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- ID:
- 40687
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0208
- 見出し:
- ヨーロッパでブーム?木造の高層建築(CLT)の未来
海外不動産ポータルサイト SEKAI
- 新聞名:
- Property
- 元UR(アドレス):
- https://ja.sekaiproperty.com/news/2122/clt-future
- 写真:
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- 記事
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世界の最先端を走る街 オーストリアの田舎町ギュッシング市
世界中から、年間三万人もの視察が殺到している街がある。
それは、ハンガリーとの国境の町・ギュッシング市だ
人口4000に満たない市が注目されている理由。
それは、世界先端の発電施設だ
20世紀を通して、極めて貧しく、西側諸国の中で最後尾を走っていた街であったが、2000年以降には、バイオマス産業で世界の最先端を走っている。
ギュッシング城と並んで、町を訪れる者の目を引くのが巨大な発電施設だ
敷地内には、山のように木材や、それを砕いたチップが積まれている。
ギュッシングには、こうしたバイオマス発電が三基あるほか、三十近いバイオマス関連施設があり、町全体の電力や熱を賄っている。
バイオマス発電を効率化するために、バイオマスが占める割合を飛躍的に高める「地域暖房」という仕組みがある。
地域暖房は、発電の際に出る排熱を暖房や給湯に利用する、「コジェネレーションシステム」を実現しエネルギーの自給率を72%達成
した。
エネルギーの自給率は、オーストリア全体で10%、日本はわずか0.3%であることを考えると、小さな町とはいえ驚異的な数字だ
またギュッシングに13年間に50もの企業が進出し、計1100人の雇用を生み出した。
現在、市の税収は1993年の34万ユーロから2009年には150万ユーロと4.4倍になった。
これにより、各種交通インフラの整備も進み、ヨーロッパ一貧しかった国の面影を微塵も感じさせない街へと変貌を遂げたのだ
ロンドン、イタリアでも進む、木造高層建築
コンクリート並みの強度を誇る新しい集成材、CLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)を利用した、木造高層ビルが、オーストリアの都市部にどんどん建ち並び始めている。
CLTとは、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料
CLTはオーストリア南部のカッチュ・アン・デア・ムアという小さな村にある製材所から生まれた。
CLT建築は、単に強度に優れているだけでなく夏は暑く、冬は寒い石造りや鉄筋コンクリートより快適な住環境を提供している。
オーストリアの小さな村から生まれた技術は、1995年頃からオーストリアを中心として発展し、現在では、イギリスやスイス、イタリアなどヨーロッパ各国でも様々な建築物に利用されている
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