー・旋盤加工にも問題なく、材に粘りがあるので釘やネジの保持力が良い。また、接着や塗装、つやだし加工にも優れていて、仕上がりが美しくなります。
注意しなければならないのは、乾燥と耐朽性です。乾燥は早いですが、収縮率は高く、安定性にやや欠けます。その段階で青いシミができやすいです。やや耐朽性に欠けるため防腐処理が必要です、特に心材は耐朽性がなく害虫に弱いです。防腐剤は辺材の方がよく入ります。
用途は家具、壁材、造作、キッチンキャビネット、ドア、モールディング、ベッドフレーム、木製樽、建築材など幅広く利用されています。
葉
実
チェコ カレル大学付属植物園 2015年9月21日
樹形
▲▲▲チェコ カレル大学付属植物園 2015年9月21日
幹
チェコ カレル大学付属植物園 2015年9月21日