v11.0
- ID:
- 43208
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1116
- 見出し:
- 低価値の木材成分を使う自動車部品で世界初の試験
- 新聞名:
- 日経xTECH
- 元UR(アドレス):
- https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00486/111300003/
- 写真:
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- 記事
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スギ材から抽出した改質リグニンを樹脂の成分とするガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製の自動車部品を、実際の自動車に取り付けて耐久性などを確かめる。
そんな世界初の試みが、2018年10月に日本国内で始まった。
産業技術総合研究所(産総研)と森林総合研究所(森林総研)、宮城化成(宮城
県栗原市)、光岡自動車(富山市)の4者が実施している。
改質リグニンを用いた部品として実車に搭載したのは、外装部品であるボンネットと内装部品であるドアトリム、アームレスト、スピーカーボックスの4点だ。
約1年にわたって、これらの部品を搭載した自動車を屋外で走らせ、温度や湿度、天候などによる影響を評価する。
改質リグニンを添加した樹脂で製作したボンネットを光岡自動車のビュートに搭載した。
ボンネットの重量は5.8kg。
外部環境にさらして、経時変化を確認する(写真:光岡自動車)
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自動車の内装部品であるドアトリム、アームレスト、スピーカーボックスにも、改質リグニンを用いたGFRPを採用した(写真:光岡自動車)
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今回の実車による評価で用いたGFRPは、従来のエポキシ樹脂を用いたGFRPを改良したものだ。
従来のGFRPに用いていた硬化材の一部を改質リグニンに置き換えている。
改質リグニンを添加した樹脂を含浸させたGFRPは、従来のエポキシ樹脂を含浸させたGFRPに比べて10~20%ほど引張弾性率が向上した。
この数値が大きいほど、荷重に対する変形を抑えられる。
しかも、これら2つのGFRPに対して、20年間の耐久性に相当する3000時間の加速劣化評価を実施したところ
、時間経過とともに、その差が大きくなる傾向にあった
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