v11.0
- ID:
-
41259
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0411
- 見出し:
- 隈研吾さんの展覧会「くまのもの」 素材追求の軌跡たどる 移動式茶室「浮庵」など 70件紹介
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- https://mainichi.jp/articles/20180411/dde/014/040/003000c
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場をはじめ、国内外で幅広く設計を手掛ける建築家の隈研吾さん(63)。
その素材面に着目した展覧会「くまのもの--隈研吾とささやく物質、かたる物質」が東京駅の東京ステーションギャラリーで開催中だ。
最新作を含め約70件を展示し、現
代建築のあり方に一石を投じてきた軌跡を展望する。
■ ■
展示は竹、木、石、瓦など10の素材別に構成した。
「現代建築の鉄とコンクリートという工業化社会の“制服”に代わる素材を求めて30年間、さまざまな物質と格闘してきた」と隈さんは説明する。
会場に足を踏み入れるとふわりと竹の香りが漂う。
源は竹が波のようにしなる構造物「ナンチャンナンチャン」。
「素材の形や質感を見てもらうだけでなく、五感に訴える面白さも感じてもらえたら」。
竹ひごを曲げて編み、香りを最大限引き出したパビリオンも別室にしつらえた。
隈建築の代名詞といえば木。
そのエリアは実物の木組みや静岡に昨年完成したコエダハウスの大型模型が目を引く。
後者は中央の柱が枝分かれするように傘状に広がり、屋根を支える。
大樹を思わせるおおらかな造形が魅力的。
不燃処理した板で外観を覆った栃木・那珂川町馬頭広重美術館、軒裏に
木材を用いる新国立競技場の模型も並ぶ
自身の建築の特徴の一つとして「なるべく小さい部材にする」ことを挙げる。
木の場合、多く用いるのは10センチ角前後の細い木材。
「大きな建物も小さいピースで組み上げられていると親近感がわく。
持ち運びや解体が容易なので、いわば建築の民主化にもつながる」
「建築の民主化」の視点から紙や土、繊維など日常的な素材とも向き合う。
窓ガラス代わりに和紙を使った民家、土を練った日干しレンガによる収蔵庫。
共に職人と協働し、伝統技法の可能性を探った。
ヘリウムガス入り風船を浮かせ、上から布をかぶせた「浮庵」は移動式茶室で使用時は畳んで運ぶことが
できる。
西洋の古典建築の主素材だった石にも取り組む。
スコットランドに今秋開館するビクトリア&アルバート博物館分館は台形の本体を無数の砕石が顔を出すパネルで覆い、質感を際立たせた。
柔らかい膜材の屋根をかぶせた東京・品川新駅(仮称、20年完成予定)、繊維カーボンの糸を周囲に張り耐震
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