ナナカマド
解説
バラ科ナナカマド属。学名
:Sorbus commixta 落葉高木。北海道、本州、四国、九州の山地~亜高山帯、朝鮮半島や南千島、サハリンにも分布する。
地方によってはライデンボクと呼ぶところもある。赤く染まる紅葉や果実が美しいので、北海道や東北地方では街路樹としてよく植えられている。高さ7~10m程度になる。高いものでは15mになるものもある。
葉は長さ12~25 cmの奇数羽状複葉で、小さい葉が相対についている。小葉は先はとがり、ギザギザがついています。
樹皮は帯灰暗褐色から、のちに灰色。大きな皮目と横すじがありサクラに少し似ている。
夏には白い花を咲かせる。葉は枝先に集まって着き、奇数羽状複葉。秋には小さな赤い実が房になってつき、真っ赤な紅葉になる。実は鳥類の食用となる。 備長炭の材料として火力も強く火持ちも良いので作られた炭は極上品である。また、北欧などでは魔よけにもなっている。これは燃えにくいことや、落雷除けのシンポルとしたもの。同じ仲間のセイヨウナナカマド (European rowan,
Sorbus aucuparia) です。
「ナナカマド」という和名は、大変燃えにくく、7度竃(かまど)に入れても燃えないということから付けられたという説が、広く流布している。これは牧野博士が伝聞をそのように書いたからで、実際にはそのような事実はない。暖炉で実験をしました。中村浩博士は「
植物名の由来」に詳しく述べています。7度焼くと良質の炭になるという説に近い。食器にすると丈夫で壊れにくい事か ら竃が7度駄目になるくらいの期間使用できるという説などもある。
木材としては散孔材で重硬です。
用途は、彫刻材、ろくろ細工の材料、これは食器や器具の持ち手などになります。ナイフなどの金物の刃に合わせたオーダーメイドの柄を作成しているところもあります。枝葉実を花材として、薪炭などに使われる。ジャムや果実酒にも利用できる。
花蕾
▲▲ 神戸市立森林植物園 2016年5月22日
葉
Sorbus_americana_Marshall オーストリー ウィーン大学付属植物園 2015年9月25日
フィンランド カイサミニエ植物園 2017年10月15日
紅葉
神戸森林植物園 2009年11月
▲▲▲ フィンランド カイサミニエ植物園 2017年10月15日
Sorbus_americana_Marshall オーストリー ウィーン大学付属植物園 2015年9月25日
実
但馬高原植物園 2005年10月
神戸森林植物園 2009年11月
Sorbus_americana_Marshall オーストリー ウィーン大学付属植物園 2015年9月25日
葉
大阪市立大学付属植物園 2005年8月7日
樹形
大阪市立大学付属植物園 2005年8月7日
幹・表皮
フィンランド カイサミニエ植物園 2017年10月15日