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- ID:
- 42624
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0913
- 見出し:
- 樽材、おしゃれな椅子に サントリーとカリモク組む
- 新聞名:
- 日本経済新聞
- 元UR(アドレス):
- https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35334640T10C18A9000000/
- 写真:
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- 記事
-
サントリーホールディングスと家具大手、カリモク家具(愛知県東浦町)は、ウイスキーの樽(たる)材を使ったソファ「Kチェア」を28日に発売する。
1962年から生産され、すでにカフェなどでは定番のKチェアだが、樽材の再利用で環境保全意識の強い若者層の取り込みを狙う。
全国で年間150台の販売を見込
む
■高級木材、あえてウイスキーの染み残す
サントリーのウイスキー樽は「ホワイトオーク」と呼ばれる高級木材を使っている。
長期熟成に耐えるよう年輪に対して垂直に切り出し、木目が美しくゆがみが少ない。
サントリーは70年代から研究を重ね、曲がった木材を真っすぐに戻す技術で特許を持つ
「手すりだけで4本の樽材をぜいたくに使った」。
ソファ・椅子の主力製造拠点、東浦カリモクの早川雅博・管理部部長は胸を張る。
肘掛け木材には、ウイスキーの染みやくぎの痕が残る。
「ウイスキーを熟成してきた樽材ならではの風合いは残してほしい」と取引先から要望があり、あえて残したという。
今回コラボレーションしたKチェアはシンプルなデザインが特長。
02年に立ち上げたカリモク家具の独自ブランド「カリモク60(ロクマル)」の主力商品として、カフェブームにも乗り定着してきた。
同ブランドの売上高の6割を占め、年間販売は1万台を超える。
■環境への意識高い若年層にアピール狙う。
ただ、20代など若年層の取り込みが課題になっている。
カリモク家具の山田郁二常務は「発売当時のファン層は30代になり、家族を持ちダイニングテーブルを買うようになった」と話す。
Kチェアの販売台数は17年度は前年度比12%減った。
「20代など若年層は環境に配慮した商品を高く評価する」。
18年3月にあった、サントリーとカリモク家具との定期的な商品開発・販促の検討会議でこのようなデータが示された。
樽材の原価は通常の木材に比べて4~5倍とされるが、山田常務は「樽材の再利用をアピールすることで20代を開拓する切り札
になる」と着目した。
サントリーの樽材再生品シリーズ「樽ものがたり」にはソファやキャビネットなど約150点の商品があるが、08年からはカリモク家具とのコラボによるダイニングテーブルや椅子、ソファが人気になっている。
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