v11.0
- ID:
- 43152
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1112
- 見出し:
- 『森の価値』は木材だけではない 企業とのパートナーシップで社会課題解決を目指 す
- 新聞名:
- 環境ビジネスオンライン
- 元UR(アドレス):
- https://www.kankyo-business.jp/column/021412.php
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
2007年に、音楽家の坂本龍一氏らが中心となって設立された、一般社団法人 more
trees。
「都市と森をつなぐ」をテーマに間伐や植林を通した森林保全活動やカーボン・オフセット事業、木材を活用したプロダクトの開発などを行っている。
企業などとのコラボレーション活動も積極的に行う同団体の水谷氏、河野氏に、環境と都市、そして経済とのかかわりについて伺った。
都市と森との間に「価値の循環」をもたらす
運営の柱として、「森と都市との架け橋となるような活動を通じ、双方の価値の循環を促していく」(PR・コミュニケーション 河野明日実氏)ことを掲げるmore
trees。
ここでいう「都市と森をつなぐ」とは、セミナーやツアーなどで「人」と森をつなぐこと、国産材プロダクトなどの「もの」を届けること、カーボン・オフセットで「空気」を変えること。
そして東日本大震災以降には、被災地支援プロジェクト「LIFE311」が加わり現在の形となった。
more treesで企画・販売している木製プロダクトの数々。
製品としての機能・美しさを重視したデザインへのこだわりが、木材の価値を伝えることにつながる
more treesで企画・販売している木製プロダクトの数々。
製品としての機能・美しさを重視したデザインへのこだわりが、木材の価値を伝えることにつながる。
団体のホームページやパンフレット、プロダクトを見ると洗練されたデザインが目を引く。
このようにデザインに注力するのには理由がある。
社会問題を最前面に出すと、消費者は「森林保全は重たいテーマ」と感じかねないためだ。
「食べ物で言えば、単純に美味しいかどうかということ。
ロジックも大切だが、五感
に訴えることで気づきを促す」(事務局長 水谷伸吉氏)ために、特にプロダクトデザインにおいて、少しでも魅力的に映ること、手に取ってもらえることを心がけているという。
海外と日本、大きく違う「森の課題」
活動のベースとなる森林保全活動は、森林を抱える各地域と協定を結び、その地域との協業で行われている。
「more treesの森」と呼ばれるそれらは、2018年10月現在、国内に11カ所、海外に2カ所あり、「森の課題に即した保全活動」が実施されている。
そもそも「『森の課題』は、日本の森、海外の森で大きく違う」(水谷氏)。
日本は、戦後、国策として植林と森の育成を積極的に行っていたこともあり、実に国土の7割が森の「森林大国」。
しかし、1964年に木材輸入の完全自由化がなされると、輸入材が市場を席巻。
国産材の使用は減少し、林業も衰退してい
った。
人の手によって植えられた森は、人が手入れをし、適切に伐採して使うことでその恵みを維持できる。
つまり、「森はたくさんあるが、林業の衰退によって手入れが不十分な森が増えてしまった」(河野氏)のだ。
そこで、同団体は、国内では「健全な森」を再生するために間伐などの森林整備とともに国産材の活
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