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- ID:
- 41499
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0513
- 見出し:
- 都市木造実現への第一歩! 木材活用コンクール最優秀に『国分寺フレー
バーライフ社本社ビル』
- 新聞名:
- 日刊建設通信新聞
- 元UR(アドレス):
- https://www.kensetsunews.com/web-kan/188128
- 写真:
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- 記事
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スタジオ・クハラ・ヤギ+team TimberizeとKAP(構造)、桜設計集団(耐火構造)が設計を担当した普及型木質ハイブリッドビル『国分寺フレーバーライフ社本社ビル』が、第21回木材活用コンクール(主催・日本木材青壮年団体連合会)の最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞するなど注目されている。
開発済
みの技術を大幅に改良することで、コストの適正化や部材製作・施工の簡略化を図るとともに、耐火時間が異なる接合部分などの性能検証試験を経て、市場が使いやすい“普及型”として、都市木造実現への新たなスタンダードをつくり上げた。
JR国分寺駅前にあるフレーバーライフ本社ビル
■自然の恩恵を循環
東京都国分寺市のJR国分寺駅前にある『フレーバーライフ社本社ビル』は、木材利用の活性化や都市における中高層建築で、民間事業者による木造建築を増やしたいという思いを共有する施主と設計者、施工者がタッグを組んで実現した。
5階の執務空間
アロマオイルの輸入・製造・販売などを手掛ける同社の鎌田尚文氏は、「自然に生かされている会社であり、自然から得た恵みを社会に循環させたかった」と木造ビルを構想していたものの、「技術的な課題で断念しかかった」時に地元の多摩産材を扱う沖倉製材所からの紹介でteam Timberizeと出会った
社員も参画し、 フリーアドレス制の導入など働きやすい職場空間・環境を追求しながら木質空間を融合した新社屋は「人という未来への投資だった」と語る
■シンプルな鉄骨造
既存の木質ハイブリッド構造の技術を大幅に改良してコストの適正化と部材製作や施工の簡略化を図る“普及型”木質ハイブリッドビルというコンセプトについて、設計を担当した久原裕氏(スタジオ・クハラ・ヤギ)は、「一品主義ではなく、誰でも使えるような新しいスタンダードをつくることを目指した」と強調する
主な改良点は、(1)構造はオールS造(2)ノンブラケット工法の採用(3)木質ハイブリッド集成材と一般的な耐火被覆材の併用--の3点。
耐火性能上の問題がないことを確認するため、施工を担当した住友林業の筑波研究所で3回の耐火試験を実施した
木が熱から鉄を守る耐火被覆材として機能する鉄骨内蔵型の木質ハイブリッド集成材の特徴を最大限に生かすため、構造方式はシンプルな鉄骨造にすることで、「構造設計や確認申請が簡単になり、施工の難易度やコストを下げつつ、標準納まりを整理して誰でも建てられる」(久原氏)という。
■柱と梁の接合部改良
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