イタヤカエデ
解説
カエデ科。
落葉高木。北海道から九州まで、南千島、樺太、朝鮮半島、大陸東部・東北部に分布する。直径1m、高さ20mにも成長する。
比重は0.65。散孔材。年輪ははっきりせず、色はやや赤みを帯びた白色から
淡紅褐色。辺材と心材の差はあまりないが、偽心材がある。非常に硬く、かつ導管が詰まって
いて割れにくい。
代表的なオニイタヤについて記すと、葉は対生し長さ・幅5~10㌢、掌状に5~7浅裂または中裂
し鋸歯はない。
秋には黄葉する。黄緑色の小さい花をつけ、果実は二個に分かれ、かぶとの鍬形
のような大きな翼をつける。 量は北海道、東北に多く、木材でカエデといえば、ほとんどはこれをさす。 特有の光沢があり、局部的に繊維の屈曲が多く、縮杢、波状杢、鳥眼杢などが表われる。 緻密でやや重硬、強靭。器具、家具、建築内装材、船舶、車両、楽器、運動具、漆器木地、
薪炭などに使われる。 粘り強く、傷がつきにくい。また塗装性、接着性はよいが、色むらが出ることがあるので要注意。
乾燥が十分でないと、反りやかびの発生をまねく。加工中に黒い染みやかすれがでやすい。
偽心材が絡みやすいので、用途に応じた木取りを行うことが大切である。とくに心材は硬くて
作業性が悪いため、 主に辺材を使われる。
樹形
大阪市大学附属植物園 2000年11月11日
葉
大阪市大学附属植物園 2000年11月11日
葉
大阪市大学附属植物園 2000年11月11日
葉
河内長野市 花の文化園 2013年12月1日
表皮と年輪